
縁側をご利用いただく際のルール&マナー集を用意いたしました
ユーザーの皆様に楽しくご参加いただけるよう、主に投稿時の注意点などをまとめています。
ご投稿の前には必ずご一読をお願いいたします。詳しくはこちら⇒「縁側 ルール&マナー」
紹介文
旅を忘れた「酒と旅」では洒落にならない。
かといって、コロナウィルスが衰えていないこの時期に、世間の風に背を向けてまで旅に出る勇気もない。旅は行く方も迎える方も互いの気持ちが通わなければ楽しめない。
その日までは旅行作家、吉田友和氏の半日旅を楽しみたいが、取り敢えず、何時もの散歩道やお気に入りの場所から始めてみる。
そして、その時々の想いを綴るため、この縁側を開設させて頂いた。

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初めてのライカ
余生は、野の花の気高さや可憐な姿を撮影しながら、ゆったり過ごそうと思い、ライカQを買った。最新のQ2ではなく、なぜQなのか。散歩やスナップに4730万画素は要らないし、財布にも優しいからだ。
憧れのM型は、スタイル抜群だが老人にはMFという難点がある。軽量なAPS−CのCLもあるがスタイルは、いまいちだ。何れも恐ろしいレンズ沼が待ち受けており、これに耐えうる財力はない。
迷わず選んだのはQだ。28mmF1.7とはいえ、F1.4の代名詞ズミルックスの名を冠した専設計のAF,MF切り替えレンズが付いている。いざという時には35mmと50mmにクロップできるし、17mmまで寄れる簡易マクロ機能も備わっている。
Qで撮れるものだけを撮れば良い、撮れないものは諦める。散歩やスナップに、どうしても撮らなければならないものはない。
老妻が呟いた。Qちゃんは可愛いね、と。
2022/3/27 15:18 [2355-68]

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いざない
まだ見ぬ素敵な世界へいざなってくれたのは、東京に住む長男である。私がライカに憧れていること、高根の花だと諦めていることを知り、ライカを贈るという。親としては嬉しい限りだが、何か隙間風も吹く。
以前、病院のベットの上で彼と語った。退院したらライカを買う。彼は贈ると答えた。案ずるな必ず回復に務めるという私の意思に対し、生きる希望を持てるならライカを買うくらい安いものだと、彼は表現したのだ。
彼は、若い頃から毎夜母に電話してくる。私は、横で聞いているがほとんど話はしない。最近ライカの話題が出るので話す機会も増えた。M10を買って贈る、シルバーが良いかブラックが良いか、と言う。
そばで聞いていた老妻が呟いた。あの子は門閥もなく学歴一つで今の地位を築いたのよ。稼いだお金は、自分のために使わせなさい、と。母親も父親も子供を思う気持ちに変わりわないと思っていたが、母の子を思う気持ちは違う。どんなに成長しても産まれた時と同じ目線なのだ。
この言葉は重い。自分で買える範囲のライカを買うと決めた。この案には老妻も即座に頷いた。彼に送ったメールは、M型は憧れのカメラだが、この歳になるとMFはきつい。AFの使えるライカQを買ったので報告する。
追伸欄に、ライカM10とズミクロン50mmF2は、自分へのご褒美に買いなさい。そして趣味の幅を広げ社交界でも楽しく活動してください。
有り難う、と書いた。
2022/3/30 10:08 [2355-69]


