
縁側をご利用いただく際のルール&マナー集を用意いたしました
ユーザーの皆様に楽しくご参加いただけるよう、主に投稿時の注意点などをまとめています。
ご投稿の前には必ずご一読をお願いいたします。詳しくはこちら⇒「縁側 ルール&マナー」
紹介文
ここにアップする写真は鳥、風景、天体、絵、恐竜等なんでもけっこうです。
皆さんと憩いのひと時が楽しめる、そんな掲示板になると幸いです。

こちらが漫画小説(ずっと一緒だよ)本編です。
書き込み権限はScreen Angelさんだけとします。
他の方のレスは「漫画小説(ずっと一緒だよ)制作企画部1」へお願いします。
2012/2/20 23:13 [898-654]

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「シーン1(公園にて) カット1
寒い。ゆるやかながら時折吹く風が尚一層寒さを感じさせる。
しかし、冬は空気の透明度が高く、また風が空気の汚れを拭い去ってくれるように思える。
人気の無い冬の夜の公園。冬馬は望遠鏡で星を見ていた。彼の趣味は天体観測とその撮影。
今夜も夕食の後、いつも来るこの公園にやってきたのだ。
冬馬は25才。 美術館でキュレーター(学芸員)の仕事をやっている。
家族は事故で失い、身寄りのない独り者。
幼いころから、つらいときや悲しい時に、夜窓から星を見上げ、願いをかけていた。
その思いが今でも続き、望遠鏡で星空散歩するのが日課となっていた。」
2012/2/23 13:18 [898-693]

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『シーン1(公園にて)カット3
酔っ払いの元太が望遠鏡を見ようとしても目の位置が定まらない。フラフラっとよろけた途端、望遠鏡に目をひどくぶつけてしまった。
冬馬「大丈夫ですか!」
酔っ払いの元太「ほ、星3つ〜!」
どうやら別の星が見えた様だ。
元太「気を付けるんだぞ〜」っと自分の事を棚にあげ、足がフラフラのまま、鼻歌を歌いながら去って行った。
「幸せが〜住むと言う〜♪、虹色のみずうみ〜♪ あ〜それそれ〜♪」 』
2012/2/27 13:15 [898-738]

シーン1(公園にて)BGM
http://www.youtube.com/watch?v=mz2W8Pty2
3U
2012/2/27 18:38 [898-741]

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:『シーン2(出会い)カット1
夜7時過ぎ、人がひしめくラッシュの時間、冬馬は電車に飛び乗った。
「あ〜疲れた、今日は巨大な像の美術展覧会場1階への運搬で本当に疲れたな。確かテーマは[恥ずかしさ]で作者はフットサル・ヒロさんじゃなかったんだっけ。でも、あの像は一体何だったんだろう。」・・・と考えながら、左手でつり革を握り、いつもの様に右手の本を読み始めた。
いくつかの駅を通過して、冬馬が本のページをめくろうとした瞬間、ヒラヒラと紅葉が、目の前に座っている女性の膝の上に落ちた。
冬馬が栞にしていた紅葉だった。
疲れているのか無表情だった女性は、自分の膝の上にハラハラと落ちてきた紅葉に目を瞠った。そして手に取り思った。
「なぜ?どこから?」
彼女は顔を上げた。そこには本を片手に困惑した表情の若い男がいた。彼女は瞬時に事態を察した。この紅葉は男の本の栞だったのだと。男が紅葉を栞にしているなんて・・・そのギャップと、しかしセンスの良さに思わず彼女の顔に笑みが浮かんだ。
「これは貴方の・・・」
と言って彼女が紅葉を男に差し出した。
「あ・・・はい・・・ありが・・・とう」
初めてはっきりと彼女の顔を見た冬馬は歯切れ悪く答えた。一目で冬馬は彼女に魅せられてしまったのだ。利発そうな表情・・・しっかりとした意思を秘めつつも優しい瞳、口元からこぼれる白い歯・・・。冬馬はドギマギしながら彼女から紅葉を受け取った。
小さな紅葉。二人の指は触れ合った。冬馬には暖かい何かが伝わったような気がした。
電車が駅に着くと、女性は立ち上がり、笑顔で挨拶し、降りていく人ごみの中に飲まれて行った。
一瞬の出来事だった。』
2012/2/29 01:17 [898-764]


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:『シーン3(再び公園にて)カット2
また、酔っ払いの元太が通りかかった。
元太「よ! 誰かと思ったら・・・誰でもなかった〜」
「あ、この前の・・・僕は冬馬と言います、よろしく。」
元太「と、と、とんまの天狗さ〜ん♪ のとんまね〜。」
「とんまじゃ無くて、冬に馬でとうまと言うんですよ。」
「俺は元太、元気に太るって俺のこと〜♪ このあいだ、もやせないごみを出しに行ったら、近所のガキに、も〜痩せないゴミって言われちまった。ハッハッハ。」』
2012/3/7 13:12 [898-810]

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age,,,age---! |
:『シーン3(再び公園にて)カット3
元太「おう、今日も星を見てるんだな。今日こそ見てやる〜!」
冬馬「どうぞ、気を付けてね。これが木星ですよ!」
「ほ、星4つ〜!」
冬馬「それがガリレオ衛星ですよ。それから木星本体を見ると、大きな楕円模様が見えるでしょ、これが大赤斑なんです。」
「うお〜っ! 今日は大赤斑が見れたから赤飯食べなくっちゃ。今日は木星を見せてくれたお礼に星に似ている紅葉饅頭をあげる。」
元太はポケットから紅葉饅頭を取り出し冬馬に手渡した。
冬馬「紅葉饅頭ですか、これ美味しいんですよね、ありがとう。」
元太はいつもの様に鼻歌を歌いながら去って行った。
「幸せが〜住むと言う〜♪、虹色のみずうみ〜♪ あ〜それそれ〜♪」
「あ〜、そこにいる奴は、この前俺を[も〜痩せないゴミ]と言ったガキだな〜、こら〜!」
キッスちゃんを見つけた元太は、フラつきながらも、走って追っかけて行った。』
2012/3/10 14:08 [898-865]

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『シーン4(帰宅時駅を出て)カット1
夜帰宅途中の駅、ザーザザッー、雨粒が路面から跳ね返りズボンの裾がズブ濡れになるほどの急激な土砂降りに、改札から出てきた冬馬は
「なんだか最近の天気は変化が多いな。今朝は折りたたみ傘を鞄に詰めておいて良かった。」と思った。
ふと駅の出口に目をやると、傘が無くて悲しそうな顔をしている女の子が目に入った。
冬馬は「どうしたの? あ、君はこの前元太さんに追っかけられていた子だよね。」
「お傘がーーーー、お家バイバイ、ウヘーーーーンのしー。」(可愛くニコッ)
冬馬「じゃ僕が家まで、送ってあげようか。」
「だめっし、知らんお人にーお声掛けられたらーついてっちゃーだめだめころりんこー。ねたまぷりぷりぷりがぉ〜〜しよるー。うがぉぉぉ〜〜〜!こわ〜〜〜。。」
冬馬「僕について来るのじゃなくて、僕がついていくのだから良いんじゃない? どう?」
キッスは、感じの良さそうな冬馬に、すっかり信頼して言った。
「ウップ、そんたらそんたらーー??いっかー。わちにさわんなよーー!んちっとはいいがー。・・・。にいちゃまー、腕くんずもいいだかー?うう・・ぬれるっけにー。」』
2012/3/15 17:51 [898-921]

2012/3/17 00:41 [898-935] 削除

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『シーン4(帰宅時駅を出て)カット2
しばらく歩くと、交差点の先からこちら向かって歩いて来る女性が目に入った。
キッス「ね、ねたまー。」
くれは「迎えに行こうとしてたの。キッス、遅れてゴメンね。」
「あ! あの髪、あの瞳、きっとそうだ・・・確かに彼女だ!」冬馬は一瞬目を疑った。
あれから、どれだけ探した事だろう。
冬馬「この子は貴女の妹さんですか?」
くれは「はい・・・キッスって言うんですよ。」
「キッスちゃんですか、可愛いですね。」
目の前の女性があの時の彼女と確信した冬馬は
「あの、あの時は紅葉をありがとう。」
くれはは、冬馬の言葉に驚き、この時はじめてしっかりと冬馬の顔を見た。
「はい・・・あ、あの時の・・・」
冬馬「覚えてくれていたんですね・・・。」
冬馬は、くれはの瞳を見つめながらも言葉を続けた。
「僕はあれから・・・ず〜っと君の事が忘れられなくて、探し続けていて・・・逢えて良かった。」
キッス「ねたま、さがしとったにいたま・・・って、このニイチャンマかしらーーーん? ワ〜イ!みっけ!うっきゃっぴー」
「し〜っ!内緒」
くれはも、冬馬の事が忘れられなくて、毎夕列車から降り、過ぎ行く列車の中をホームから探すのが日課となっていた。
「え・・・」
「・・・・・・」
お互いの心に同じものが流れているのを二人は感じていた。
冬馬「この近くにキツタヌってカフェがあるんだけど、行ってみない」
くれは「はい・・・」
キッス「ウププー、キッタネーカフェ?ひなちゃまはOKかやー?」
冬馬「ペットはOKだよ。 それからキッタネーじゃ無くてキツタヌだからね。ハハハハ。」』
2012/3/18 02:30 [898-948]

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『シーン5(カフェキツタヌにて)カット1
冬馬はしゃがんで子犬のひなちゃんの頭を撫でながら
「この子ひなちゃんって言うんだ〜可愛いね。」
と、その瞬間ひなは冬馬に飛びつき顔をペロペロと舐め回した。
キッス「うひゃっひゃー。ひなが、ねたまの代りにキッスしたったー。」』
2012/3/25 01:58 [898-1005]

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『シーン5(カフェキツタヌにて)カット2
冬馬はおしぼりで顔を拭きながらくれはに言った。
冬馬「うわ〜こんな顔で自己紹介するの恥ずかしいな〜。僕の名前は冬馬、夜は近くの公園でいつも星を見ている独り者なんです。」
「冬馬さんはきっと優しい方なんですね、だってうちのひなが他の人にこんなにじゃれるって初めてなんですよ。・・・・私の名前はくれは、紅葉と書いてくれはと呼ぶの。」
冬馬「・・・だから紅葉の栞が、君に魅かれて落ちていったの。きっと紅葉の栞はくれはさんの分身だったんじゃないかな。」
「うふふ、そうかもね・・・・」
冬馬「やっぱりそうなんだ・・・ハハハハ」
二人は見つめ合ったまま笑った。
冬馬「じゃ僕からクイズを出すね」
「君は僕を 1番:ひなちゃんを大切にしてくれそうだから大好き 2番:キッスちゃんを大切にしてくれそうだから大好き 3番:くれはさんを大切にしてくれそうだから大好き のどれ?」
くれは「全部だけど、しいて言うなら3番かな、な〜にこのクイズ? どうしたの?」
冬馬「ピンポーン正解で〜す。 え〜っと本当はね、くれはさんに『大好き』って言わせたかっただけ。」
「う〜んそれは、冬馬さんから先に言って欲しいな。」
冬馬「そうだよね・・・照れるな・・・・・・・大好きだよ。」
「私も大好きだよ。」と、くれはも返した。
冬馬「じゃ両想いだね、良かった。」
「そうだね。」
キッス「うっちゃか〜〜〜っ、キッスもここにおるよってーー。」
店主「いいな〜! 俺も今夜、家に帰ったら女房に『大好き』って久々に言ってみるか。 カシャ!カシャ!」』
2012/3/30 13:45 [898-1042]

シーン5(カフェキツタヌにて)BGM
http://www.youtube.com/watch?v=kFU2l0EHm
mE&feature=related
2012/3/31 21:32 [898-1057]

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『シーン5(カフェキツタヌにて)カット3
カフェのドアが開いて、怪しい3人の女性、正しくは怪しい2名と美しい1名の女性が入ってきた。
キツタヌ店主「やあ、いらっしゃい」
ブルママ「おじゃましまーす」
デジママ「あ〜、そこにいるのはくれはちゃんと、キッスちゃん」
くれは「あ、デジママさん、こんばんは。」
キッス「おー、こりゃ〜こんこん、デブママちゃまー、よこそおこんばんちー。」
デジママ「キッスちゃん、私はデブママじゃなくてデジママ。間違えないでね。」
デジママがキッスちゃんの事を大好きだということをキッスちゃんは良く知っていたので、デジママに飛びついて、顔をペロペロした。
電ママ「いや〜、そこの男前さんはどなたかな〜?」
くれは「こちらは冬馬さん、そちらのママさんたちは・・・」
「私は下ネタ堕天使、快楽皇太后こと、電ママ」
「私はデジカメ買い過ぎの、デジママ」
「私は飲み過ぎ記憶喪失の、ブルママ」
「私たち、人呼んで『スリーマミーゴ!』 3次会はいつもキツタヌカフェが舞台なんですよ。冬馬くんよろしくね。」
3人とも泥酔い状態だった。
キツタヌ店主「またやってる〜。おかげで店の風紀が乱れるんだよな。」
電ママ「ちょちょちょっと待て、私たちみたいに可愛いママのおかげで風紀が乱れるってか?」
ブルママ「ま、いいからいいから、注文は・・・鰹の刺身に、タタキに、牛スジと焼酎ね。」
デジママ「私は天ザルの大盛にCCレモン。」
キツタヌ店主「ここはカフェで小料理屋じゃないっていうのに無茶苦茶ですわ・・・」といいながら注文を受けた??
冬馬「楽しいママさんたちですね、冬馬です。よろしく。」
電ママ「くれはちゃん、いい男捕まえたわね〜! 私のタイプだわ〜!」っといきなり抱きつこうとした。
デジママ「だめよ、私のタイプだから」と電ママを押しのけ、抱きつこうとした。
ブルママ「私は記憶が無くなるから、何やってもいいんだよ〜!」とデジママを押しのけ、抱きつこうとした。
キッス「チュリーマミーゴンっちゃー!プリプリプリんこら〜〜!とんまちゃまは紅葉(とわち(和知真っ赤ちん))のんのんだんだん!!プリプリプリリンコ!!」
(訳:スリーマミーゴ! プリプリこら〜! 冬馬さんはくれはちゃんのものよー!!)
その夜は遅くまで盛り上がり過ぎて、閉店になり他のお客がみんな帰り、キツタヌ店主に「もう帰ってくれ」って、ブルママさんはみかんをもらって追い出され、次の日の朝、何でカバンにみかんが入ってるんだろう・・・って、不思議に思うのであった。』
2012/4/1 23:42 [898-1074]

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『シーン6(天体観望会)カット1
冬馬「この前、ここから900q離れたricky007さんと言う方と同時に撮った月の写真2枚を並べて月の3D写真を作ることができたのがこの写真なんだ、見てくれる?」
「うん、これはどうやって見るの?」とくれは。
冬馬「右目で右の写真、左目で左の写真を見て、2枚の写真が重なるまで、目玉を真ん中に寄せて。」
「こうかな〜、どうかな〜」
冬馬「アッハハハ、目玉がみごとに真ん中に寄ってるぞ〜!」
「も〜う、冬馬さんったら〜!私の顔を見ないでよ〜! おかしくって、ちゃんと見れないよ。 ええ〜! すご〜い見えたよ〜月が立体的に見えた!」
冬馬「面白いよね。」
「ええ〜? どっちの事かしら?」
冬馬「そりゃ〜、くれはちゃんに決まってるだろ〜」
「も〜う、この〜! 冬馬さんったら・・・・ハハハハ」
「ハハハハハ〜!」』
2012/4/9 16:18 [898-1133]

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シーン6(天体観望会)カット2-1
『キッスがひなちゃんと遊んでいたら、リードでぐるぐる巻きにされてしまった。
どうやらひなちゃんは、嬉しいとその人の周りをぐるぐるまわってしまうようだ。』
2012/4/20 19:20 [898-1221]

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:『シーン6(天体観望会)カット2-2
冬馬はキッスちゃんを見て笑いながら
「お〜いキッスちゃん大丈夫? 月に望遠鏡を向けたから見てごらん。」
キッス「うわーーんちゃん、なんだかおいしそーだぞー。ほれほれほれつかめっちゃーーーあれま〜〜。ぷぽぷーっちゃ!」
(訳:うわ〜月の上空から見ているみたい。クレーターの凸凹がよく見えて、すっご〜い。)
くれは「わ〜早く見たい! キッス代わって・・・へえ〜クレーターがボヤ〜っと見えたり、はっきり見えたりして、なにか呼吸しているみたい。」
冬馬「これはね、大気の揺らぎが邪魔をして、月の真の姿がなかなかちゃんと見られないんだ。」
くれは「なんか、人と人の関係みたいで深いな〜。 ねえ、真の姿を見るにはどうすれば良いの?」
冬馬「その方法は2つあって、ひとつは二つの物質の間の大気を無くすこと、もう一つは・・・」
「もう一つは?」
冬馬「もう一つは二つの間隔をゼロにする事。」
するといきなり、ひなちゃんが冬馬とくれはの周りをぐるぐる回って、二人をリードで巻きつけた。
その瞬間、二人の間隔がゼロになった。
冬馬「これで、お互いの真の姿が見えるようになったね。」
「う、うん。」くれはは恥ずかしそうに言った。
キッス「あちゃまーー、ピッピッピッピピーー。シャングラチーが〜〜〜、ドッテン!」
(訳:イヤ〜ン、この二人見ちゃいられないよ〜!)』
2012/4/20 19:26 [898-1222]

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『シーン6(天体観望会)カット3
同じ公園の片隅では、スリーマミーゴが花見の真っ最中。
くれはたちを見つけたスリーマミーゴは
「私は下ネタ堕天使、快楽皇太后こと、電ママ」
「私はデジカメ買い過ぎの、デジママ」
「私は飲み過ぎ記憶喪失の、ブルママ」
いつもの挨拶であった。
そうしている間に、スリーマミーゴにお弁当を届けにやってきたキツタヌ店主がカメラでパチリと撮りながら
「私はアラーキー似の、キツタヌ店主」
「私たち、人呼んで『スリーマミーゴ!』とアラーキー 」
いつの間にかキツタヌ店主もメンバー入りしてのショータイムに変わっていた。
キッスは「皆の衆ちゃまー! 桜も綺麗デーしー、こっちはお月ちゃまー。」
ブルママ「キッスちゃ〜ん、天体観望会やってるの? 見せて見せて〜。」
電ママ「うわ〜冬馬くんスケベー! 」
キツタヌ店主「ひなちゃんはリードを二人に巻きつけるなんて気がきくな〜。」
デジママ「くれはちゃん、いいところを邪魔してゴメンね。」
くれは「いいえ〜。」
冬馬「どうぞどうぞ、この望遠鏡で見てくださいね、今日は晴れていて良かった。」
キッス「お月ちゃま見たいんかー?そたらばー、わちきの後ダッチよー。」
と言って何やらポケットから出して、接眼レンズにこすりつけた。
キッス「うっちゃー、なんと綺麗デーしー、皆の衆ちゃまーどんぞーどんぞー見さらしやー!」
ブルママ「これはどこから覗くんだ?」と言って、電ママが望遠鏡を覗いているのを、ブルママが望遠鏡を前から覗き込んで邪魔をした。
電ママ「うわ〜月の上空から見ているみたい。でも、ボヤ〜っと見えたり、ボヤ〜っと見えたりしてるね。」
キツタヌ店主「これはね、ブルママが邪魔をして、月がまともに見られないんだ。」
デジママ「なんか、電ママとキツタヌ店主の関係みたいで不快な〜。ねえ、まともな姿を見るにはどうすれば良いの?」
キツタヌ店主「それはね、二つの間隔をゼロにする事。」
するといきなり、ひなちゃんが電ママとキツタヌ店主の周りをぐるぐる回って、二人をリードで巻きつけた。
キツタヌ店主「オウェ〜!」
電ママ「これは不快な〜!」
冬馬とくれはの会話が完全に再現されていた。
冬馬「え〜、僕たちの話をずっと聞いていたでしょう!」
くれは「もう〜、『スリーマミーゴ!』とアラーキーさんたらっ!」』
2012/4/25 17:35 [898-1259]

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『シーン6(天体観望会)カット4
ブルママ「え〜?、二人とも目の周りが真っ黒!」
キツタヌ店主「そう言うブルママも!デジママも! あ、キッスちゃんのせいだな〜。こら〜!」
キッス「きゃっはっはっはは〜〜!!盗みがきーのおちおきたまごだーーちょー!キャッピー!」
(訳:「盗聴のおしおきだ〜ちゃ!」)
みんなで、キッスちゃんを追いかけ回した。』
2012/4/29 02:46 [898-1285]

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『シーン6(天体観望会)カット5
そこへ元太がいつもの様に通りがかった。
「おお〜、皆さん御揃いで天体観望会ですか。」
キッス「元太しゃーん、お月見しんだらーどうじゃらー。」
元太「ハハハハ、皆キッスちゃんの悪戯にひっかかって、目の周り真っ黒だ〜。俺はひっかからないぞー。」
と言いながら、後すだりした。
冬馬「あ、そこは危な〜い。」
くれは「気を付けて!」
キッス「やった〜!!」
ドターン、ゴテーン!! 元太は一体何が自分に起きたかわからなかった。落とし穴に落ちたのだ。
「誰だ〜! こんな所に落とし穴を掘った奴は!」
冬馬「ごめんなさい、大丈夫ですか? 実は、これからタイムカプセルを埋めるために準備をしてたんですよ。」
元太「だ、大丈夫、下半身だけは。」
元太は穴に頭から落ち込んで、下半身だけが地上に出ていた。
キッス「うっきゃらー、わっわっわっわーーちきはしんないじゃーーきゃっきゃっきゃー、なになになにしとるかー。」
皆で元太を穴から引きずり出し無事救出した。
元太「や〜れやれ、一時はこのまま記念植樹されるかと思った。」
「まあまあまあ、皆さん私の救出記念に紅葉まんじゅうをどうぞ」こんな時も、紅葉まんじゅうを皆にくれるやさしい元太であった。
冬馬は「タイムカプセルに入れるもの用意したから」と言って、ポケットからボイスレコーダーを出した。
「じゃ今から、皆で僕と同じように言ってね。」と言ってRECボタンを押した。
冬馬「ずっと一緒だよ」
くれは「ずっと一緒だよ」
キッス「皆ちてーず〜〜ず〜っと一緒だっちゃーー」
ひな「ううう〜わんわん」
スリーマミーゴとアラーキー「ずっとずっと一緒だよ」
元太「ず〜っと一緒だよ〜♪♪」
冬馬はSTOPボタンを押した。
アラーキー「ハイ、写真撮りますよ〜」三脚に載せたカメラのセルフタイマーをセットした。
アラーキーも皆と一緒に写ろうと、皆の中に飛び込もうとした時、足をすべらしズッコケた。
「ハ〜ッハハハ〜!」皆の笑い声と共にシャッターが切れた。パシャパシャ。
満開の夜桜の下で、皆の最高の笑顔が1枚の記念写真となった。
「撮った写真のメモリーもタイムカプセルに入れよう」
冬馬は用意したケースにボイスレコーダーと写真のメモリーを入れ、大きな桜の木のふもとの穴にみんなで埋めた。
くれは「ずっと一緒だよ。絶対約束だよ。」
冬馬「うん、ずっと一緒だよ。」
皆「うんうん、わんわん」
皆で約束を誓った。』
2012/5/2 05:46 [898-1314]

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『シーン7(冬馬のアパートにて)カット1
くれは「あのね、本当は私、すでにプロポーズしてくれた人が居て、その人と毎日会っているの。」
「え、なに、本当?」冬馬はそれを聞いた途端に不機嫌な顔になった。
くれは「私は保母さんをやっていて、『僕が大きくなったらくれは先生と結婚するんだ』なんて言われててね・・・5才になる男の子に。ビックリした?」
「・・・・・あ〜ビックリした〜! こいつ〜!」
「フフフフ・・・・」
「ハハハハ!」
くれはは机の上の冬馬のノートPCを見て言った。
「冬馬さんは価格.comの縁側を運営されているの?」
冬馬「うん、たくさんの方と知り合えてね。 ちょっとハマっているところなんだ。」
「ブルー・ムーン・ブルーさん、電弱者さん、好し!さん、キツタヌさん、PIKA001さん、Screen Angelさん、フッサール・ヒロさん、HouseSparrowさん、海牛さん、菊銀さん、竜きちさん、star-skyさん、にんじん11さん、レオ&テトラさん、たろぴーさん、 ポジ源蔵さん、ricky007さん、デジカメ買い過ぎさん、みんな本当に優しい人ばかりで、カメラの趣味を通して、こんなにも素晴らしい友達ができたんだ。」
くれは「私が大阪に行ったとき、行き先がわからなくて地図を広げていたら、おばちゃんが寄ってきて、すぐに教えてくれたんだよ。それに飴ちゃんもくれたし。 こんなおばちゃんに似た温かい心を持った人達が集まるのが縁側なんだね、きっと。」
冬馬「いっぱいいっぱい愛をもらって、いっぱいいっぱい愛で答える。失いかけていた心を、皆が甦らせてくれたように思うんだ。」
くれは「これからは、私からもいっぱいいっぱい送っていいかな。」
冬馬「じゃ、僕からは、もっといっぱいいっぱいいっぱい答えるよ。」
「私はもっともっと、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい送っちゃう。」
冬馬「じゃ、僕は、もっともっともっと、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい答える。」
「私はもっと・・・・ウフフフフ」
「ハハハハハ〜!」』
2012/5/16 17:43 [898-1436]

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話:『シーン7(冬馬のアパートにて)カット2
外では「スリーマミーゴ!」とアラーキーの4人が梯子に登って、2階の冬馬の部屋を窓から覗き込みながら
ブルママ「う〜ん、二人いい感じになってきたわね〜!」
電ママ「お、もう少しでキッスするぞ〜!」
デジママ「お、応援しよう。 キッスキッスキッス!」
キツタヌ店主「頑張れ〜! キッスキッスキッス!」
部屋の中でキッスちゃんが、外から何やら自分を呼んでいる声に気が付いた。
キッスは窓に駆け寄り、いきなり窓を開けた。
「だれだーわちを呼び捨てするやっこは??」
あまりの大声に「スリーマミーゴ!」とアラーキーはビックリし、梯子から足を滑らせ4人は落ちて行った。
電ママ「○▲♯▽のヒモを引っ張るな〜!」
デジママ「除幕式や〜」
ブルママ「ギョエー!!目が腐る〜!」
キツタヌ店主「うわ〜真っ逆さまに落ちてデザイヤー!」カシャ、カシャ。
ドタ〜ン、ガラガッシャーン。
キッスは2階の窓から外を見渡したが、下に落ちている4人の様子は木の葉が邪魔をして見えなかった。
「だんれぞー、何さわいでっかつんこ?あれ?お空はは綺麗っこちゃん」
何事も無かったかのように窓を閉めた。』
2012/5/22 17:59 [898-1512]

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『シーン8カット1(離れ離れに)
あれから1週間が過ぎた。
夜7時過ぎ、勤め帰りの電車の中で、くれははいつもの様にシートに腰かけていた。
すると、くれはの膝の上にポトリと紅葉饅頭が落ちてきた。
「あ、これは・・・元太さんの饅頭ですよね。」とくれはは目の前に立っている男に饅頭を差し出した。
元太「え〜何ですぐに分かっちゃったかな?」
くれは「電車の中で紅葉饅頭なんか食べてる人って、他にいるはずが無いじゃない。」
元太「うん、そう言われると、他に見た事は無いな〜。ハッハッハ。」
「おや? くれはちゃん泣いているの? 」
くれはは涙で潤んだ瞳を隠しきれなかった。
「う、うん。」
元太「え〜? 誰だ、くれはちゃんみたいに可愛い子を泣かせる奴は!」
くれは「あれから・・・あれから冬馬さんと急に連絡がとれなくなって・・・」
元太「連絡がとれない? 冬馬くん、きっと携帯を失くしただけだよ。夜になったらいつもの公園に・・・。」
くれは「・・・いつもの公園にも。」
元太「アパートは?」
「アパートにも。」
「私を置いて何処に・・・きっと何か事故か事件にでも巻き込まれて、きっとそう。 そうとしか考えられない。」
涙は瞳から溢れ出し、頬をつたわった。
元太「え、そりゃ大変だ!」
「すぐに探さなきゃ。事故だったらいけないから病院を調べてみようよ。」
二人はすぐ次の駅で降りて、近くの病院をiphoneで調べ、二人で手分けして片っ端から電話を掛けてみた。
くれは「私がかけた病院はどこも冬馬って名前の人は入院していないって。 元太さんは?」
「僕も今のところ見つからなかったけど、中には身元不明の方が居る病院もあったから、明朝すぐにその病院に行ってみよう。」
くれは「ウン・・・元太さんありがとう。」
元太「うん、出来る限り力になるからね。」』
2012/5/25 11:17 [898-1538]

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『シーン9カット1(病院にて)
翌朝くれはとキッスはひなちゃんを連れて、元太さんと約束の病院に来た。
ひなちゃんを外で待たせて入口に入ると、いきなり鼻がツーンとする薬独特の臭いがした。
元太さんは先に着いていたらしく、窓口で冬馬くんが入院していないか確認してくれていた。
元太「ここに冬馬くんは入院していないって」
くれは「そうですか・・・確かここは聖路加病院でしたよね。」
元太「いや、少し違って正露丸病院だった。」
Kiss「病院の名前からして、お腹いたいた、下痢ピーピーをおなおししてくれるとこかやー。冬馬ちゃん下痢ピーピーで居なくなることなかっとよ。」
くれは「それもそうだね。」
次の病院に着いた。
元太は受付の痩せ細って死に掛けた様な看護婦さんに声をかけた「すみません、こちらは赤十字病院ですよね。」
看護婦「いえ、十は要らないです。」
元太「十が要らない?」
看護婦「ええ、十を取って赤字病院です。」
元太「あ、そうですか・・・赤字ねぇ」
看護婦「そうです。赤字です。」
元太「・・・えらい病院ですね。」
看護婦「そんなに褒めていただかなくても・・・」
元太「そんなつもりで言ったんじゃ・・・」
たまりかねたKissが「冬馬ちゃん居るか早よー聞けっちゅうの!」
元太「看護婦さん、そういう事です。」
看護婦「え〜っと頓馬さんならおられますが、こちらで我慢されます?」
元太「我慢できません。」
看護婦「少しくらい我慢したら?」
Kiss「こら〜#?☆アホアホИш!」
次の病院に着いた。
元太は受付の看護婦さんに声をかけた「すみません、こちらは包帯病院ですよね。冬馬さんって方が入院されていませんか?」
看護婦「名簿にはありませんね。直接探されても良いのですが、皆様包帯されているので誰がだれやら分かりにくいと思います。」
するとそこにミイラ状に包帯されたり松葉づえをついたりしている4人組が近づいてきた。
ブルママ「あれ〜そこに居るのはKissちゃんじゃないの、くれはちゃんに元太さんも。 私達を見舞いに来てくれたの?」
元太「スリーマミーゴとアラーキーさん達じゃないの」
くれは「え? 皆さんどうしてそんな姿に?」
電ママ「うん、ちょっと皆で観察中に梯子から落ちて」
キツタヌ店長「もう少しで決定的な写真が撮れるところだったのに」
デジママ「惜しかったなー」
ブルママ「シー! みんな内緒でしょ!」
Kiss「あ〜分かったぞー、皆でミイラごっこだ!」
ブルママ「そうそう」
Kiss「嘘つけー! あの日覗いていたんかや!」
ブルママ「バレバレだ!」
キツタヌ店長「ところでどうして包帯病院に来られたの?」
くれは「実は、急に冬馬さんと連絡が取れなくなって、事故か何かじゃないかと・・・」
電ママ「そうだったの」
デジママ「じゃ皆で探してあげるよ」
ブルママ「こんなミイラ集団で良かったら」
Kiss「みんなゾンビだ、マイケルジャクソンだ。」
くれは「気持ちだけでも嬉しいわ。 みんなありがとう。」
みんなの後ろを、壁の手すりづたいに一人の青年がリハビリで歩いていた。
その目の周りは包帯でグルグル巻きにされ、全く目が見えない様子だった。』
2012/6/4 18:07 [898-1615]

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『シーン10カット1(いつもの公園にて)
冬馬を探して数々の病院を元太と一緒に訪れたが、結局冬馬は見つからなかった。
くれはは、冬馬がいつも天体観測をしていた公園に、毎夜のように来て、冬馬が現れる事を信じ星に願いをかけていた。
「何があったの。」
「私はただ待つことしかできません。」
「どんな事があっても、私を信じることは忘れないで。いつまでも、私は待っています。いつまでも。」
「でも逢いたい、すぐにでも逢いたい・・・・ず〜っと一緒だよって言ったのに。大好きだよって言ったのに。」(涙)』
2012/6/7 09:35 [898-1647]

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『シーン11カット1(病院の冬馬)
冬馬は病院のベッドに座り、泣いていた。
その目の周りには包帯がグルグル巻きに。
「くれは、君は僕にとって一番大切な人。
これほどまでに愛した人はいない。 でも、もうダメなんだ。」
冬馬はこれまでになく、泣き喚いた。
・・・今から10日前の昼間のこと。
冬馬はいつもの公園で、5月21日の金環食を最高の条件でくれはに見せるためのテストをしていた。
一生の思い出になるよう、より立体的に見える双眼装置を望遠鏡に取付け、対物レンズの前に太陽観測用フィルターをセットし準備は万全だった。
「さてと、双眼装置の左右アイポイントの微調整をやるか」
冬馬は望遠鏡を太陽に向け、双眼装置を覗き込みながら、調整をするために右手をそえた。
と、その瞬間コトンという音がした。
冬馬の目の前は一瞬真っ白になり、
「え?、ピントがズレたのか」
「あ、あ、あ〜頭が痛い!」
焼き付けるような後頭部の痛みに、ようやく状況を理解した。がしかし遅かった。
望遠鏡に取付けたフィルターの取付けが甘かったために望遠鏡の向きを変えた時それが緩みかけて、右手を添えた瞬間外れて落ちたのだった。
気が付くと、冬馬は漆黒の世界に入り込み、2度と明るい世界に戻れない眼になっていた。
「うっ、気付くのが遅すぎた・・・」
冬馬の意識は次第に薄れていった。
気が付くと、冬馬は入院していた。
当初はショックのあまり、何も考えられなかった。
どうしても見ることのできない外界への執着心。
とてつもない苦しみに耐え続けなくてはならない日々。
将来への絶望感。
「こんな僕が、くれはを幸せになんかできる筈が無いじゃないか。
いや、このまま一緒にいたら、くれはの将来も不幸のどん底に陥ってしまう。
くれはに幸せになって欲しい、だから・・・僕は君の傍からそっと去る。 そう決めたんだ。」
「僕の事は忘れて、もっと幸せにしてくれる人を探してくれ。
しばらくはくれはも苦しむだろう。それは分かっている。でも、それは時間が解決してくれる・・・きっと。」
「くれは・・・幸せになってください。これが僕が選んだ愛の形。」
「僕はくれはを、心から愛しています。」
流れる涙が止まることは無かった。
冬馬は偽名で入院していた。
冬馬は全てを失った。』
2012/6/11 17:05 [898-1695]

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『シーン12カット1(いつもの公園にて)
Kiss「ねえたま〜、おねえたま〜、どこ行ったん〜かや?」
くれはの帰りがあまりにも遅いので、心配になったKissはひなちゃんと一緒に、いつもの公園に迎えに来た。
「うぎゃ〜、おねえたま〜」
倒れて冷たくなっているくれはをKissは見つけた。
「死んだらいやだ〜! 死んだらいけん〜!」
Kissは泣き叫んだ。
偶然、元太が通りがかり、事態の異変に気が付いた。
「くれはちゃんは冬馬くんを待ち続けて・・・あ〜、神様なんてことを!」
「低体温症になっている! 早く救急車を呼ばないと。」
元太は慌てて携帯を取り出した。』
2012/6/17 21:21 [898-1720]

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『シーン13カット1(病院にて)
救急車で病院に運び込まれたくれは。
外から薄明かりが差し込む頃、病室ではベッドの傍でKissが元太とともにくれはを見守っていた。
くれはは低体温症で、その呼吸は今にも止まりそうなほど弱くなっていた。
Kiss「ねえたま〜絶対助かるんよ〜」
元太「頑張るんだ! 冬馬くんに知らせないと・・・一体何処へ行ったんだろう!」
そのころ・・・
病院の中に入れない愛犬のひなは病院の庭で待たされ、待ちくたびれていた。
あちこちを見ていたそのとき、病棟の中に見覚えのある青年の姿を見つけた。
目の周りは包帯でグルグル巻きにされた青年、そのシルエットは紛れもなく冬馬の姿だった。
冬馬を見つけたひなは力の限り吠えた。「キャイ〜ン、キャンキャンキャン!」』
2012/6/22 06:36 [898-1738]

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『シーン13カット2(病棟の外で)
ひなは冬馬にくれはのことを知らせようとした。
「キャンキャンキャンキャン」
いくら叫んでも室内の冬馬の耳には届かなかった。
病棟のガラス戸を後ろ足で蹴ったが、小さなひなの力ではビクともしなかった。
諦めたのか、ひなは外に向かって走り出した。
ひなは、いつもの公園に向かっていたのだった。 そう、あの時のタイムカプセルを取りに。
公園近くの曲がり角にさしかかった時、出会い頭に自転車の急ブレーキの音が鳴り響いた。
キキキー! パタン!
新聞配達の自転車だった。
倒れた自転車から落ちた新聞の束がひなの前足を直撃した。
「キャィ〜ンキャンキャン」
激しい痛みにもめげず、走った。
くれはに冬馬を会わせるために、ただひたすらに走り続けた。』
2012/6/25 18:41 [898-1751]

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『シーン14カット1(ひなちゃん公園へ)
「ひなちゃまーーー!がんばれーーー!!」
ひなは、Kissちゃんや元太くんの応援する声が聞こえたような気がした。
ひなは頑張った。 必至で走った。』
2012/7/4 13:33 [898-1807]

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『シーン14カット2(ひなちゃん公園へ)
なんとか公園に辿りついたひな。
あのタイムカプセルを掘り出そうと掘ってはみたが、ひなの小さな足では全く役に立たない。
ひな「足は痛いし・・・そうだ、こんな時には皆の力を借りよう。」
「キャイーン、キャンキャンキャン!」
その声は、辺りに響き、散歩していた犬達に届いた。
「ウヮオーン!」
「キャンキャン!」
大きな犬、小さな犬、たくさんの犬が飼い主を振り切って集まってきた。
ひな「私の大切なくれはちゃんに冬馬くんをどうしても会わせたいんだ。そのために、これから穴を掘ってタイムカプセルを掘り出すんだ。みんな手伝ってね。」
ひなが集めた仲間は一斉に掘り始めた。大型犬の力もあってあっと言う間にタイムカプセルは出てきた。
「みんな、助けてくれてありがとう」
ケースを蹴飛ばすと中からカセットレコーダーが転がり出てきた。 それをくわえて、ひなはまた来た道に向かって走り出した。
そんなひなを一匹の雄ポメラニアンが心配そうに見守っていた。』
2012/7/8 17:38 [898-1842]

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『シーン15カット1(ひなちゃん病院へ)
ひなは重いカセットレコーダーをくわえて、しかも痛い足を引きずりながら病院に向かって走り始めた。
そして先ほど、自転車とぶつかりそうになった曲がり角に来たとき、新聞配達のおじさんに見つかった。
おっさん「この野郎! よくもさっきは転がせてくれたな!」と思い切って足でひなを蹴ろうとした。
その瞬間、ガブッ・・・あっさん「痛てててて!」
雄ポメラニアンがひなを心配して、追いかけてきておっさんに噛みついたのだ。
ひな「ありがとう」
雄ポメ「速く病院に行こう!」
ひな「ウン」
雄ポメはひなの代りにカセットレコーダーをくわえて、ひなと一緒に病院に向かった。』..
2012/7/27 16:23 [898-2005]

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『シーン15カット2(ひなちゃん病院へ)
ひなは痛い足を引きずりながらも、一緒に走ってくれた雄ポメの支えもあって、長い道のりに耐え病院に辿りつく事ができた。
さあ、病院内に・・・とは思っても、その入口のガラスドアは小さな犬にとっては大きく重くてビクともしない。
雄ポメはひなに「一緒にぶつかってみようワン。」と言った。 ひな「ワン!」と答えた。
ガラスドアに2匹が同時にぶつかっても、ただコトンコトンと音がするだけで、病院内の誰も気が付かなかった。
「よ〜し、今度はこれだ!」
キーッキーッキーキーキー・・・ ひなと雄ポメは前足の爪でガラスドアを引っ掻きつづけた。
その音は、人間にとって全神経が震い上がるほどのゾクゾク音だった。
キーッキーッキーキーキー・・・!
「ギャー嫌な音だね〜! 誰だ、こんな音をさせている奴は!」
中から看護婦長が怒りながら入口にやってきた。
「こらー!、嫌な音をだしているのはあんた達だね〜!」
それでも逃げて行かない2匹に、看護婦長はガラスドアを開けて
「シーッシーッ、さっさとどこかに行くんだよ!」と大声で怒鳴った。
その声に雄ポメはビックリして、くわえていたボイスレコーダーを飲み込んでしまった。
その瞬間、雄ポメの口から大声が響いた。
「ずっと一緒だよ」
「ずっと一緒だよ」
「皆ちてーず〜〜ず〜っと一緒だっちゃーー」
看護婦長「ギャ〜! こ、こ、この犬が喋った〜!」
信じられない出来事に、看護婦長は腰を抜かしてその場に座り込んだ。
その瞬間、ドアの隙間からひな達は病院内に飛び込んだ。
ひな達は、すぐに受付の中に入り、椅子から受付台に飛び上がり、マイクのスイッチにひなが触れた。
雄ポメの口からは
「ずっと一緒だよ」
「ずっと一緒だよ」
「皆ちてーず〜〜ず〜っと一緒だっちゃーー」
マイクを通して、大声が院内放送で響き渡った。
くれはの病室では
キッスと元太は聞きなれた声の院内放送に、すぐに気が付いた。
キッス「あれ〜? この声は? 」
元太「ちょっと受付まで行ってくるね」
冬馬の病室では
冬馬「え!? 僕の声? くれはの声? キッスちゃんの声?」
「あの時のタイムカプセルの・・・何があったんだろう。」
「今出ていってはいけない。今の僕はくれはを幸せになんかできる筈が無い。だからこそ、こうして・・・」
「いや、くれはに万が一の事があったら」
「元気が確認できれば、それだけでいい。そして今の僕には君を幸せにできない事を伝える・・・そう、そうしよう。」
冬馬が手すり伝いに受付に着いた時には、すでにそこに元太が居た。
元太「冬馬くん、君は冬馬くんだよね。」
「キャンキャンキャン」ひなは冬馬に会えた嬉しさに、思いっきりジャレついた。』
2013/2/15 17:37 [898-3620]


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