
縁側をご利用いただく際のルール&マナー集を用意いたしました
ユーザーの皆様に楽しくご参加いただけるよう、主に投稿時の注意点などをまとめています。
ご投稿の前には必ずご一読をお願いいたします。詳しくはこちら⇒「縁側 ルール&マナー」
紹介文
旅を忘れた「酒と旅」では洒落にならない。
かといって、コロナウィルスが衰えていないこの時期に、世間の風に背を向けてまで旅に出る勇気もない。旅は行く方も迎える方も互いの気持ちが通わなければ楽しめない。
その日までは旅行作家、吉田友和氏の半日旅を楽しみたいが、取り敢えず、何時もの散歩道やお気に入りの場所から始めてみる。
そして、その時々の想いを綴るため、この縁側を開設させて頂いた。
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青空 | 青空 | 大雪 | 大雪 |
大雪
早く老妻の声が鳴り響いた。おじいさん外を見てという。何時もは落ち着いて決して騒がない人なのに、何事かと思い慌てて布団を跳ねのけた。
続いて、二の矢が来た「真っ白よ、雪よ」と、いう言葉が聞こえた。明日は寒波が来るというニュースが脳裏に浮かんだ。
慌てて防湿庫から取り出したのはM11。玄関を開けると予想に違って庭先は北国の風情である。風も音もなく、深々と降るぼたん雪のなんと美しいこと。ここは南国かと目をこすった
居間に戻ると、真っ白に雪をかぶった高知城の映像が目に飛び込んできた。字幕には観測史上初めての積雪との文字が躍っていた。
この地に住んで数十年、初めて北国と見まごう雪景色である。翌日も雪の残った道路を恐る恐る走る車を見て北国の人たちがいかに大変かを垣間見た思いである。
この地に降った大雪を見て、地球温暖化による異常気象の影響を、ひしひしと感じた朝であった。
2022/12/31 20:52 [2355-86]

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M型ライカ
M型ライカは敷居の高いカメラであった。
先ず価格、これがとんでもなく法外である。如何に歴史と伝統を重んじ、職人達の魂のこもった手作にせよ何でも撮れるカメラではない。アマチュアにとっては所詮趣味のカメラである。
次に、レンジファインダーの二重像合致方式だが、歳を重ねるとピント合わせが困難になると考えた。これがこのカメラの敷居を高くしていた要因であった。
いざ、M11を使ってみると不自由極まりない。まるで半世紀前の銀塩時代にタイムスリップしたのではないかと幻想する。しかし、これがカメラ好きの老人には逆に心地よく、高価であってもやむを得ないと納得させられる。さすがドイツ工業製品は質実剛健。それでいて凛とした佇まいは美しい。何時も傍に置きたいカメラになった。
問題だったレンジファインダーは、ポートレート等一部の被写体を除いて、とても使いやすいし快適だ。ミラーレスの拡大MFよりも遥かに合わせやすいし合掌も早い。これは驚きだった。なぜ、もう少し早くこのカメラと出会わなかったのかと悔やまれる。
翻って、これまでのカメラ選びは何だったのかと自問する。これまで一眼レフやミラーレスカメラは超広角から望遠まで切れ目なく揃えるのがカメラマンのお作法だと思い実践してきた。
ところがM型ライカは何でもとれるカメラとは一線を画しており。レンズの数も少ないし、撮れるものも限定される。M型ライカを使ってみて撮れるものだけ撮れば良いと思うようになった。散歩のお伴には最高である。
2023/1/2 16:41 [2355-87]



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堀川は花吹雪
堀川は、春風と共に桜吹雪が舞っていた。これに見送られ遊覧船が出港する。まさに春爛漫、この川が最も絵になる季節である。
昨年夏、初めてここを訪れた時、まるで港町の風情だと思った。川面の両岸に、小奇麗な浮桟橋が整備され、小型ボートがズラリと停泊していた。ここは高知市かと疑ったほどだ。
堀川は、高知市の東側を流れる短い川である。途中鏡川と合流し高知港へと流れている。この川は、江戸期に荷物運搬の運河として整備され、様々な物資と文化を運んできたのだと推察した。
川には、源流域が存在するが、これが見当たらないこと、市街地側の北岸には倉庫らしきものがあること、また、農地であった南岸には、それがないことからもそう考えられる。
堀川は、文化や物資の動脈としての役割を終え、市民の憩いの場として再生され、川面を美しく輝かせている。
2022/4/2 23:06 [2355-70]

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桃源郷
大川村は、四国三郎吉野川の最上流部に位置し、県下で最も人口の少ない村である。夏には、幻の国産牛(土佐黒牛)のバーベキューをメインに謝肉祭を催しているが、昨年はコロナウィルスの影響で中止されている。
一度訪れて見たいと思っていたが、高知市から高速道、一般国道、山間の道を乗り継ぎ約2時間の道のりは、あまりに遠く初めて訪れた。
大川村の桜まつりをNHKが放映し、地元の主婦が是非来て欲しいとの訴えを聞き、これに共感し訪れた。
村全体が急傾斜地にあり、桃源郷そのもののエリアは狭いが、Uターンされたご夫婦が16年の歳月をかけ、丹精込めて育て上げられた花園は、桜、菜の花、チューリツプ、芝桜が共演し咲き誇っていた。
感謝。感謝。
帰りがけに湖畔の桜を撮ってみた。
2022/4/8 08:22 [2355-72]

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29番札所
香長平野は、高知県最大の穀倉地帯である。南に高知龍馬空港、北に四国霊場29番札所国分寺がある。国分寺は、諸国で一番良い土地に建立せよ、との教えを受け選ばれた地形だと聞く。
周りを田園に囲まれ、静観な森の中、悠久の歴史を抱いた土佐国分寺は、凛としてたたずんでいた。本尊は千手観音菩薩であるが、静寂の中にたたずむ、もう一つの薬師如来にも手を合わす。
国分寺の牡丹は、住職が30年来慈しんで育てられたという。見事な本堂に隅々まで手入れされた庭園と見事にマッチしている。こんな立派なお寺が近くにあったとは、まさに灯台下暗しである。
四季折々の国分寺をお参りし、撮影させてもらいたいと思っている。
2022/4/13 23:20 [2355-73]

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夫婦喧嘩
夫婦喧嘩は犬も食わぬ。関東圏に住むネット上の最も親しい友人は、何時も夫婦喧嘩をすると負けると嘆いていた。彼に限らず、およそ女性と口論して勝てる男性がいるとは思えない。
女性は、生来口喧嘩の天才だと思っている。負けません勝つまではと、兎に角粘り強い。昔の記憶も駆使して戦いを挑んでくる。
いつぞや、老妻と口論して一敗地にまみれた。結婚当時「貴方の財布に紙幣は1枚もなかった。でも、大小色とりどり硬貨は引き出しの中で転がっていた。おまけに、車のローンは残っていたのよ」と言った。
なんと、記憶にもない遥か昔話を持ち出されるとは思いもよらず、健忘症を自認する自分には対抗策はないと悟った。その時この人とは、二度と口喧嘩はしないと決めた。
先日、サッカーをしている時、孫娘が囁いた。ママが怒ったら大変よ、一時間も座らされグジグジと説教される、と
ああ、確りと二代目は育っている。この子も3代目を継ぐのかと思うと、笑みが浮かんだ。
写真は、親友に贈る。彼の奥様のルーツ安芸市のオンツツジを。
2022/4/17 20:05 [2355-74]

2022/5/2 14:06 [2355-78] 削除

2022/5/2 18:02 [2355-79] 削除

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青葉の季節
目に青葉、山ほととぎす、初鰹、と詠んだのは山口素堂である。
鰹と言えば「たたき」。このカツオのたたきの起源は、色々な説があるが土佐藩主山内一豊公がだした生食禁止に信憑性を感じる。一豊と言えば、関ヶ原の合戦において、西上する徳川軍に居城の遠州掛川城を明け渡した。
彼は、合戦では特段の功績はなかったが、東海道筋の各城主がこれに倣って居城を明け渡した。この功績が抜群で掛川6万石の城主から一挙に土佐24万石の国持大名に出世した。この一豊が、カツオを刺身で食べる土佐人に対し、食中毒予防令を出したという説は有力だと考える。
土佐の「いごっそう」は、殿様であれ、理屈に合わない指示や命令には従わない。この頑固さが鰹の表面を少し炙り、焼き魚だと強弁した。これが真相だろう。
2022/5/2 18:05 [2355-80]



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初めてのライカ
余生は、野の花の気高さや可憐な姿を撮影しながら、ゆったり過ごそうと思い、ライカQを買った。最新のQ2ではなく、なぜQなのか。散歩やスナップに4730万画素は要らないし、財布にも優しいからだ。
憧れのM型は、スタイル抜群だが老人にはMFという難点がある。軽量なAPS−CのCLもあるがスタイルは、いまいちだ。何れも恐ろしいレンズ沼が待ち受けており、これに耐えうる財力はない。
迷わず選んだのはQだ。28mmF1.7とはいえ、F1.4の代名詞ズミルックスの名を冠した専設計のAF,MF切り替えレンズが付いている。いざという時には35mmと50mmにクロップできるし、17mmまで寄れる簡易マクロ機能も備わっている。
Qで撮れるものだけを撮れば良い、撮れないものは諦める。散歩やスナップに、どうしても撮らなければならないものはない。
老妻が呟いた。Qちゃんは可愛いね、と。
2022/3/27 15:18 [2355-68]

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いざない
まだ見ぬ素敵な世界へいざなってくれたのは、東京に住む長男である。私がライカに憧れていること、高根の花だと諦めていることを知り、ライカを贈るという。親としては嬉しい限りだが、何か隙間風も吹く。
以前、病院のベットの上で彼と語った。退院したらライカを買う。彼は贈ると答えた。案ずるな必ず回復に務めるという私の意思に対し、生きる希望を持てるならライカを買うくらい安いものだと、彼は表現したのだ。
彼は、若い頃から毎夜母に電話してくる。私は、横で聞いているがほとんど話はしない。最近ライカの話題が出るので話す機会も増えた。M10を買って贈る、シルバーが良いかブラックが良いか、と言う。
そばで聞いていた老妻が呟いた。あの子は門閥もなく学歴一つで今の地位を築いたのよ。稼いだお金は、自分のために使わせなさい、と。母親も父親も子供を思う気持ちに変わりわないと思っていたが、母の子を思う気持ちは違う。どんなに成長しても産まれた時と同じ目線なのだ。
この言葉は重い。自分で買える範囲のライカを買うと決めた。この案には老妻も即座に頷いた。彼に送ったメールは、M型は憧れのカメラだが、この歳になるとMFはきつい。AFの使えるライカQを買ったので報告する。
追伸欄に、ライカM10とズミクロン50mmF2は、自分へのご褒美に買いなさい。そして趣味の幅を広げ社交界でも楽しく活動してください。
有り難う、と書いた。
2022/3/30 10:08 [2355-69]

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入院
ファインダーの不具合で1か月近く手元を離れていたライカQが帰ってきた。入れ替わるように持ち主が入院した。持病の再発で二度目の手術を受けたが、術後の経過がよくなく退院後も体調が回復しない日が続いた。
写真も撮る気がしなかったが、やゅとQちゃんと散歩に行った。Qちゃんはやっぱり楽しい。Qちゃんは国産カメラと同様にAFでも撮れる。マクロも撮れる。
コンデジとしては破格の値段だが使ってみると価格なりの納得感がある。撮る楽しさは高揚感を高めてくれるし、散歩や旅のお供はこれ一台で十分だ。
このQちゃんともお別れだ。故あって東京の長男の下へ旅立つことになった。
2022/12/16 10:52 [2355-82]

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M型ライカが来た謂れ
私の病は再発する可能性が高い。再発すると二度目の手術は難しい、と主治医から説明を受けていた。
その病が再発し、厳しい手術を受けることになった。東京から駆けつけてくれた長男がライカM11を予約した。手術を終えて早く使えるようになれ、と言って帰って行った。
退院後、彼から電話がありM11は12月には届くと言う。私は、その気持ちは嬉しいが、これを固辞した。そばにいた老妻が「あの子の想いを馳せなさい」と言った。
私の本音は、ライカQで十分堪能しておりM11を買って貰ってもQ以上の写真は撮れない。歳も歳だし、彼に無駄な費えはさせたくないとの親心から固辞したものである。
だが、彼自身が使うためにM11を購入するのなら大賛成である。所詮写真は趣味の世界のもの。しかし、カメラに限らず持ち物は本物を選ぶ。それに触れ本物だけが持つ歓びと、その神髄を感じ取って欲しいとの思いである。
このことは、仕事や社会生活、人間関係、社交の場でも必ずや役立つものと思慮する。
後日、彼から電話があり「ライカQは自分が使う、国産カメラと同様にAFも使える。M11と交換しよう」と言った。老妻の「あの子の想いを馳せなさい」と言った意味を悟った。
私は、黙って使うと決めた。
ありがとう、何時の日か彼が父の形見よ、と言って使ってくれることを確信して。
2022/12/21 09:49 [2355-85]



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木瓜(ボケ)の実
昨年の秋、庭先のボケに実が付いた。薄緑色でジャガイモの男爵のような大きさと形をしていた。ボケは小さな木だから梅の実くらいなら違和感はないが、この歳になって初めて見たボケの実は異様に大きくグロテスクに感じた。
調べてみると、この果物は、酸味と渋みが強く食べるには適さないが、果実酒やジャムにするのが一般的だと記されていた。その時に調べていたら早速ジャムにして味わったのにと思うと残念至極。
そう思うと居ても立っても居られなくなり、昨年末、ちぎって捨てたボケの実を思い出し、慌てて拾ってみたが、すっかり萎びていた。
今年も実る保証はない。この世で、もう一度見たい、会いたいと思う。
2022/3/10 09:45 [2355-63]

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バナナ
インドネシアの大統領は、バナナの値上げを世界中に訴えている。今の安価な価格では生産農家が立ち行かないという切羽詰まった主張だ。一方日本のスーパーなどではバナナは、安価で無くてはならない人気商品であるという。
朝食は70年近く、ご飯とみそ汁が定番だった。体力が減退し朝食はパンを牛乳で流し込む以外喉を通らない状態が続いた。3年前からレイズンパンに野菜サラダ、バナナと牛乳に変えた。バナナは特別好きでも嫌いでもないが、普段はバナナを食べる習慣はなかった。
子供の頃は珍しい果物であり、風邪でもひかない限り買ってもらえないほど、バナナは高価な果物であったが、今では当たり前のように何時でも何処でも買えるようになった。インドネシアなどの生産国の苦境を思えば複雑な気持ちである。値上げはやむなし。
たまたま見たゴルフ番組で、バナナを食べながらコースを歩く女子選手を見て、バナナは空腹を満たすだけでなく、消化も早く栄養価も高い。女子プロがバナナを食べていたわけが理解できた。
朝食にバナナを取り入れたのは、そのときからである。この朝食になってから体調も良い。手術後12kgも落ちていた体重も以前の体重に戻った。
2022/6/15 11:34 [2355-81]



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昨年4月、病が再発した。あれから10か月、長く重苦しい月日が流れた。昨日の検診で、腫瘍は大きくなっていない。淡い期待を持たせることは出来ないが、再発ではなく良性の可能性もある。あるいは、免疫力が勝り、進行を抑えている可能性も考えられる。もう少し経過観察が必要。
先生は、心なしか明るい表情で、こう説明された。一瞬、夢ではないかと頬をつまんだ。腫瘍が良性であれば、それに越したことはない。私にとって、進行そのものが抑制されている、このこと事態が嬉しく、信じられないほど夢心地なのだ。
執刀医の先生は、筋力が向上すると免疫力が高まる。人の筋力は70%が足にあると説明された。先生の言葉を信じ、来る日も来る日も歩いた。雨の日も。毎日歩くことは辛い時もある。時には気の進まない日もある。これを続けることが出来たのは、カメラのお陰だ。散歩道で出会った花や風景、これらとの一期一会。それが価格コムを通じた友人達との交流で楽しめる。
カメラを提げると、何故か物思いにふける。また、絵になりそうな光を求めて歩く。そんな力がカメラにはある。カメラに感謝。写友に感謝。
君は、絶望の淵からの命綱。
2022/2/25 18:39 [2355-59]

2022/3/2 11:59 [2355-60] 削除

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抗体は増えたか
散歩道の途中に小児科医院がある。3人の孫たちがお世話になった医院である。先生の説明は簡潔明瞭、処置はテキパキとしており、信頼に値する先生である。いつも待合室は小さな子供たちとお母さんで一杯だった。
最近、この小児科が老人達で溢れている。ワクチンのブースター接種が始まったからだ。私も、3回ともここで接種した。だが、これだけ老人が集まるのには意味がある。私同様、孫を介して先生のお人柄に接した方々が多い故の出来事だと思う。
昨年4月、高齢者にコロナウィルスのワクチン接種が始まった。予約サイトへ老人たちが殺到し、携帯もパソコンも繋がらない。奇跡的にパソコンから繋がり、予約サイトへ入った。あの小児科医院も接種出来る、迷わずここに決めた。
当時、ワクチンは副反応が話題となり、特に、アナフィラキシーの恐ろしさを繰り返し放映していた。老人とて副反応は怖い。早く打ちたいが、それよりも信頼できる先生を選んだのは自明の理であった。
つたない川柳から「小児科に、充満するよ、加齢臭」と詠み「お願いよ、消臭してね、子供達」と返す。
この老人は、天に向かって唾を吐いている。
2022/3/2 12:57 [2355-61]

2022/3/27 15:21 [2355-66] 削除

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お年寄りと子供は、良い関係
隣に住む孫娘が、公文式の算数を持って来たのは、小学1年生の夏休みだった。あれから2年半が過ぎた。たし算から始めた算数は、今や高度な連立方程式や因数分解もスラスラ解いている。
継続は力なり。小学低学年が毎日勉強を続けることは、かなり忍耐力が必要である。子供の集中力は10分程度が限度だと言われており、10分勉強したら10分遊ぶ。このサイクルを毎日繰り返した。
3年前、病を発症し、死と向き合った。少しの間でもでも生きることを許されたなら、何か人の役に立つことをすると決意した。
手術を補完する、長くて辛い治療が終わったのと、彼女が公文式の算数を持って来たのは、奇しくも同じ夏休みだった。あの日から彼女と二人三脚が始まった。一日も休まず、たゆまぬ努力を続けた彼女に対し、私は、時間管理と答え合わせの手助けをしたに過ぎない。
先日、休み時間に、バトミントンをしていると「お年寄りと子供は、良い関係やね」と彼女は言った。なぜ、と聞き返すと「だって、じいじは、お姉ちゃん」に圧倒されると答えた。
やっと悟った。小学3生の彼女は、あなたと、わたくしは、同じレベルよ、と言ったのだと。また、こうして遊んでもらうこと事態、私の免疫力向上に奇与してもらっているのだと。
2022/3/25 14:52 [2355-67]



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不燃ゴミに思う
1億円貯まる人、そうでない人という記事が目に留まった。今更お金を貯めようと思っている訳ではない。どんな性格の人なら貯まるのか、少し興味をそそられた。
記事によると、貯まる人の家は玄関に入ると判るという。ここが綺麗に片付いている家庭は室内も整理整頓され、余分なものは何一つ置いていない。この人たちは衝動買いもしないし、安物は買わない。良いものを長く愛用するという。
不燃物の日には、惜しげもなく不要になったものが積み上げられている。これらを出した人は「億万長者」にはなれない方々だと思うと、つい笑ってしまった。
その典型が自分自身だということを、すっかり棚に上げている。
2021/4/24 10:16 [2355-38]

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5D | T1 | Pro2 | H1 |
つづき
季語について
マスクは冬の季語ならずと述べたのは、歌人の永田和宏さんである。冬の季語であった、マスクを失効させたのはコロナウイルスである。これは一時的な事象であり、この伝染病を克服さえすれば季語として復活する話である。
複雑な問題は、近年の異常気象である。二酸化炭素排出による地球温暖化の影響が、日本の美しい自然中から生まれた俳句の季語を失いかねない。
ここは南国。すっかり忘れていた桜前線も細長い日本列島を上り、道南で満開との報道を聞き、例年に比べ異常な速さに驚きを隠せない。つい最近、桜の花びらに雪の積もった映像を見た。
冗談ではなく、「雪桜」などという季語が当たり前になる日が来なければいいがと願う。
いま世界では脱酸素社会の実現に向け動きを強めているが、社会基盤を脱酸素型に転換するまでには時間を要する。
先ずは、塊より始めよ。己のカメラ遍歴に終止符を打て。
2021/4/29 13:46 [2355-39]

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八重の花 | 八重の花 | ドクダミの花 |
友とドクダミ
ドクダミの花が我が家の庭一杯に広がっていた。白くて清楚な花なのにクダミと言う異名を付けられている。この子にとっては嬉しい筈はない。どんな訳あったにせよ可哀そうに。
でも、別名は十薬とも言われ、薬草として重宝されている植物である。
隣に住む娘が、そのドクダミを刈り取っていった。老夫婦に代わって厄介者を取り除き、庭の清掃をしてくれたのなら嬉しいが、そうではない。アトピー性皮膚炎に悩む自分の長女に塗る薬草として使うためである。いずれにせよ、庭は奇麗になった。
今は亡き植物学者でもあった友人が、北山から八重のドクダミを発見し、興奮して帰ってきたのは、つい5年ほど前のことである。根のない一輪を貰い植木鉢に刺した。それが今も鉢植えのまま咲いている。
彼が興奮したのもの頷ける。何処かで咲いているかもしれないが自分の知る限り、八重の花咲くドクダミは、我が家以外で見たことはない。
発見者の彼の家にも。
2021/6/9 19:58 [2355-45]

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父の日
最近カメラに興味を持ち始めた孫娘。じいじ、広尾(東京)の叔父ちゃんから父の日のプレゼントよと、小堤を抱えて来た。開けても良いといって取り出したのはEOSーRPだった。長男からライカを買って送るが好きな機種を知らせ、との連絡があり、ライカは欲しいが要らない、EOSーRPがいいと返事していた。
この裏話を孫娘は知らない。私も使っても良いと聞いたので、良いよと答えた。来年は高生、写真部を視野に置いている様子だ。中高一貫校なので先輩の活動を見ているのだろう。
さて、EOS-RPは、ずんくりむっくりしている5Dシリーズからすると、小くスリムになったボデイはスタイルも文句なし。キャノンに慣れ親しんでいることもあり、取扱説明書を見なくても直感で操作できるのは流石である。手持ちのEFレンズも生き返るが、アタプターは1ヶ月待ちである。
ありがとう。
2021/6/29 15:16 [2355-46]

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小さな菜園
物も言いよで角が立つ、豆腐も切りよで丸くなる。半世紀も前に受けた新規採用職員研修は、こう切り出された。講師は、女性に対し「あなたの足は大根足だね」と言えば他人ならず近しい人でも気分を害される。
だが「大根のような白い足」と言えば少し柔らかな表現となり、大きな失言とはならない。多少の嫌味は残っても苦笑程度で終わる話だ。物を言うときはよく考えてから口に出すべし、と教わった。あれから50年、数えきれないほどの失言を重ね、今、老いの坂を越えようとしている。
収穫を終えたトマトの株を引き抜き、猫の額ほどの跡地を耕していると、小学3年生になる孫娘が「ジャガイモ」と聞いたので「大根」と応じた。
跡地には作りやすい青首大根を蒔くつもりだったが、何故か心変わりして白首大根を蒔いた。
2021/9/20 16:45 [2355-49]

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而今
今を大切に生きる。人生第四コーナーをまわり、ゴールまであと一鞭というところで、やっと而今の本当の意味と大切さを思い知る。
フランスの著術家、ラ、ブリュイエールの「人間にとつて、ただ三っの事件しかない。生まれること、生きること、死ぬことである。生まれるときは気がつかない、死ぬときは苦しむ。生きているときは忘れている」、これも而今と同様、人生の終盤でやっと理解できる言葉だ。
人生において過ぎ行く歳の速さやその速度、感覚は年代によっうて変わる。少年期から青年期は、一年は永遠に繰り返すことを疑わない。壮年期は、この一年が何十年も続くことを信じている。老人も人生の終盤に来たことは理解しているが、自分は「まだまだ」と思っている。だが無情にも人や動物に例外はない。
人生の終盤は、まさにつるべ落としだ。
2021/11/24 14:25 [2355-51]


