
縁側をご利用いただく際のルール&マナー集を用意いたしました
ユーザーの皆様に楽しくご参加いただけるよう、主に投稿時の注意点などをまとめています。
ご投稿の前には必ずご一読をお願いいたします。詳しくはこちら⇒「縁側 ルール&マナー」
紹介文
ここは主にホンダFIT3HVの徒然ない世間話や、
アウトドア・キャンプ・車中泊・ドライブ旅行記・オリジナル小説やCGなど
けっこうどうでもいい話題で盛り上がっております。
気だるい午後のひまつぶしにどうぞw

このスレは、8月12日から東北の旅に行ってきたドライブ旅行記の
詳細ドラマチックバージョンになります。
今回は、感想やご意見などのレスは、ここではなく、既にある
「旅行記2014.8.13〜東北ぐるっと一回り FIT車中泊の旅」のほうに
お願いいたします。
このスレは、旅行記を読む場としてお楽しみください♪
ちょっと長くなりそうですが、気合入れて作成します!
それでは、はじまりはじまり〜♪
2014/8/20 23:31 [1498-1023]

プロローグ
「12日は仕事が無いので休みにする」
上司にそう言われたのは8月9日。
言うのおせーよ、とも言えず、だったら11日も休みにしろよ、とも言えず。
なにはともあれ、降って湧いた6連休。
そのうちの何日かを使って旅ができるな。
そう思った。
だが、真夏。お盆ラッシュ。
宿はどこも満室、道も観光名所も渋滞だらけ。そしてうんざりするほどの暑さ。
旅をするにはこれほど不向きなシーズンもないだろう。
だが、ほぼカレンダー通りの休日である会社を選んだのだから、休みに関して
文句を言える立場でもない。むしろ1日多くお盆休みがもらえたのだ。
有意義に使わせてもらおうではないか。
問題は、どこへ行き、なにをしに行くのか、だ。
涼しいところへ行きたい。
涼しいところといえば、標高の高いところ。
のぼるの暮らす新潟から近場の有名な避暑地といえば、長野だ。
長野は6月の終わりに行ったけど、山間部は寒いくらいで気持ちよかった。
だが長野は行ったばかりだから却下。
涼しいところは、高いところだけではなかろう。
北の、風が吹きやすい所、きっと気持ちよく過ごしやすいだろう。
本州のいちばん北。
下北半島のてっぺん、大間岬。
よし、そこだ。そこへ行こう。
半日程度しか情報を収集する時間がなかったが、べつに気にしない。
フィット3ハイブリッド。
新しい愛車。エンジンも、外装も、内装も、中の空間設計までも、全てが新しい。
その先進のハイテクカーを、さらに使いやすくカスタマイズした自分だけのフィット3。
ネット接続はもちろん、スマートホンと連携したナビシステムや、足を伸ばして
寝ることができる車中泊スペシャル仕様なのだ。
こいつなら、いつでも手軽に情報を検索し、ササっとナビが案内してくれる。
頼もしい相棒なのだ。
しかしながら、2泊以上の旅をするのは初めてだ。
いままでカスタマイズしてきた車中泊仕様の真価が問われることになる。
数日の旅の中、いつでも「お気楽極楽」状態を維持できるはずはない。
何らかのトラブルがあり、様々な局面に対していくつかの重要な選択をしなくては
ならないだろう。
そう、そんなときこそ、旅を幾度としてきた者の「経験」と「知識」そして「勘」が
求められる。
移動手段と宿泊、そして情報端末を兼ね備えたクルマ。
それを手足として情報までも操るオペレータとしての自分。
この二つが有機的に連携してこそ、新しい旅のスタンスが生まれるのだ。
などと大そうな見栄をはってみたところで、べつにやることは今までと変わらない。
「この近くになんかうまい店はないか」
「明日はどこへどんなルートで行こうか」
基本的にそれがチャッチャとわかればいいだけだ。
今回の旅にはひとつだけ守らなければならない約束がある。
16日(土)に「道の駅 南魚沼」という場所で少人数オフ会をやるというので
そこに出席するのだ。
そのイベントを旅の最終日に行うとして、その「道の駅 南魚沼」へ時間通りに
たどり着けるルート調整が必要になる。
まぁ、なんとかなるだろう。
この日はどこで車中泊するか、など明確に取り決めて気負うのもイヤなものだ。
せっかくの自由気ままな旅ができるのだ。
どこかで連泊してもべつにいいか、くらいのテキトーさ加減がいい。
ほんじゃま、ぼちぼち準備しますか。
つづく。
2014/8/20 23:33 [1498-1024]

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---|---|---|---|
FIT3車中泊SP仕様 | 日本海東北自動車道 | 山形の海岸沿いの国道 | きれーな夕焼けが見れた♪ |
1日目 8月12日
家でのすべきことを終え、昼過ぎから出発準備をはじめた。
クルマの室内をふだん使いから旅行用車中泊仕様に変更する。
後部座席を前方に倒して荷室をフルフラットにし、助手席をいちばん前まで
ずらして、後部座席との間にできた谷に自作スペーサーを設置。
こうすることで枕ぶんの追加スペースが確保でき、足を広げて伸ばして
寝ることができる。
微妙なデコボコを緩和するためウレタンマットを敷き、その上に1人分の
敷布団(ロングクッション)を設置。いまは夏なので掛け布団はタオルケット
だけで大丈夫。
運転席側のスペースには小さなテーブルを設置、その上をパソコン作業台として
キーボードとマウス。タブレットは運転席ヘッドレストの固定アダプタに設置。
テーブルの下のカゴには、荷室を目隠しするためのカーテンを置く。
残りの空きスペースに着替えと小さなクーラーボックス、そして荷室での
シューズトレーを置いた。
車中泊用の装備は大まかにこれで完了。
あとはナップサックに温泉・洗顔セットなんかを準備すればOKだ。
ここまで準備するだけで汗だくになる。
シャワーを浴び、さっぱりしたところでいよいよ出発となった。
ナビに本日の目的地を入力。
夕食に目処をつけた山形県酒田市のラーメン屋。
そこから先は未定。行けるところまで北上するだけだ。
スマホをナビの脇に固定し「ハイドラ」というアプリを立ち上げる。
同じハイドラを使っている人同士、スマホ上でハイタッチしたり
名所に近づくと画面上に記念メダルがもらえたりする、ドライブが
楽しくなるサブツールである。
ナビと合わせて、現在どこを走っているかがわかるので地図アプリ
としてもまぁまぁ使える。
これでスタンバイ完了。
シフトノブをDレンジに入れ、のぼるを乗せたフィット3は発進した。
のだめカンタービレのミルヒ流にいえば、
「さあ、楽しい冒険のはじまりです」
といったところだ。
本来、出発は早朝なのが気持ち的にもしっくりくるものではあるが、
日中の大半を見たことのある飽きた景色で過ぎるのはあまりにもったいない。
限りある時間を有効に活用するためには、初日は新しい景色になるまで
距離を稼ぐのがいちばんいい。
新潟のバイパスを抜け、村上へ向かう。
うまくいけば海沿いを走っているときに夕陽が拝めるかと思ったが、
あいにくの曇り空。期待できるものは見れなそうだった。
「あ」
出だしでいきなり忘れ物に気付く。
デジカメ用のバッテリーと充電アダプターを持ってくるのを忘れた。
これはまずい。
写真を撮るのはもちろん、撮った写真をタブレットに無線転送するのも
予備バッテリーがあってこそのもの。
それができないとなると、かなり心細い。
どうする。今から自宅へ戻るか?
だが、出発して1時間経過しており、今更でもある。
いまから戻ったら、酒田のラーメン屋は間違いなく閉店時間となっているだろう。
このまま進むしかあるまい。
すぐに必要な写真はスマホの写メで撮り、あとで必要な写真だけをデジカメで撮る。
そういった使い分けをすれば、デジカメのバッテリーはもつだろう。
しきりに「酒田のラーメン」と連呼しており、よほどうまいラーメンなのか
気になるところかもしれないので説明しよう。
山形といえばラーメンの聖地といわれるくらい地元に根付いた食べ物だ。
その中でも酒田市が中心となって独特のラーメン文化を切り開いている。
その独特のラーメンというのは、ワンタンメンのことである。
地元はもちろん、県外から食べに来る人も多いという。
青森に行くのに酒田市を通り過ぎるのであれば、そこでうまいワンタンメンを
食べて英気を養うのが通過儀礼というものではなかろうか!
というわけで、のぼるの今日の夕食はワンタンメンに決定しているのだ。
「けいおん」のヒロイン平沢唯が、奇妙なダンスを踊りながら「わんたん、わんたん♪」
とカスタネットを叩く姿が脳裏をよぎる。
予めネットでチェックした店はいずれも夕方19時に閉店するので、それまでに
入店する必要がある。
ちょっぴり急がないとならないかもしれない。
日本海東北自動車道という耳慣れない高速道がある。
将来的には新潟から青森までの日本海側を一気に走り渡れる高速道路となる
「はず」の道だ。
だが、大小さまざまな災害により予算がまわらず、現在はまだ山形へも未開通だ。
とはいえ、現在通れる「朝日」までは一部無料区間として開放されているので
距離を稼ぐのであれば非常に有効な手段となっている。
その先は、下道を走るしかないが、わりと空いていたのですんなりと山形県に
突入できた。
海岸沿いをしばらく走ると、雲の切れ目から青空が見え始める。
これはもしかして夕陽が拝めるかもしれない。
その期待は見事に的中した。
海岸沿いにある「道の駅 あつみ」に着いたときには綺麗な夕焼けを見ることができた。
これは幸先がいい。
20歳のときにNS-1という原付バイクで単独北海道ツーリングへ行ったとき、
小樽行きのフェリーに乗りながらこんな綺麗な夕焼けが見れた。
あの旅が楽しくて、それ以来ヒマさえあれば旅をするようになったっけ。
そんな思い出がふと脳裏をよぎった。
つづく
2014/8/21 23:04 [1498-1028]

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大木屋のラーメン |
眠気防止にコーヒーでも飲もう、と道の駅に併設されたコンビニ・サンクスに入る。
近頃のコンビニではレジの脇に淹れたてコーヒーが楽しめるサーバーがあり、
100円程度で上等なコーヒーが飲める。
いまの時期はアイスコーヒーも飲むことができ、立派にうまい。
これがあると、もうコンビニで缶コーヒーを買うことはないだろうな。
再び出発する。
山形の温海というところから再び高速の無料区間が解放されているので利用する。
この高速を辿っていけば酒田まで直行できるが、酒田手前からは料金が発生するので
ラーメン屋の到着予定時刻を見ながら、そのまま高速で酒田まで行くか、下道で
酒田まで行くか、分岐のときに決めることにしよう。
この高速道路は日本海側を走っているとはいえ、海が見えることはほぼ無い。
山あいの道路を走り、トンネルを走る、の繰り返しだ。
お世辞にも景色を楽しめる道路とはいえない。
薄暗くなってきた頃、鶴岡西インターが目前となった。
このまま進むと高速料金が発生するが、現時刻は18:00。
このまま高速を使うしかなさそうだ。
下道におりると、ヘタすると夕方のラッシュに巻き込まれるかもだしな。
刻一刻と空が暗がりはじめている。
街の明かりもしだいにはっきり見える。酒田の市街地に突入した。
ナビの案内に従い、目的のラーメン屋へ向かう。
「川柳」それがラーメン屋の名。
駐車場がないので近くにあった大きな駐車場のコンビニに停めた。
そして徒歩で店へ向かう。
なんと、営業していなかった。
店内に明かりはなく、のれんもあがっていない。
バカな・・・お盆の書き入れ時に休むとは。
まさかの殿様商売。
いや、ここで絶望してはいけない。
チェックしてあるラーメン屋はあと3店ある。
まだ閉店時間前だから、急げば間に合うはずだ。
クルマに戻り、メモを見ながら他のラーメン屋に電話をする。
先に電話して予約しておけば確実に食べられるからだ。
しかし・・・
「すみません、本日はスープが終了となってしまいまして・・」
ふたつ!
「本日はお昼までの営業となっておりまして・・」
みっつ!
「・・・・・(誰も出ない)」
よっつ!
全滅・・・4件のラーメン屋が全滅・・3分もたたずにか・・・
バケモノか・・・
来ます、ガンダム!
墜とせ! シャアが見てるんだぞ!
コンスコン艦隊を彷彿とさせる悪夢の出来事であった。
19時を過ぎ、日も完全に暮れた。
かなりテンションが下がったが、このまま終わるのぼるではない。
カーナビでこの付近のラーメン屋を検索し、片っ端から回っていけば
営業中の店は必ずあるはずだ。
「まだだ、まだ終わらんよ!」
JR酒田駅の近くにあるラーメン屋「大木屋」が営業中だったので
迷わず入店。
2つしかテーブルがなく、狭く昔ながらのラーメン屋だ。
しかもテーブルのひとつには先客がいた。
なぜか若いギャルが2人でラーメンを食べていた。
ガストやサイゼリヤにしか出没しなさそうなナウいヤングなギャル(死語)が
なぜこんなところに。
それはともかく、ワンタンメンを頼もう。
と思ったら、メニューにはラーメンとラーメン大盛りの2点しかない。
なんと。頑固一徹、ラーメン一筋のこだわりオヤジの店ではないか。
ワンタンメンが食べられないのは残念だが、こういう頑固な店は当たりが多い。
味にうるさい年頃のギャルがここにいるのも偶然じゃないはずだ。
10分ほどするとラーメンが運ばれてきた。
スープを一口。ふむ、煮干の出汁を丁寧にとった澄んだ黄金色のスープ。
雑味もなくあっさりした中にもコクがある。
麺をすする。やや縮れた中太麺はスープとの相性バツグンだ。コシもいい。
しかもこの麺、量がハンパじゃない。大手の幸楽園の中華そばの麺の2倍くらい
ありそうだ。これで大盛じゃないというのが驚きだ。
これでワンコイン500円というのだから、空腹も充分満たし、満足であった。
ワンタンメンにはありつけなかったが、偶然とはいえこんな頑固一徹の店に
めぐり合え、いい逆転劇を見れた気分であった。
2014/8/23 01:22 [1498-1035]

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道の駅 岩城(写真は翌朝のもの) |
夜の国道をひたすら北へ進む。
21時近くになると車通りも少なくなり、距離を稼ぐのにはうってつけだ。
食後のドライブは一気に眠気が増すので、コンビニでアイスコーヒーと
チョコレート菓子、そして東北の地元メディアが編集した情報誌「ラ・クラ」を
購入した。
旅の情報誌といえば「るるぶ」が有名ではあるが、今回のように情報収集にかける
時間が少ない場合は、道中のコンビニなどにある地元の情報誌を買ってヒマなときに
読んだりすると、より旬な現地情報が得られるのだ。
まぁ、最近は時間があろうが「るるぶ」を買うことはなくなったな。
アレって基本的にカップルとか家族連れが行くような場所を重点的に書かれてるんだ。
ソロで行って楽しめる場所はそんなにないんだ。特に食事処は。
再び出発する。
運転しながら、チョコレート菓子「ルマンド」を食べ、アイスコーヒーをすする。
ちょうどいい食後のおやつになった。
しかし、ラーメンを食べて汗をかいてしまったせいか、妙に身体がべたべたする。
このまま車中泊するのはすこし気持ち悪いかも。
どこか温泉に入れればいいのだが、そんな都合のいいところなんてあるだろうか。
ほどなくして秋田県に突入した。
新潟の海岸線の長さに比べたら山形はあっという間に過ぎてしまったな。
いや、新潟が無駄に長すぎるんだ。下道で海岸線を走ると南から北までまる一日
かかってしまう。マジで長いぞ新潟県。
「道の駅 象潟」に到着した。
ラッキーなことにここは温泉が施設内にあるところだった。
90分350円という格安な料金で入場できるのがありがたい。
さっそく荷物を持って受付へ急ぐ。
受付のおねーさんはこの上ない笑顔で
「夜9時で閉館でございます♪」
と言い放った。
げふぅ。
吐血気分だった。
笑顔でそんなこと言われたら絶大なダメージだっつーの。
ドスのきいた声で「来るのがおせーんだ、おととい来やがれこのスットコドッコイがぁ」
と言われたほうがまだマシだ。
そこからさらに先の「道の駅 にしめ」では、24時間営業の温泉施設があった。
やった、これでゆったり温泉に浸かれる。
ところが、夜間料金ひとり720円もとられるというのだ。
おいちょっとそれはいくらなんでも高いだろ。
料金表を見てしばらく固まる。
脳内で想像を絶する葛藤をし、本日の入浴は諦めることにした。
旅の序盤で豪遊してはならないのだ。
今回の旅の目的地は青森の大間。そう、まぐろの聖地である。
大間へ行った人の胃カメラを撮ると必ずまぐろが胃に収まっているという。
だが安い食べ物ではない。
一食3000円クラスの出費を覚悟せねばなるまい。
だから、ここで余計な出費をする余裕など無いのだ。
秋田市の手前の「道の駅 岩城」に到着した。
このへんが限界だ。今日はここで車中泊するとしよう。
駐車場のクルマはまばらではあるが、どのクルマも車中泊用にカーテンが
敷かれていた。
キャンピングカーも数台おり、ここが車中泊に適した施設であることを示している。
ガラス張りの休憩室の中には自転車旅行者(チャリダー)がベンチに寝転がっていたり
している。つくづく日本は平和である。
クルマを適当な場所に停め、車中泊モードにトランスフォーム開始だ。
各ウインドーをベンチレーション用の隙間として約1センチほど開けてから
エンジンを切る。そうしないと翌朝結露でひどいメにあうのだ。
だから車中泊にはドアバイザーがあるととても便利。
その次にラゲッジルームの四方にカーテンを設置し、内部の光を漏らさないようにする。
そのあと夏用のラフなジャージに着替えた。
タブレットを起動し、ネットに接続して本日のレポートを掲示板に書き、それから
明日のルート情報を確認し、ひとまずやることを終えた。
予めクーラーボックスで冷やしておいたビールを取り出し、先ほど購入した「ラ・クラ」
を読みながら飲んだ。
この情報誌は、隔月の発行とはいえ700円と値が張る。
だが上質紙を仕様し、美麗な写真がたくさん掲載されている。
あたかもツーリングマガジン・アウトライダーを匂わせる紙面作りだ。
その記事の中で冷やしラーメンが特集されていた。
ふむ、明日も暑くなるなら、昼食はそういった冷やし系の食べ物がいいな。
といった情報を読み漁ったところでいよいよ睡魔に襲われ、明かりを消して
布団に横になった。
おやすみ・・・・
だが30分ほどで目覚める。
暑くて眠れないのだ。
四方を遮蔽したカーテンが風の通り道すら防いでしまったのだ。
まくらの上に敷いたタオルがもうしっとり汗で濡れている。
仕方ない、緊急措置だ。
網戸用の網を出し、片側のウインドウに挟んだあとその窓を全開にする。
虫の侵入も防いで外からの風を取り入れることができるわけだ。
だが、それでもやはり暑い。
風がどうのという問題ではない気温そのものが暑いのだ。
エンジンをかけてエアコンを付ければ涼しくはなるが、うるさくなるので
まわりに迷惑をかけてしまう。そんなのはダメだね。
でも、なんとかして寝ないと。
寝れねー。あっちー。
クルマの中、ひとりでのたうちまわるのぼるであった。
2014/8/24 02:47 [1498-1046]

2014/8/24 21:10 [1498-1049] 削除

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---|---|---|---|
あさごはん | 参考写真 春の十和田湖(2010年) | 参考写真 春の奥入瀬渓流 | 参考写真 春の八甲田山の雪の壁 |
2日目 8月13日
結局1時間も寝れず。
夜明け前、早起きした人が出発したり、会話をしたり、ドアを「バム!」と閉めたり
まわりが少しずつにぎやかになりはじめた。
朝方になって気温もようやく涼しくなってきたが、そういう理由で寝られなくなった。
しゃあなしだ。起きるか。
汗でダメになったタオルをナイロンの袋に入れて密閉する。
こんなもん放置してたら車内がとんでもなくクサくなってしまう。
それから外に出てトイレへ。
鏡を見ると、自分でもびっくりするほど髪の毛がワサワサになっていた。
汗をかいた上に寝返りを何度もうっていたからか。
こうなるとブラシでも修復不可能。どうしようもないので帽子をかぶって誤魔化す。
今日のスケジュールは、まず何がなんでも温泉。最優先事項である。
クルマの運転席に座り、ナビとタブレットを起動。
タブレットをネット接続し、朝からやっている秋田・青森の温泉を検索。
「ポパイ温泉」という所は朝6時から営業、入浴料は350円と安い。
なんだか名前が怪しいが、ちょうど青森市街地の手前に位置し、通りすがりで
利用できそうなので、ここに決めた。ここへ行こう。
ナビにポパイ温泉の電話番号を入力。ここから4時間ほどかかるらしい。
青森の市街地でランチを食べることを考え、その到着時間を逆算すると、
今から出発してようやく温泉でくつろげる余裕が生まれるレベルか。
ならばもう出発しなければ、だな。
朝5時。
エンジンをかけ、道の駅 岩城をあとにした。
秋田の海岸線をひた走る。空がしだいに白けてきたが、厚い雲に覆われていた。
とりあえずスモールライトを点灯して走る。
天気予報的には本日の東北地方は快晴で、気温も上昇傾向にあるという。
そのうち晴れるのだろう。
秋田市の市街地を抜けようとする頃、24時間営業のスーパーマーケットを発見し
そこに駆け込む。朝食を買おう。
早朝すぎてまだ腹はあまり減っていないが、コンビニよりも品数豊富で新鮮、
しかも安い。利用しないテはない。
チャンスは最大限に生かすのが私の主義だ。シャア語録の引用だが。
半額サンドイッチ、学生調理パン、ビタミン系の飲み物をゲットし322円。
学生調理パンとは、コッペパンにナポリタンとメンチカツが挟んである惣菜パンだ。
ボリューム満点なのに定価100円とはすごいCPである。
それらを食べながら進む。サンドイッチは珍しく食パンの耳を切り落とさない
タイプだった。秋田では耳を切らないのがデフォなのだろうか。
パンの耳は栄養価が高いので捨てるのはもったいない。願ったり叶ったりだ。
国道7号を一時的に避け、国道285号に入る。
青森へ抜ける道路として多少のショートカットになるようだ。
海沿いから一転、今度は山岳地帯のワインディングロードとなる。
しかしこのフィット3はすごい。
何がすごいって、ここまで300キロ近く走ってきたのに、燃料はまだ1/3くらいしか
減っていないのだ。燃費も27〜28km/lをマークしており、荷物を載せているわりに
悪くはない。欲をいえば長距離航続運転してるのだから30km/lはいってほしいが。
さすがはハイブリッドカー。
ただし、2時間連続で運転すると大音量で「キンコーン!」とアラームが鳴り、
「長時間の運転ごくろうさまです」と喋るのだ。
慣れないとけっこうビビる音量だ。まぁ眠気防止にはなるが。
昨晩ほとんど眠れなかった上、朝食を食べたばかりとなると、やはりこの
タイミングで眠くなってきた。
我慢して走るよりは、まだ日の出直後の涼しい時間帯で仮眠したほうが
一日全体を通してみると効率がいいだろう。
くそ暑い昼間に車内で仮眠など、たぶん軽く死ねる。親がパチンコに夢中になり
子供が車内に放置された状況になるわけだ。シャレにならん。
まだ営業前の誰もいない峠のレストランの駐車場にクルマを停め、
ラゲッジルームに移動し、横になると速攻で寝た。
いやぁ、気持ちいい。
1時間ほどで目覚めると、7時。
眠気すっきりだ。山あいから朝日が差し込み始めており、ここから分刻みで
気温が上昇するタイミングだ。ナイス起床というべきだな。
ちょうどその頃、昨晩泊まった「道の駅 岩城」で1人の男が立ちすくんで
いたという。
のぼるがそこにいることを掲示板の書き込みで知り、今朝そこへ向かったら
のぼるはすでに出発したあとだった、というのだ。
彼の名はKさん。
2日後、このすれ違いが原因でとんでもない奇跡が起こるが、それはまだ
現時点では誰も知ることはなかった・・・
再び出発。
しばらく走ると「道の駅 かみこあに」に到着、トイレ休憩する。
この道の駅は以前来た思い出がある。
数年前、単独で青森を攻略しに来たとき、ここで車中泊したのだ。
まだ春先、ものすごく寒くてロクに眠れなかった思い出がある。
近くのローソンで肉まんとポタージュスープを買って温まったっけ。
また走り出す。
この道を辿ると十和田湖に出て、それに続く「奥入瀬渓流」という国道102号が
素晴らしい道であることは承知している。
だが、その道を通って八甲田山の峠道を経由して青森へ向かうとなると、
かなりの時間ロスになる。
このお盆の時期だ。朝の時間帯でもけっこう渋滞するかもしれない。
だから今回はパス。
国道7号に合流し、青森への最短ルートに乗った。
2014/8/24 21:30 [1498-1050]

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---|---|---|
山岳のワインディングロード | 青森の住宅街 | ポパイ温泉 |
山岳のワインディングロードは走っていて楽しいが、前にトロいクルマが
走っているとかなりヘコむ。
道路脇に避けてくれれば、サッサと追い抜いて気持ちよく走れるのだが、
トロいクルマに限って後方のクルマの存在も確認してないようで、
いつまでたっても道を譲るつもりもなくノロノロ運転を続けていた。
10分ほどそれにつきあっていたが、これはつまらない。
2度ほどパッシングしたが、どうにも譲ってくれない。
初心者マークや高齢者マークがあるならまだ話はわかるところだが、
それもなし。見たかんじカップルで女性が運転しているように見えた。
悪いがイチャイチャ運転なんかにつきあってられん。
のぼるは視界の開けた直線になったところで、シフトノブ前方の「S」と
書かれたボタンを押し、ゲッターロボの必殺技のごとく叫んだ。
「ブースト・オン!」
スピードメータ脇のインフォメーションディスプレイがタコメータに切り替わり
エンジン回転が急激に高まる。
アクセルを踏み込むと、その急激なレスポンスに機敏に反応しフィット3は
爆発的な加速をする。
これがフィット3ハイブリッドの必殺技のひとつ「Sモード」である。
強制的にEV運転を解除し、燃費向上のためのモーターを加速重視のセッティングに
切り変えるのだ。
一瞬でカップルのクルマを追い越し、バックミラーからその存在は消えていった。
のぼるのフィット3はマフラーを社外品のものに換えており、こういった
スポーツ走行時には軽快なサウンドを奏で、クルマの外観と音とスピードに
酔いしれることができる。
だがこのSモードを多用すると燃費が想像以上に悪化するので、必要以外は
解除したほうがいい。まったくもって「イザ」という時の切り札なのだ。
青森県に突入した。
このへんからにわかに対向車の数が増え始め、気付くとすごい渋滞となっていた。
なんだ一体。
なにか事故があったわけでもないのに、青森から秋田へ抜ける車線がノロノロ運転で
連なっていた。
こちらの道路、青森へ向かう車線は多少クルマは多いが、スムーズに流れていた。
やはりお盆の時期、主要道路は危険がいっぱいだ。
青森市の突入し、郊外のバイパスに沿って走っていると、間もなく第一の目的地
「ポパイ温泉」に到着した。
温泉というからには山間部にあるのかと思いきや、平野部の、それも住宅地のど真ん中に
その施設はあった。
ピンクの屋根の西洋チックな、幼稚園と誤解されてもおかしくない妙な建物。
そこに堂々と「健康温泉ポパイ」と書かれてあった。
予想通り、ポパイとオリーブ、ブルートの顔も描かれていた。やっぱそれだったか。
怪しい。なんだろう、色、ネーミング、建物、絵の全てがズレたこのセンス。
おかしいよ。おかしいですよカテジナさん。
などと思いながらナップサックに着替えなどを入れ入浴の準備を整えた。
受付で350円を払い、脱衣所へ向かう。
広さ的には充分快適なのだが、有線で流れる演歌が建物の古さを更に際立たせている。
どうせなら「ポパイ・ザ・セーラーマ〜ン♪」のあのテーマを流せばいいのに。
服を脱いで、昨晩汗でダメにした2本のタオルをもって内風呂へ。
まだ午前中なので2〜3人しか人はいなかった。
立派に広々とした内風呂、ちょっと濁った湯が良い泉質を物語っている。
しかも打たせ湯、サウナ、小浴槽、歩行浴槽、内湯、ジャグジー浴槽、露天風呂と
種類豊富でスーパー銭湯にも引けを取らない。
露天風呂は壁が高くて空しか見えないが、涼しい風が気持ちいい。
青空の午前中から温泉でくつろげるなんて、しやわせだ。
サウナで汗を思い切り出し、身も心もさっぱりした。
ちなみにこの低価格なのでボディソープやシャンプーなどのサービスは無い。
東北の格安温泉はそういう施設が多いので、予め自前で準備するのが正解だ。
(前回の青森旅行で身をもって知っていた)
クルマに戻って衣類を整理する。
下着類は袋に入れて密閉しておくが、タオルだけは洗面台で念入りに洗って
おいたので、ラゲッジルームの上部アシストグリップに渡したロープに
干しておいた。暑いからすぐ乾くだろう。
暑いといえば「はっ」とする出来事が。
センターコンソールに置いたルマンドのチョコが微妙に溶け始めていたのだ。
あわててクーラーボックスの中に退避させた。
あぶないあぶない。
取り返しのつかないことをするところだった。ララァ・・・
さて、気持ちも新たに、再び出発する。
太陽は、大当り確定のLEDライトのように派手にビカビカ輝き、どんどん
気温が高まっている。
運転しながらエアコンの風量を上げようと操作するが、フィット3のエアコン操作は
タッチパネルとなっており、オン・オフしたかどうかの手ごたえがまるでないという、
庶民カーにしては妙に敷居の高い操作が要求される。
いくらエアコンの風力を上げても涼しい風が吹き出さないというトラブルが勃発。
エアコン自体の故障か、それともエアコンガスが切れたか。
このままでは旅に支障をきたすので、最寄のディーラーに駆け込むか。
などと1人でパニクっていたが、なんのことはない、誤操作によりエアコンが
OFFになっていただけであった。
ONにしたら、正常に涼しい風を供給しはじめた。
あぁ、よかった。
ていうかホントに使いづらいエアコンですな。めっ!
2014/8/25 10:19 [1498-1054]

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長尾中華そば 外観 | 冷やしラーメン | 鶴亀屋食堂をチラ見 | むかしそこで食べたウニまぐろ丼(参考写真) |
もうすぐお昼。
ランチタイムだ。
何を食べるか、実はもう心の中で決めてあった。
冷やしラーメンだ。
ここまで気温が上がるとは思っていなかった。
暖かい食べ物は無理。冷たいものがいい。
というわけで東北の情報誌「ラ・クラ」にあった冷やしラーメンの店へと
ナビ案内を開始。目指すは「長尾中華そば 西バイパス本店」だ。
青森の市街地に突入。
東北新幹線終点の地、青森の県庁所在地。さすがに近代的な都会となって
ビルが建ち並んでいる。
そのメインストリートに店はあった。
小洒落た佇まいの店「長尾中華そば」は、地元でも有名なラーメン屋らしく
客がどんどん出たり入ったりしていた。
さっそく店内へ入ると、カウンターに案内された。
店内の奥の壁には何故かインスタントラーメンの上蓋が貼られている。何だ一体。
冷やしラーメンを注文する。
ラーメンが来るまで、スマホを取り出しスタミナが満タンになっていたパズドラをやる。
ランクも300になっており、もはや目的もなくテキトーにやっているに過ぎないが。
20分ほどで冷やしラーメンが運ばれてきた。
冷やし中華ではない、ふつうのラーメンの冷たいやつだ。
山形系の煮干醤油スープを独自技術で冷やしスープにアレンジし、なおかつ
そのスープに出汁の氷を浮かべているという超絶アイデア。
これなら氷が溶けてもスープが薄くならず、しかも食べている間はスープが
キンキンに冷えているというのだ。
麺もコシがあって美味しい。チャーシューもメンマも、冷えたスープと相性がいい。
このラーメンのアイデアはすごいな、と素直に感心した。
大昔、学研の「科学と学習」らへんの漫画でラーメンをテーマにした漫画があったが、
真冬にラーメンの屋台2店でうまいラーメンを作り競う話だった。
ライバル店はどんぶりまでも暖めて「熱いラーメン」を提供するが、
主人公の店は出汁入りの氷を浮かべ「強制的に食べやすい温度にするラーメン」を
提供し、見事に主人公の勝利となった、というストーリー。
暖かいラーメンにわざわざ氷を浮かべてスープを冷ましたものを
「うまい」と感じるバカがいるのか、と素直に疑問に思ったものだ。
「食べやすい」と「うまい」を同一線上と勘違いした駄作だったね。
しかし、この「長尾中華そば」ではそのバカ漫画に対する逆転の発想で、
見事なまでに「冷やし」というカテゴリを昇華させているのだ。
気温が暑ければ暑いほど、このラーメンはうまい。
近年稀に見る感動作であった。おめでとう、はなまるをあげよう。
感動の余韻に浸りながら表に出る。
外気はまた一段と暑くなっていた。
こんな調子では、今夜も熱帯夜でまた眠れないことだろう。
昼間の今のうちに「暑さ故の不眠」に関する何らかの対策をとるべきだ。
そう判断した。
つか、なんでそんなもってまわった言い回しをするかな。
い草のマットでもあれば多少涼しく寝れるかもだが、ホームセンターを
探すのがめんどい。
安い扇風機でもあれば、かなり快適に過ごせるのだろうが、家電ショップなど
この近くに・・・
振り向くと、そこにヤマダ電機があった。
なんと、扇風機屋がこんな近くにあるとは。
吸い込まれるようにヤマダ電機に入り、扇風機のコーナーへ。
クリップタイプの扇風機が2480円、それを購入し、クルマの後部座席の
アシストグリップに挟めて固定。
よっしゃ。これで今晩から快適になるだろう。まさに科学の勝利だ。
それにしても絶妙なタイミングで家電屋があったものだ。
これは神に認められたとみて間違いないんじゃないか。
宇宙の心はのぼるだったんですね!(カトル・ラバーバ・ウィナー談)
再び出発する。
再び海を左に、陸奥湾を海岸沿いに北上していけば大間にたどり着ける。
青森の市街地を抜け、浅虫へ。
思い出深い「鶴亀屋食堂」がある地でもある。
主にまぐろ丼を安く提供する食堂であるが、その量は半端じゃない。
まぐろたたきや切り身がこれでもかというほど載っているのだ。
「テラめし倶楽部」という大食いサイトに掲載されている有名店でもあり
その盛りに魅せられてのぼるも以前この店でそのまぐろ丼を食べたことが
あるのだが、もう破壊力満点だった。
切り身が中トロや大トロならばよかったのだが、そのほとんどは赤身。
少し食べれば飽きてしまう。
プライドをかけて完食はしたが、しばらく身動きはとれなかった苦い思い出が
そこにあった。
ま、今回は夕食に大間のまぐろを食べることにしているので、スルーだ。
いつかまたチャレンジしに来ようかな。
下北半島に突入する。
「はまなすライン」と呼ばれる国道279号を一気に北上する。
このはまなすラインのスタート地点が下北半島の付け根。明確な曲がり角が
あるので非常にわかりやすい。
さあ、大間までまっしぐらだ。
2014/8/26 09:44 [1498-1059]

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陸奥湾の海岸 | おやつ♪ | 大畑町の漁港 | 大間岬に到着! |
左に陸奥湾の海、右に松林、そのさらに奥に高原があり風車が立ち並ぶ。
ここを通るのは3度目ではあるが、最初にこの景色を見たときは
感動したものだ。
陸奥湾は地図上では大した湾には見えないかもだが、実際見ると
対岸の津軽半島など遥か彼方に霞んで見えない。なんと広大なことか。
そして特筆すべきはその風車の数。
海側にも山側にもたくさんの風車が立ち並んでいる。
青森県は全国でもトップの風車設置数を誇るが、それを実感できるのが
この下北半島なのだ。
実をいうと、以前単独でこの地へ来たときは、やはり大間を目指していたのだが、
この風車の数に圧倒され、その風車群に吸い寄せられてしまい、主に六ヶ所の
ウインドファームにて時間を忘れて風車の撮影をし、結果大間へ向かわずして
日が没したという我ながら情けないことをしてしまったことがある。
あのときは散々だった。
津軽半島のてっぺん「竜飛岬」を目指したら、途中で道路が閉鎖されて引き返し。
下北半島のてっぺん「大間岬」を目指したら風車に目を奪われ失敗。
まぁ、次に来たときにどちらも到達成功したからよかったのだが、今度は大間で
時間がとれずまぐろが食べられなかったという新種の後悔が残った。
今回はそのリベンジといってもいいだろう。
六ヶ所村のウインドファームを見る限り、太平洋側の海岸線沿いを走ればきっと
もっとたくさんの風車群にめぐり合えそうな予感がしていた。
なので、本日は大間岬まで行ってまぐろを食べたらむつ市あたりまで戻って
車中泊とし、明日は太平洋側の道路を下っていくことにする。
楽しみだね。
ようやくコンビニにめぐり合え、一休みする。
チョコモナカアイスとココアを買い、外のベンチに腰掛けて食べた。
ちょうどいいリフレッシュだ。
このへんは青森市街と比べて非常に風が気持ちよく、体感温度的にも
ずいぶん涼しい。
数多くの風車が設置されている地というのも頷ける。
無風になりにくく、常に何らかの風が吹いているわけだ。
はまなすライン、ここは海岸沿いの道路ではあるが、すぐそばが海
というわけではない。ちょっと内陸側に道路が作られている。
なので少し景色的に物足りなく感じた。
そこで、わき道を抜けて海岸まで出てみた。
そこには誰一人としていない海岸がどこまでも広がっていた。
すごい。
こんな時期、どこへ行っても人だらけなのに、ここは泳ぐ人もいなければ
砂浜で肌を焼く人もいないし、一軒の浜茶屋もない。
まさに無人。
遠くどこまでも広がる海岸をひとりじめ、いまここ、この瞬間が日本一広大な
プライベートビーチといえるのではなかろうか。
これは爽快すぎる。
はまなすラインに戻り、さらに北上する。
むつの市街地に突入する。
この街は一度泊まったことがある。宿のオーナーも気さくいいい人、食堂で
食べたホタテづくし定食は、ホタテフライ、刺身など10個以上のホタテを
使用しておりボリューム満点だった。
ホテルが開放している日帰り温泉も気持ちがよく、大満足の夜だった思い出が
あった。
市街地を過ぎ、しばらく進むとついに津軽海峡が見えた。
対岸の北海道の渡島半島はまだ見えないが、天気がいいのでそのうち見えるはずだ。
本州最北の海の景色を楽しんでいると、大きな漁港が見えた。
大畑町の漁港だ。
立派な漁船がたくさん停泊している。西日の太陽光で船の金属部がキラキラと
乱反射している。
こういう船でまぐろの一本釣りなんかをやるのだろう。ロマンだね。
海岸線をゆったり走ると、遥か水平線の彼方に霞む北海道が見えてきた。
渡島半島の先端、函館。
あぁ、やはりこの目で見てしまうと渡って行きたくなる。
新潟人にとって北海道の玄関口は主に小樽ではあるが、それでも函館と聞くと
特別な都市だと思える。
それは本州に最も近い北海道の都市だからなのか、それともイカやウニが
うまいところだからなのか、それとも土方歳三最期の地だからなのか。
北海道そのものが特別な地なのは、自分が手塩にかけたマイカーで走りたいのに
その願いがなかなか叶いにくい土地であるからではなかろうか。
北海道までの距離、海の連絡、そしてまとまった休暇と資金。
すべてをクリアして、はじめて北の大地への切符を手にすることができるのだ。
まぁ、またいつか行けるチャンスは巡ってくるさ。
そのときは、最高のパフォーマンスで臨んでやる。
間もなく大間岬となった。
はまなすラインから右矢印で「大間岬」と案内看板があった。
案内に従って住宅地を進むと、ついにその大間岬に到着した。
巨大なまぐろとそれを釣ろうとする漁師の一本釣りの腕のモニュメントがあり、
その先は海、大きな灯台の建つ弁天島がぽっかり浮かび、そして水平線の彼方に
北海道の広大な台地。
ここが、本州最北の地。
着いた〜。
感慨もひとしお、というところなのだが、子供連れのファミリーが多く、
モニュメントのそばは記念撮影の人だかりができていた。
2014/8/28 10:37 [1498-1066]

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大間岬のモニュメントの前で | 長宝丸のメニュー | 夢にまで見た「まぐろづくし丼」 |
3〜4件の土産物屋がすぐそばに連なっており、中を物色した。
16日のオフ会に参加してくれるメンバーに差し上げるまんじゅうを買う。
その名も「まぐろまんじゅう」だ。
マクロスフロンティアで有名な「まぐろまん」ではないか。
劇中のあの形ではなく、ふつうにある温泉まんじゅうではあったが。
アニメとコラボしてそういうのを売り出せば、もっと人が来るはずだろう。
あと、こういった特別な場で欲しかったものがひとつあった。
フィット3のシフトノブのてっぺんに付けるエンブレムだ。
のぼるのシフトノブは純正のそれではなく、アルミ削り出しのワンオフだ。
以前のオフ会で参加してくれた方の一人から戴いたもので、大切に使っている。
そのてっぺんに何か円形のエンブレムを付けると、もっと格好よくなるのだが
どうせならこういう場にしかないものなら、いい思い出にもなる。
というわけで、キーホルダーやストラップ、バッジなどを吟味した結果、
まぐろのシルエットが彫られたメダル状のキーホルダーを買った。
家に帰ったら加工して貼りつけよう。楽しみができたでゲソ。
一通りこの地ですべきコトは終わった。
あとは、お楽しみの夕食、まぐろ丼に舌鼓をうつのだ。
♪た〜べるんだ たべるんだ 大間のまぐろ〜♪
ゴールドライタンの替え歌が頭の中を席巻するくらい楽しみだった。
とはいえ、まだ16時。夕食にはちと早いが、お昼がラーメンだったせいか
けっこう腹がすいている。
もうお店に入って食べてもよかろう。
うまいまぐろ丼を提供してくれる店を予めチェックしておいたので、
迷いなくその店へクルマを走らせる。
岬から約5分。「長宝丸」という店だ。
あれ・・・・?
店の前の駐車場に一台もクルマが停まっていないし、のれんも出てないし
のぼりも立っていない。
まさかの定休日? もしくはお盆休み?
いや・・・夕方の休憩中だった。
夜の部は17:30から営業開始と書いてある。そういうことか。
では、開店までの1時間をどこかでひまつぶしをしよう。
すぐ近くにスーパーマーケットがあったので涼みに入った。
涼むだけではもったいないので、いろいろ物色する。
さすが漁港の近くだけあって魚介類が豊富で安い。
その傍らに「大間産中トロ」の刺身がパックで鎮座している。
約1〜2人前で2500円! うっわ高っか!
でも築地で買うよりはずっと安いんだろうなぁ。
そういう目玉商品はやはり高価ではあるが、ホッキサラダ、数の子わさびなどの
酒のつまみになる小さな珍味パックが200円程度であった。
おや、ほかの地域に比べてずいぶん安いな。
これだと車内泊のビールのつまみにちょうどよさそうだ。
よし、あとで買うとしようか。
運がよければ夕方の惣菜半額のタイミングにありつけるかも。
レジの奥に氷サービスもあるし(ここ重要)あとでビールも買っていこう。
有意義なひまをつぶしたあと、17:30になり「長宝丸」に戻った。
一番に入店しようと思っていたら、カップルに先を越された。まあいいが。
店内は小奇麗な和風の食堂といった趣で、その傍らにはお土産専用の冷凍庫も
あった。「お土産用まぐろ、全国発送いたします」と書かれてあった。
それはともかく、まずは注文だね。
お薦めなのが「まぐろづくし丼」で赤身、中トロ、大トロの全てが
リーズナブルに制覇できるというものだ。
しかしそれでも3780円もする。覚悟の上だ。それを食べるために
ここまで来たのだ。いまさらビビってどうする。
ビビったといえば「大トロ丼」だ。まさに大トロだけの丼なのだが、
4860円もするのだ。市販のアルミシフトノブが買えるわ。
しばらくすると、待望のまぐろ丼が運ばれてきた。
きっ、来たぁー。
大きめのどんぶりにこんもりと載せられた刺身のまぐろ。
下から赤身5〜6切れ、中トロ3切れ、そして頂点に燦然と輝く大トロ2切れ。
ふ・・・ふおおおおおお! うまそう・・・うまそう!
一切れがふつうの刺身よりデカい。これはまぐろのデンドロビウム祭りだ!
醤油を皿に入れ、わさびを退避。
大トロを脇にどかせて、まずは赤身を食べる。
わさびと醤油を付けて、ぱくり。
おぉ、まぐろだ。これはまぐろだ。間違いなく、まぐろだ。
次に中トロ。うん、うまい。バランスのとれた歯ざわりと旨みが最高。
そして大トロ。
醤油をくぐらせるとその脂が「じゅわ」と醤油皿に広がる。
うわ、食べる前からコレモンかよ。
震える箸で、恐る恐る、ぱくり。
じゅわぁー!
やわらかい刺身に歯を通すと、サシから脂が溢れ出てくる。
これは脂のマイクロミサイルポッドだぁー!
まぐろを食べるのに板野サーカスが脳内に広がる。
ごはんをかっこむ幸せのキワミ。アッー!
あとはもう無我夢中。
気付いたらどんぶりがカラッポになっていた。
「女将! おかわりはどうした! まだ持ってこないのか!」
などと海原雄山口調でキレそうになった。
そもそもおかわりなんてしないし。おかわりする余裕などないし。
それくらいの依存をともなっていた。
ふぅ。
大満足で店をあとにした。気がつくと店内は他の客であふれていたので
早めに出てきたのだ。人気店だったんだな。
先ほどひまつぶしをしたスーパーへ戻り、鮮魚コーナーへ。
すると思惑通り、ハーフプライスラベリングタイム直後のタイミングのようで
日持ちしないものが全て半額のラベルが貼られていた。
目をつけていた新鮮なつまみ系も例に漏れず半額だ。
ホッキサラダ、数の子わさび、中華くらげの小さなパックをひとつずつ
買物カゴに入れた。ひとつ100円とは、素晴らしいCPである。
ビールも買って、クルマに戻った。
ビール2缶、それぞれに汚れもの用のビニール袋に入れ、サービス用の氷を
その中にだっぷり入れておいて縛る。こうすることでよりキンキンに冷えたビールが
楽しめるというわけだ。
それと珍味をクーラーボックスに入れておいた。準備完了だ。
2014/8/29 17:01 [1498-1074]

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夜に出合ったイエローフィット |
この地ですべき事は完了した。
ミッションコンプリートだ。
太陽は沈み、刻一刻と暗くなっていた。
明日は朝から下北半島の太平洋側の海岸を南下する予定としているので
本日はこれより距離を稼ぐドライブはしない。
その明日のルートの入口となるむつ市街地らへんまで戻り、そのどこかで
車中泊としようではないか。
そう結論が決まると、さっそくクルマを走らせた。
最果ての地の日暮れ。
なんともいえない悲壮感が漂う。
多くの観光客で賑わっていたはまなすラインも、車通りもまばら。
多くがフェリーで北海道へ向かったのだろう。
これから暗くなる、まだ明確な宿泊地が決まっていない、などという
ちょっとした不安にかられる。
暗くなってからその地で宿泊地を探すことは、なかなか容易ではないのだ。
そんな心の不安から、強烈な眠気に襲われた。
考えてみたら昨晩はほとんど眠れなかったのだから、当然の生理現象だ。
これはまずい。早めに寝床を確保しなきゃ。
陽もとっぷりと暮れ、あたりはすっかり夜の道となった。
あと10分も走ればむつ市街地に入るところだが、疲労が限界に達しており
少し広い駐車場のあるローソンに入った。
同じ敷地に酒のディスカントストアがあり、そちらはもう閉店しており
その店の前の駐車場はもう誰も来そうにないので、そこに停めた。
今日はここで車中泊にしよう。
窓にカーテンを敷いて、軽装に着替える。
それだけで眠気がどこかへ飛び、まだ起きてられる感じにテンションが上がる。
ドライブ中の同じポジションでいることに身体が拒否反応していたのだろう。
まだ19時なので車内でゆったりと過ごす。
ネットの掲示板に「明日は岩手県らへんへ行く予定」と書き込むと、
なんと岩手在住の「クロッチーさん」という方から「どこかで会えるといいですね」
というレスが。
やりとりをするうちに、明日の夕方「遠野」という岩手内陸の地域の道の駅で
クロッチーさんとお会いすることとなった。
いわゆるゲリラオフ会が開催されることとなったわけだ。
オフ会といってもその方と2人で会うだけなのだが。
岩手についてネットでいろいろ調べる。
岩手で旬なものといえば「あまちゃん」で有名となったウニ弁当だが、
あれはまず入手不可能。大量生産できず、すぐ売切れとなってしまう。
だが生ウニ丼なら、たいていの所で食べることはできるだろう。
いいね、ウニ丼。
では明日の昼食は宮古の街でウニ丼を食べることにしよう。
これが明日のスケジュールとなった。
ランチを宮古、夕方に遠野。その合間に温泉に入れればベター。
遠野でクロッチーさんと会う前にで洗車でもできたらベスト。
さらにいえばオフ会中に衣類の洗濯でもできたなら最高。
そんな感じで計画を立てていくと、だいたい明日のルートが
出来上がっていった。
岩手県ひとつで、ほぼ四国まるごとの広さがある。
かなり広いのでやや迅速な移動が求められるだろう。
がんばらないと。
一通りスケジュールを組み終えると、あとは自由時間。
お待ちかねのビールタイムだ。
その前に、トイレに行って来よう。
ローソンへ向かって歩くと、駐車場に一台のフィット3が入ってきた。
珍しい黄色のフィットだ。しかもいちばん高級なSパッケージ。
男性ドライバーがひとり。話しかけてみよう。
同じフィット同士だと話しかけやすい。
「燃費どのくらいいきます?」とか「不具合ないです?」
のいずれかを切り口にすれば、すんなりトークが弾むのだ。
のぼると同じ歳くらいの男性。仕事帰りらしくスーツ姿だ。
毎日仕事が忙しいらしく、休日にクルマいじりもできない、とボヤく。
フィットを選んだ理由は、ホンダディーラーと取引がある仕事だったから。
黄色のSパッケージを選んだ理由は、他人と違う色で高級感があるやつが
欲しかったから。
意味深なのは、走りに関してだけは、買って後悔している、ということ。
彼にとってはダイレクト感のあるDCTよりもスムーズ感のあるCVTが
好みなのだそうだ。
まぁ、DCTも乗ってて文句がない、手放しでベタ褒めできるシステムかと
言われたら、確かに「そうではない」とは言うけどね。
現状は満足に満たないが、まだまだ進化の余地が残されているからワクワク感がある。
のぼるは概ねそう思っている。
新しいシステムというのはそういった考え方をもって買うのが正しいんじゃないかな。
もちろん、買う人それぞれではあるが。
しばらく話し込んでから別れ、クルマの中に戻った。
クーラーボックスに入れた珍味を開封し、冷えたビールを取り出す。
ほんじゃま、今日一日おつかれでした! かんぱーい!
ゴキュゴキュと喉を鳴らしてビールを飲む。
これで駐車違反だったらもう移動できないからな。
珍味の味はどうよ。
ホッキサラダ。ホッキ貝の嚙み応えのあるシャキシャキ感が絶妙。うまーい。
数の子わさび。わさびがピリっときいた数の子のバリボリ感がたまらん。
中華くらげ。ごま油の風味が絶妙なむにゅむにゅ感。しやわせだ。
車内泊で数時間過ごす場合、もうひとつ工夫が必要かもしれない。
テレビ、もしくはラジオか。
外に音が漏れない程度の音量でいいから、車内の沈黙を消したい。
これは次回の課題としよう。
車内に32インチ大画面液晶テレビとブルーレイ再生機を導入すっか。
(なんでそう大袈裟にするかな)
今日は車内にいても暑くない。
涼しいくらいでとても快適だ。
やはり北へ来て大正解、今夜はよく眠れそうだ。
明かりを消して横になると、もう意識がとんだ。
昼間に買った扇風機は買い損だったのだろうか。
つづく。
2014/8/30 18:37 [1498-1078]

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---|---|---|---|
すき屋のまぜのっけ朝食 | 画面中央にチラリと風車群が見える | こんな風車群が見たかった(過去の写真) | マジでこういうのが見たかった(過去の写真) |
3日目 8月14日
朝5時起床。
まさかの「寒さ」で目覚める。
タオルケット一枚で充分かと思いきや、毛布も必要だったか。
この地域の朝晩の冷え込みは真夏とは思えない涼しさであった。
いちおう、空が白けて辺りはぼんやりと明るくなっていた。
準備して出発していいだろう。
それにしても、よく寝た。6時間はきっちり寝たな。
体調もいい感じだ。
ジーンズとTシャツに着替え、車内のカーテンをしまい、数分ではあるが
クルマの5つのドアを全開にした。
こうすることで車内の寝息や発汗による湿気を発散できるのだ。
やるとやらないでは大違い。
準備を整え、出発する。
すぐにむつ市街地に入ったので、ナビですき屋を検索し、朝食にした。
まぜのっけ朝食。ごはん、味噌汁、プチ牛皿、温泉卵、オクラ、かつおぶし。
これだけあって302円。素晴らしいCPである。
マックでソーセジマフィンとチキンクリスプマフィンを食べてもいいのだが
パワーをつけるという勝負では、ダントツにすき屋に軍配があがる。
しばらくのカロリーを蓄えると、改めて出発した。
むつ市街を東に走ると、国道338号に突入する。
樹海のような、原生林の生い茂る道を進むと、やがて海に出た。
ここからしばらく左手に太平洋、という海岸線を走るルートとなる。
ちなみに少し北上すると、日本一の砂丘「猿ヶ森砂丘」があるが、残念ながら
そこは観光地ではない。防衛庁が管轄する土地だ。自衛隊の弾道試験場の
敷地となっているため、一般人の立入りは禁止されているのである。
そういう理由で、砂丘日本一は鳥取砂丘であるという認識が広まっている。
そんなわけでのぼるはその砂丘はガン無視して進んだ。
のぼるの見立てでは、この道路沿いに風車がたくさん立ち並び、目の保養が
できるはずなのだ。
風車、それは旅する者のロマン。
それがあるだけで風景がより楽しめる。
「風の通り道」が目に見えるようなもの。回っている風車を見るだけで
ナンボか気温が下って涼しく感じるのだ。
発電という大切なファクターもあるのだろうが、景色としての風車は
その土地として素晴らしいインパクトをも与えることができる。
旅をラーメンと例えるならば、風車はチャーシューに該当するだろう。
曲がり角を過ぎた瞬間、巨大な風車に出合った感動は、気付かずに沈んだ
チャーシューがレンゲで偶然サルベージされたときの感動に等しい。
そのはずだった。
その感動が間違いなくこの道路に存在するはずだった。
だが、のぼるの予想はものの見事に大ハズレした。
行けども行けども、風車群はどこにも無かった。
六ヶ所村のウインドファームは確かに内陸にあったものだが、元来風車は
海岸線沿いに建てるのが常識。ならば、その常識に従えば海沿いの道にも
たくさん風車が建っている、そう思うべよ。
その六ヶ所村に突入しても、状況は変わらなかった。
やや小ぶりの湖が点在していて走っていて楽しい地域ではあるが、
風車はまるで無い。チラっと見えても、山間部の遠いところにしか見えない。
がっかりだぁー。
予定であれば、いたるところに点在しているはずの風車群をバックに
たくさんの写真を撮りまくっていただろうに、それがまるで無いとなると
もはや全てを素通りし距離だけを稼ぐだけの道路となってしまった。
まぁ、この道は風車を抜きに考えると、車通りが少なく、表通りのはまなす
ラインの裏道として非常に有効な道路として使える。
太平洋側から大間岬へ向かうのであれば、この道路はかなり有用だ。
気付くと、下北半島の根元を通り過ぎ、三沢市に入った。
三沢、華やかな航空自衛隊の基地があるところで有名。
ちなみに三沢空港は航空自衛隊だけでなく、米空軍、さらに民間の飛行場も
同時に兼ね備えているという、非常に特殊な航空基地なのだ。
小休止で入ったサークルKの入口にも三沢航空自衛隊の航空ショーの
ポスターが堂々と貼られていた。
男の子はこういう飛行機系の基地などがあると鼻血流して興奮するものだが、
今ののぼるは風車がほとんど見られなかったというショックでいっぱいだった。
道の駅 みさわにトイレ休憩で立ち寄ったが、妙な眠気に襲われてしまい
そこの駐車場で30分ほど仮眠するハメになった。
2014/8/31 21:04 [1498-1082]

2014/9/3 00:22 [1498-1104] 削除

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道の駅 みさわ | 海の見える芝生の公園 | スズキ理容のガンダム群 | ガンダムカット・・・だと・・・? |
サッカーの格言でこんな言葉がある。
「点を取ろうという想いが強いやつのところにボールは寄ってくる」
ゴール前の混戦、ふとしたこぼれ玉が点取り屋の前に転がってきて
漁夫の利シュートになる、ということもあながち偶然ではないということだ。
同じことが旅にもいえる。
のぼるが「風車群にめぐり合いたい」と強く願っていればそういう風景に
めぐり合えるのは、必然ではないのか。
そう信じていたのに、なぜ風車群はのぼるの通り道に無かったのか。
なぜだ!?
「ボウヤだからさ」
謎の回答が脳裏に浮かび、目覚める。
くそう、悪夢かよ。
道の駅 みさわはまだ早朝のため店も開いていない。
人もまばらで、今のところ何するところでもない。
外に出て軽くストレッチ体操をして、また走り出した。
再び海岸線沿いを走ると、きっちり管理された芝生のある公園があった。
海の見える芝生の公園。そこに親子連れが子供の柴犬と遊んでいる。
おや、朝早くから楽しそうですな。
なんだかとても絵になる風景だ。
そうだな。風車はなくても、こんな素敵な景色はたくさんあるのだ。
こだわりは捨て、楽にいこうではないか。
気をとりなおしてまた走る。
そういえばかれこれ自宅から800kmを走ってきたが、燃料がそろそろ
心配になりかけてきた。
インフォメーションディスプレイを切り替えると、あとどれくらい
走行できるか、という残走行距離が表示されるが、それによると
残りは200kmに満たない。
なんとか無給油で1000kmの壁を突破してみたいのだが、無理かもしれない。
どこかで給油しないとならない。
そう思っていたところ、突然それは現れた。
民家の立ち並ぶストリートを走っていたら、モビルスーツ群がいきなり
目の前に見えた。
2メートルほどの大きさのモビルスーツが数体、床屋の駐車場を
占拠しているのだ。
ガンダム、ザク、ズゴック、はたまたホワイトベースも。
縮尺はバラバラだが、素人が作ったにしてはプロポーションがいい。
「なん・・・だと・・・!」
思わず急ブレーキ、そしてUターンし、ガン見する。
その床屋の店名は「スズキ理容」
床屋の店主が近所の子供のリクエストにこたえて作ったらしい。
店のガラスには「ガンダムカット」なる文字が。
ガンダムカットとは何か。謎が謎を呼ぶ。
アムロの髪型を意図的に巻き上げるのか?
アムロのあのちり毛を再現できるというのか。それはそれですごいな。
セイラさんのポリゴンっぽい髪型も捨てがたいが、やはりここは
ハマーン様のヘアスタイルにしてほしいものだ。
放映当時は「不良になった中年ミンキーモモ」って言われてたっけな。
そういえば、新潟市の南区にも等身大の仮面ライダーを店先に飾っている
床屋があったっけ。
床屋ってなんなんだ。副業でフィギュア作りでもやってんのか。
・・・そんなことはどうでもいい。
先を急ごう。
2014/9/3 00:25 [1498-1107]

田畑が広々と続く、いわば新潟の平野部のような風景が続く。
単調な景色が続くので、ここらでひとつ、このフィット3のナビゲーションの
特徴を説明しよう。
のぼるのフィットのナビはパナソニックのCN-R300Dという機種だ。
基本を押さえ比較的使いやすく精度の高いナビだと思う。
ただし、ちょっと音楽や映像の再生や管理方法に不満がある。
再生可能な拡張子の種類が少ないとか、MP3再生時のタグ表示が貧弱だとか
再生順がファイル名五十音順かランダムかの二択しかない、など悪いところを
挙げればキリがない。
だが、面白いところといえば、オプション「フロントインフォディスプレイ」
という映像投影装置を装備できる点だ。
宇宙戦艦ヤマトの波動砲発射の際に古代進の前方に出る「ターゲットスコープ」
そっくりなものだ。
最新の投影技術により、そこに簡易ナビとして目的地の方向と距離、
到着予想時刻、現在時刻、状況に応じた注意喚起メッセージなどが
そこに表示される。
運転席正面のダッシュボード上に設置され、その表示ウインドウは
視線移動がほとんど不要なのでかなり事故防止になる。
物理的な装置がそこにあるので若干の視界を遮ることにはなるが、
慣れればぜんぜん気にならなくなる。
スマホとの連携もなかなか秀逸にできており、スマホの専用アプリで
目的地を登録しておけば、クルマに乗ったときに自動的にその
情報がナビに無線で送られ、ナビで目的地が登録される。
なかなか使えるアプリだ。
ただし、アプリ上に出てくる娘が可愛くない。重要な不満だ。
もっと萌え化しないと納得できん。ユーザーなめんな。
そんなところだ。
走りながら、のぼるは第一の目的地である宮古市までの情報をフロント
インフォディスプレイで確認した。
目的地までの距離120km、到着予想時刻13:00。
むむ、もっと早く到着しないと夕方に遠野とか無理だ。
ならば、最短で行ける道をリルートするんだ。
ナビのルート条件で有料道路利用する、をONにしてリルートする。
すると八戸自動車道で途中まで進み、内陸の道路を進むルートが案内され
到着予想は11:45と表示された。
よし、これでいけるな。
すぐに下田百石インターチェンジがあり、そこから高速に乗った。
久しぶりにフィットのクルーズコントロールをオンにする。
アクセルを踏まなくても一定のスピードで巡航できる優れもの。
これこそフィット3ハイブリッドの必殺技その2「クルコン」だ。
あ、いや。べつにこのクルマ特有のものじゃないか。
またしても単調な景色が続くが、のぼるの心の中は本日の昼食に予定している
ウニ丼のことで頭がいっぱいだった。
岩手・三陸海岸で上がるウニは,6月からこのお盆の時期あたりが最盛期で、
ムラサキウニと呼ばれるものできめの細かい、繊細な味が特徴。
しかも宮古市街地ではミョウバンに漬けない「生ウニ丼」を提供してくれる
お店が多くて評判高いとのこと。
これは期待できそうだ。
最後に食べたウニ丼は、3年前、仲間と一緒に行った、津軽半島のてっぺん
「竜飛岬」のさらに先端にある「津軽海峡亭」のウニ丼だった。
文句なしにうまかった。
店はボロだが味はピカイチ。
いままで食べた中でいちばん美味しいと思ったのは、北海道の小樽の西にある
余市で食べたウニ丼だった。
朝開店と同時に店内に入って食べた。
めちゃくちゃ新鮮で、生臭さ一切なし。バフンウニの濃厚な味わいが満喫できた。
やばい。ウニ丼が食べたくてたまらなくなってきた。
うに うに うには岩手のうに うに (うにうにうに・・・)
うに うに うには宮古のうに うに (うにうにうに・・・)
このどんぶりに 萌えるウニを乗せて ウニは貴方を見つめてる♪
(春助クーン だーいすき♪)
春助って誰だよ。
マイナーすぎて誰もわかんねーよ。
2014/9/4 00:01 [1498-1120]

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---|---|---|
国道340の様子 | ウニの店 魚彩亭すみよし | メニュー |
九戸インターを降り、ここから下道となる。
R340を道なりにトレースしていけば宮古市へダイレクトだ。
とはいえ、まだ残り100kmはある。がんばって走ろう。
山間部の3桁国道というと、四国で走ったR193のトラウマがある。
あの酷道は、四国の方には悪いけど人生生きてきた中で最悪な道だった。
その悪夢が蘇り、かなりビビっていたが、このR340はとりあえず
きっちり整備された道のようで安心した。
そういえば給油するのをすっかり忘れていた。
走行可能距離はあと80km。
宮古市街での給油は無理なので、この道のどこかで入れるしかない。
そう思いながらしばらく走る。
馬淵川という、イワナでも釣れそうなきれいな沢が右、橋を渡って左。
なかなか変化に富んでいるステキロードじゃないか。
空は快晴、小川のほとりの緑生い茂る影でマイナスイオンたっぷりの
道路を進む。
この道をメインストリートにした集落があり、ちょうどいいタイミングで
エネオスのガソリンスタンドがあったので迷わずそこへ入った。
カード支払いでレギュラー特盛ね。
「いらっしゃいませー、窓拭いてもよろしいでしょうか?」
おねがいしまーす。
「ドアミラーも拭いていいですか?」
だめー。親水ミラーは拭くと効果が薄れるのだ。
トイレも済ませ、さっぱりしたところで再び出発した。
リッター169円だって。うおお、復興価格か? たっかー。
しばらく進み、宮古市に突入した。
むろん、市に入っただけで市街地はまだまだ先だ。
閉伊川(へいがわ)の脇道を走る。この川の下流に宮古の街がある。
ところが、ここから大渋滞がはじまった。
自転車のほうがぜったい早いと断言すらできるノロノロ運転、前方は
はるか彼方まで延々とクルマが続いていた。
対向車も渋滞となり、辺りはあたかも車種フリーのメジャーな
自動車オフ会イベントのような賑わいをみせていた。
ときおり見えるコンビニでは、渋滞に我慢できない子供らがワンボックスカー
から降りてストレッチ体操などをしていた。
あー。休憩したい。トイレ行きたい。はらへったー。ねむてー。
だんだん意識が朦朧としてくるが、ここで休憩しても渋滞が無くなるわけではない。
フリスクを2粒ほど口に放り投げ、先を進む。
非常にもどかしいロスを強いられながら、なんとか市街地へたどり着いた。
渋滞もこのへんから分散されていき、ようやくスムーズに走れるようになった。
ウニ丼の食堂は、JR宮古駅すぐそば。
そうなると駐車場は無い。店の付近にちょうどいい駐車場があれば良いのだが。
ふと見ると、キャトル宮古という地元のデパートがあり、その無料駐車場が
ガラガラに空いていたので、そこに停めさせてもらうことにした。
ちょうど12時前の到着であった。
宮古というと東日本震災で被害にあった都市だとニュースでよく聞いていたが
駅前周辺を見る限り、特にダメージというダメージは見当たらなかった。
人通りもたくさんあり、商店街の軒先にはお盆グッズが並んで売られていた。
歩いて駅前まで行くと、店はすぐにわかった。
「魚彩亭すみよし」という順和風の食堂。
玄関を入るとたくさんの客でにぎわっており、2人の女中さんが厨房とホールを
行ったり来たりしていた。
やがてのぼるの存在に気付くと、外の景色を楽しめるカウンターに案内された。
「生ウニ丼ひとつお願いします」
間髪いれずに注文した。
メニューには「宮古産 生ウニ丼 2800円」といちばん上部に堂々と書かれていた。
これだ。これが食べたいんだ。
他のメニューに「三陸丼(うに いくら ほたて)」などバラエティに富んだ
どんぶりがあったが、あえてウニ一色にこだわる。
ロン! ウニ字一色! 数え役満だろ。
2014/9/5 00:14 [1498-1130]

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見よ、驚愕の大盛り生ウニ丼! | 日帰り温泉 湯ったり館 |
「はい、おまちどうさまでした」
待つこと15分、ちょうどパズドラのスタミナが切れたタイミングでウニ丼が
運ばれてきた。
どんっ!
ワンピースの初期の大ゴマでよくある擬音が脳内で聞こえた。
これは、すごい。鮮やかなオレンジベージュのウニがこれでもか、と
どんぶりに盛られ、その下のごはんが見えない。
しかもカニのむき身一本のおまけ付き。
おおおおお・・・食べたい。はやく食べたい。
焦る気持ちを落ち着かせながら、食べるためのセッティングをする。
わさびを小皿に取り除き、必要分だけ醤油で溶く。
それを割箸の先端で丁寧にウニの表面に塗る。
全体的に、まんべんなく。
まずは、ひとつまみ、ウニをすくって食べてみる。
舌の上でとろりととろけ、上品な風味が広がる。
薄口の醤油とわさびも丁度いい感じでウニワールドを広げている。
味わってみると、確かに北海道の濃厚なウニとは違う。
だが、水っぽいとか薄味というわけではない。
繊細さが際立った、じっくり味わうタイプのウニなのだ。
ウニの下にもぐっているごはんも一緒にかっこむ。
酢飯ではない、通常の白米。それゆえに誤魔化しなど一切なし。
シンプルイズベストとはこのことか。
アウトオブ眼中とは清次のことか。
あぁ、数年ぶりのウニ。
この宮古の地へ来てよかった。ほんとうによかった。
これ以上ワシを泣かさんといてや〜。
気付くとどんぶりはすっからかん。
あれ。カニのむき身っていつ食べたっけ。
「女将! 私のカニを食べた者は誰か! 名乗り出よ!」
またも海原雄山のようにキレたくなる。人のせいにすんな。
支払いを済ませ、外に出ようとすると、いつのまにか入口に5〜6人ほどの
待ち行列ができていた。
こうなる前に食べれてよかった。
これ見よがしにウニの香りのするゲップでもしてあげようかと思ったが
たぶん袋叩きにされてしまうだろうからやめておいた。
なんで満腹になると性格が悪くなるかな。
さあ、うまいウニを食べたなら、次に進もう。
次の目的地は遠野。クロッチーさんとのプチオフ会場。約束の地だ。
クルマに戻り、ナビで「道の駅 遠野」を検索する。
到着予想時刻は15:00か。
それならば1時間をどこかの温泉でのんびり浸かり、それから16:00に
現地で合流とすればちょうどいいかもしれない。
そう思い、とりあえず出発。
閉伊川を上流に向かって戻る。
また渋滞してるのか、と思ったが昼からはスムーズに流れていた。
ふと川沿いに「←日帰り温泉 湯ったり館」という看板が見えた。
おおっと、いいタイミングで温泉発見。
さっそくその施設へ向かう。
閉伊川の橋を渡り、小高い丘にその温泉はあった。
同じ敷地にオートキャンプ場もあり、キャンパーにとっては非常に
ありがたい温泉施設だといえよう。
入場料510円を払い、館内に入る。
小奇麗な施設で広々とした休憩室もあり、ゆったりとくつろげそうだ。
さっそく温泉に浸かる。
露天風呂は無く内湯のみではあるが、湯はサラサラと肌を流れすべすべに
なる感じが気持ちいい。
湯からあがり、休憩室で一息つく。
お盆の時期だというのに他の客が少ないのが何故だろう。
とりあえずいまのところ時間通りにスケジュールをこなしているので
クロッチーさんに「16時に道の駅 遠野に到着予定」を書き込んでおいた。
あとは、行くのみだ。
2014/9/6 11:43 [1498-1148]

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峠にさしかかる前の平和な道 |
クルマに戻って再び出発する。
ここから遠野までは約1時間くらいかかるようだが、途中峠道があるらしく
ふたたび3桁国道の悪夢が脳裏をよぎる。
緩やかなワインディングロードを右に左にスイスイ走る。
おお、なかなか快適な道じゃないか。これなら遠野までひとっとびかな。
・・・などと思っていたら、だんだんと険しいカーブの続く峠道に突入。
S字コーナーでハンドルの切り返しが忙しくなる。
ふと、バックミラーに映る影が。
後方より接近する物体を確認。クルマのようだ。
のぼるのスピードより若干速く、徐々にその距離が縮まっていく。
そして、その車体が判別できる距離にまできた。
ケロロ軍曹のようなあのフェイス・・・トヨタのアクアか!
同じハイブリッドカーであるプリウスの小型版ともいえるアクア。
現状においてフィット3ハイブリッド最大のライバルといってもいい。
しかもオレンジ色だ。
トヨタのドラえもんCMでのび太の(想像上の)クルマであることから
オレンジ色のアクアに限り「のび太カー」とも呼ばれる。
そのライバル車、しかものび太カーにジリジリと距離を詰められるのは
なんだか屈辱的な気がしてきた。
単にのぼるがトロいだけなのだが(笑)
通常ならば早そうなクルマは先を譲ったりするところではあるが、
こればっかりは譲れない。
本気でいくぜ! 本気と書いてガチと読むっ! 女と書いておまえと読むっ!
E−CONボタンを押し、省燃費モードを解除。
フィット3の化けの皮を一枚はがす。
「ブースト・オン!」
Sボタンを押し、加速重視スポーツ走行ができるSモードに突入。
フィット3も化けの皮2枚目。
「上等じゃねーか、コーナー2個も抜けりゃバックミラーから消してみせるぜ!」
ここから更に本気モード。
ハンドルの裏側にあるパドルシフトをポンポンと2回引く。
エンジンが甲高く吼え、エンジンブレーキがかかると高回転状態で
コーナーへ突入する。
これがフィット3のSパッケージとRSグレードだけに搭載された奥の手
「パドルシフト」である。
Sモードと合わせるとスポーツ走行時にマニュアル運転ができるような
ものなので、やや反則ぎみな装置ともいえるかもしれない。
これが化けの皮3枚目。
シフトノブを後ろに引いてLギヤモードにすれば化けの皮4枚目となるが
そこまではさすがにしない。
自分のクルマではあるが、どれだけの限界性能があるのかわからない。
加速だけならインプより上とかゼロから100km/hまで7秒切るとかいわれてるが
アクセルべた踏みとか怖くてできん。
バックミラーを確認すると、のび太カーはもう見えなくなっていた。
「ふん。のび太のくせに生意気なんだよ」
いや、それ違うから。運転手はのび太じゃないから。
そんな感じで峠を攻め、やがて遠野の街に到着した。
すっかり夢中になって走ってたら、燃費ががっくりと落ちてしまった。
やはりSモードは諸刃の剣、タイヤもさぞ減ってしまったことだろう。
だがそのかわり現在15:30、少し余裕ができた。
少し大きめのスタンドを見つけ、そこで洗車することにした。
せっかくオフ会でクルマを見せ合うのに、自分のだけ汚れてたらイヤだからね。
自動洗車機があったが、アンテナがブレード型の特別仕様のものでおいそれと
外せるものでなくちょいと面倒なので、自分で洗う洗車場でやることにした。
コイン投入口に500円を入れると、ホースから高圧の水が出る。
まずはクルマ全体を水洗い。
それが終わると泡状のシャンプーが勢いよく出る。
それが終わると、しばらく何も出なくなるので、スポンジを使って
車体やアルミなどの細かい汚れやこびりついた虫の死骸などを丁寧に除去。
そして再び高圧の水ですすぎ洗い。
最後にエア噴射で水気を飛ばす。以上だ。
15分ほどの洗車ではあったが、まあまあキレイになった。
よし、もうすぐ約束の時間だ。
街外れの「道の駅 遠野」へ向かう。
2014/9/7 15:33 [1498-1184]

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Kさんのフィット3 |
それにしてもクロッチーさんという方はどのような人なのだろうか。
ネットの書き込みに貼り付ける顔アイコンだと少し年上の女性、
書き込み内容を見ると既婚者のようだ。
だが、それはあくまでイメージでしかない。
実際会ったら年下で、しかも性別までも違ったという話は
オフラインミーティングでは日常茶飯事だ。
ま、これに関しては考えたところで結論は出ない。
実際に会うことでしか明確な回答は得られないのだ。
16:00時間ぴったりに道の駅に到着した。
駐車場は非常に混んでおり、クルマの停める場所に苦労しそうだ。
というかアリの巣のような飽和状態のクルマの中からクロッチーさんの
フィット3を探し出すのって、けっこう大変そう。
さいきんフィット3はたくさん見かけ、ここでも数台停まっていた。
その中で、のぼるのフィットをじっと見つめるフィット3オーナーがいた。
白のフィット3の運転席に座っている男性だ。
男性? クロッチーさんは女性かと思っていたが、男性だったのか。
駐車場は混んではいたが、運よくその白フィットの隣に停めることができた。
運転席から出ると、彼も外に出てきた。
のぼるより少し年上でがっしりとした体格をしている。
「はじめまして、クロッチーさんですね。私は・・・」
「いえ、私はクロッチーさんではありませんよ」
え?
「私はK(ケイ)といいます。秋田からのぼるさんを追ってここへ来ました」
は?
意味がわからない。
Kさんというハンドルネームもネットでは見たことがない。
どういうことか、詳しい話を聞く。
一昨日のぼるが出発し、秋田の「道の駅 岩城」で車中泊している、という事を
掲示板で知ったKさんは、翌朝の7時にのぼるに会いにそこへ向かった。
しかし、のぼるはそれよりも早く出発していたため、会うことはできなかった。
その後、本日の16時にこの「道の駅 遠野」に行く、という掲示板の書き込みを
見て、なんと秋田の海っぺりからこの岩手まで走ってきた、ということなのだった。
秋田の岩城から岩手のこの遠野まで200km近くもあるんじゃないか。
なぜそんな苦労をしてまでのぼるに会おうとしたのか。
「いやぁ、隠れファンなんで」
とあっさりと言う。
のぼるはフィット3のネット掲示板でいろんな意見を出して情報共有の意義を
高めたり、荒らしやネガなどの迷惑な輩を徹底的に論破したり、ネットでは
飽き足らず栃木や長野でオフ会を企画・運営などしてこのクルマとオーナーを
盛り上げる活動をしている。
だが、ネット荒らしに対しては相手の神経を逆撫でするようなネチっとした
書き方を意図的にしていることもあり、時として同じフィットオーナーから
厳しい批判を浴びることもあったりする。
このため、同じフィットオーナーから好意的に思われていないのでは、と
思っていたのだが、Kさんは掲示板を見るだけで書き込みはしない派で
ありながらものぼるのそういった書きっぷりに感心し、ファンになったのだと
いうのだ。
それは確かにすげえ嬉しいし、この上なく光栄に思うが、だからといって
秋田から岩手まで追いかけてくるなんて普通しないだろう・・・
そこまでする価値がのぼるにあるというのか。いや、それはない(断言)
「クロッチーさんは近くにいますので、呼んできますね」
Kさんはそう言うと、道の駅の土産物売場の建物へ入っていった。
ほどなくすると、Kさんが2人の方を連れて出てきた。
母親と息子だ。
「はじめまして、私がクロッチーです。今日は息子と一緒に来ました」
はきはきとした喋り方の母親。小柄ながら元気いっぱいのお母さんだ。
「いつもネットでの活躍を見て、陰ながら応援しております」
クロッチーさんもKさん同様に私の隠れファンだという。
なんだろう。いったいなんなんだろう。
いままでの人生で老若男女問わずこんなにモテたことは初めてだ。
ならば何故、何故恋人ができないのか。
何故だ!
ボウヤだからさ。
またも幻聴が聞こえる。
くそっ シャアルプリめ。許さん。
「これね、私からの差し入れ。遠慮しないで持ってって」
クロッチーさんはそう言うと、クーラーバッグの中を開けた。
ビール、トマトジュース、二日酔いドリンク、ウィダーインゼリー、そして
トマトと桃。さらにはたくさんのパン。
なんとありがたい。旅の間の朝食と間食が完璧に解決された。
お互いのクルマを見せ合う。
クロッチーさんのフィット3は4WDのSパッケージ。フィット3の中で
もっとも高額なグレードだ。それを基に、個人でできるDIYをコツコツと
やって、いろいろカスタマイズしているらしいが、今度はエクステリアを
エアロで固めてみたい、と目をキラキラしながら話していた。
Kさんのフィット3は2WDではあるが、そうとう乗り込んでいる。
発売してすぐに買って乗り始め、すでに3万キロの距離を越えているという。
仕事や家庭の事情で、毎日のようにいろんな場所へ行かなくてはならんとの事。
そう思わせないほどクルマがピカピカに輝いていたのは、なによりこのクルマを
大切にしてる証拠だ。
今回秋田から岩手まで来たのは、そんなふうに長距離を乗りなれているからこそ
だったのかもしれない。
2014/9/8 18:53 [1498-1194]

ここからが、のぼるにとって本題。
実をいうと、クロッチーさんとKさんは、東日本震災の被災者であるという。
あの震災の影響で、それまで住んでいた地を離れ、別なところで住まいを
構えなければならなくなったのだ。
あれから数年経つが、その生活に「苦労」はきっと毎日のようについて
まわっていることと思う。
それを少し差し置いて、今日この場、のぼるに会いに来てくれたというのだ。
その事実を思うと、この上なく胸が熱くなる。
実をいうと、この旅をする数ヶ月前、のぼるはネットの掲示板で
「フィット3を災害時にどう役立てるか」というスレッドを立上げ
大炎上して3日で運営に削除された、という苦い過去があった。
避難時にや避難生活におけるフィット3の使い方なんかを討論し、
防災の観点から役立つスレッドになれば、と思ったのだが、
それとは裏腹な事態になる。
「避難時にクルマなんて乗るな」「フィットなんて救助において何の
役にもたたねーよ」「助けに来るのにクルマ乗ってくるな」
などと妙なとらえ方をする人が続出、肯定的な意見の方もたくさんいたが
否定的な意見もかなり多く、掲示板は瞬く間に大混乱となってしまった。
その否定的な人の中には被災経験を有する方が多く、このスレッドを
立ち上げたことでもしかしたら心の傷をえぐるような真似をしてしまったの
だろうか、と深く反省したものだ。
そんな経緯もあって、のぼるは被災者には嫌われている、という固定観念が
きっちりと植え込まれていたのだが、今日このとき、それは払拭された。
東北各県で被災された方の中で、掲示板書き込みをしたことない、読むだけの
人の中にも、もしかしたら私に賛同してくれている人が多くいるかもしれない。
クロッチーさんとKさんは氷山の一角(失礼?)で、水面下にはたくさんの
隠れファンがいるのかもしれない。
そう思うと、今後も悪いことはできないな、と心に誓うのであった。
お二人に何もお礼ができるものを準備していなかったが、せめてと思い
小説の登場人物のキャラを画用紙に描いてプレゼントした。
自分の絵がこんなに有難がられるのは、生まれて初めてだった。
「今日はどこで車中泊するの?」
クロッチーさんにそう聞かれた。
実はぜんぜんこれからのことは決めていないが、もう一度太平洋の海側へ
向かい、気仙沼のあたりでコインランドリーを探しながらそのへんで
車中泊すればいいか、と思う。
クロッチーさんはそう聞くと、ここから気仙沼までのルートを説明してくれた。
親切な方だなぁ。
お互いまだまだ話足りない部分がありつつも、クロッチーさんは主婦であり
母親でもある故に、日没前には帰宅しなければならない。
名残惜しくものぼると別れ、息子と家路へ向かっていった。
ロクに息子さんとお話もお礼もできず申し訳なかったと思う。
Kさんも今日のうちに秋田の家へ戻り、明日は関東方面へ向かうとの事で
帰っていった。あちこち飛び回る忙しい人なんだなぁ。
その合間を縫って、会いに来てくれて嬉しかった。
こうして、夕暮れとともに東北プチオフは終わりとなった。
お二人とも「のぼるさんに会えてよかった」と言ってくれてはいたが、
内心、救われたのは自分のほうだ。と思った。
あかね色に染まる遠野の鮮やかな夕焼け。
これからすぐに陽が暮れてしまう。早めに行動しよう。
素敵な思い出を残し、遠野をあとにした。
遠野の街で早めの夕食にしてもよかったのだが、気仙沼方面へ向かいながら
食べたいものを考えて店を選ぼうと思っていた。
それがこれからの失敗に繋がっていくのであった。
2014/9/9 18:19 [1498-1210]

日が暮れた。
ナビで食堂やレストランを検索するのも飽きたので、走っている途中で
うまそうな店があればそこで夕食にすることにした。
だが、だんだん人気のないところになっていく。
外灯もまばら、なにやらプレハブの建物や不自然な集合住宅をあちこちに
見かけるようになった。
ナビでその先を見てみる。
この国道340号の先は、陸前高田。
そう、東日本震災で大打撃を受けた都市だ。
このプレハブや不自然な集合住宅は仮設住宅・復興公営住宅なのだろう。
この地点から陸前高田まではまだ10キロ以上はある。
そんなに離れたところに仮設住宅を作るとか、災害の規模の桁が違う。
ただ、ひっそりとしているわけではなかった。
あちこちにコンビニはあるしきっちり明かりのあるショッピングセンターも
営業している。
そういう買物のできる場の横などに食堂があった。
プレハブの仮商店だが、とんかつ定食やラーメンなどが食べられるようだ。
店の売上になって、きちんとした建物が少しでも早く建てられるようにと思い、
そこで食べることにした。
その店の駐車場へたどり着くまでもひどいデコボコの砂利道。
駐車場もラインが引いているわけでなし。
そんな親切ができる余裕など微塵もないのだ。
だが、文句などない。懸命に復興してる場でそこに無い便利を求めるなど
我侭以外の何者でもない。
店に入ると、きしむベニヤ板の床、仕切られてないテーブルが7つほどあり、
全部客で埋まっていた。
一人客、とんかつ定食希望との旨を店主に言ったところ、疲れきった顔で
「すまないが、満員でいつ提供できるかわからん。諦めてもらえるか」
とズバっと言われた。
これが何の被災もしてない街の食堂の対応ならば、ムカついて地団駄を
踏むところだろうが、ここはそういうところとは違う。
ここに避難してきた人は命がけだったのだ。
多くの避難者は、家族や知り合いを失ってしまった人もいるだろう。
そう思うと、二つ返事で従うしかなかった。
ここで店主のためになるのだとしたら、文句も言わず邪魔にならないよう
さっさと店を出ることだ。
仕方なく先に進む。
とりあえずコンビニだけは点在しているので、最後の手段はそこに逃げ込むことは
できるが、まだその手段をとるには時間が早い。
もうちょっと先に行こうではないか。
陸前高田の街(があったらしき平野部)に到着した。
夜で外灯があまりないので、いったいなにがどうなっているのかよくわからないが、
とりあえず、民家がなにもない。
交差点にコンビニの光はあるが、クルマは一台も停まっていない。
そして、見上げると大きくて長いベルトコンベアがたくさん設置されている。
いったいこのコンベアは何なのだろう。
のぼるはそれが何なのか知っていた。
クロッチーさんから教えてもらっていた知識なのだが、これは「土」を運んでいる
だけなのだ。
空前の地震、そして津波により陸前高田の地盤は数メートル沈下した。
その状態で復興したとしてまた同じレベルの津波がきたら、被害は同じどころか
拡大するわけだ。
なので、街全体のかさを上げてやらないと復興が始まらない。
このコンベア群はその土を運んでいるのだ。
いつかさ上げが終わるのかもわからないが、ここはそういう意味で
復興が終わるどころか始まってもいない。
震災から3年経つのに、だ。
避難している人に非常に申し訳ないことを書くが、どうか許してほしい。
素直に「怖い」と思った。
細い橋のような無人のコンベアがいくつも横切る夜空、対向車ほとんど無し、
人の気配がまるでない。
この雰囲気は怖すぎる。
いつかこの街が活気あふれる街になり、復興を遂げられることを願いながら
走り続けた。
2014/9/16 23:48 [1498-1331]

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---|---|
夕食の鶏肉チリソース定食 | 大トロ刺身 |
漆黒の海沿いをしばらく走る。
海岸線は壊滅的なダメージを受けていたかと思っていたが、小高い丘の上の
レストランなどは特に被害を受けた様子もなく、震災前からの建物で
リフォーム等もせずに営業していた。
わぁーい、とそのレストランに突入するも、21時で閉店のためオーダーストップ
されており、入店不可。
なんてこったい自衛隊。
ナビの地図を見ると、もうすこし進めば気仙沼の市街地になる。
そこへ行けば、間違いなく何か食べるところはあるはずだ。
気仙沼は大きな都市だからコインランドリーもあるだろう。
ナビで検索すると何件がヒット。
いちばん近いところをルート案内させ、そのルート上の食堂を探すことにした。
ラーメン、海鮮系どんぶりはパス。
それ以外となると、ふつうの定食や中華、洋食なんかがあるといいな。
ステーキや焼肉もいいけど、まぐろとウニで豪遊しっぱなしなので
すこし倹約しないとなるまい。
街の明かりがあふれる気仙沼市街。希望の店もありそうな気配がした。
間もなく目的地であるコインランドリーに到着しそうなところで
「中華家かいか」という中華系食堂があった。
速攻でそこに入りたいという逸る気持ちをおさえ、まずはコインランドリーを
目指す。
洗濯をしている待ち時間に食事をするのが時間の節約になるのだ。
などと言っている間にコインランドリーに到着した。
「アクア コインランドリー」という無人ランドリーだ。
なんだ、トヨタサイダーの店か? フィット コインランドリーはないのか?
ともかく、洗濯物をまとめて洗濯機に放り込み、コインを入れてまわす。
コインランドリーの周辺を見ると、道路の向かい側にショッピングセンターが
建っている。これはいいところにいいものがあるではないか。
後で寄って、晩酌のつまみをそこでゲットしよっと。
その場をあとにして、先ほどの中華屋へ向かった。
店内に入ると元気なおねーさんが席に案内してくれた。
「すみません、本日はお盆とあって出来る料理が少ないですが」
とお盆特別メニューを出した。
なるほど、お盆の時期に無理して営業してるから、めんどい料理は可能な限り
パスしたいわけか。まぁ、気持ちはわかる。
お得な定食、と書いてある中でいちばん美味しそうな「鶏肉チリソース定食」を
注文した。
いやはや、まずは一件落着。冷えた水をグイーっと飲む。うめー。
いまは21:30か。夕食を求めて4時間以上も彷徨ってしまったな。
なにやってんだか。
「おまたせしました〜」
15分ほどで料理が運ばれてきた。
ごはん、スープ、おしんこ、そしてメインディッシュである、鶏肉のもも肉を
衣で揚げたものにチリソースがたっぷりとかかった一皿。
おお、うまそう。
ふと見ると、その脇に冷えた何か透明なものが入ったガラスの徳利が置かれている。
まさかお酒のサービス!?
「あは、ちがいますよ。ふつうのお水です〜」
おねーさんが笑いながら説明する。
なんだ、徳利に入ってるからてっきり冷酒かと。
料理は、若干しょっぱめではあったがボリュームもあり、満足だった。
油で揚げたもも肉はパリっとした食感で、そこにからまる甘辛いチリソースが絶妙、
ごはんが進む進む。
この地域も震災の被害がひどかったはずだが、ずいぶん復興が進んでいるようだ。
おねーさんの笑顔が、被災地だからとつい遠慮してしまうのぼるの心を
逆に癒してくれた。
「ごちそうさま、美味しかったです」
お代を払うと、外に出た。腹がようやく落ち着いたな。
アクアに戻ると、洗濯は終わっていた。
今度はそれを乾燥機に突っ込み、コインを入れた。
乾燥が終わるまで、目の前のスーパーでショッピングだ。
閉店が迫っているようで、買い物客はまばらだった。
そういうことなら、惣菜や鮮魚コーナーへ走る。
案の定、半額と書かれたシールが貼られた食品が多数ある。
いまさっき食べたばかりでそんなに腹も減ってないので、うまいもの一品だけを
チョイスすることにして、何がいいか物色する。
こ、これは・・・・!
目の前の鮮魚コーナーの陳列棚に置かれた売れ残りの刺身の中に
ひときわ存在感を浮き立たせているものがあった。
「本まぐろ刺身 大とろ 半額510円」
うお、うまそう。
昨日食べたまぐろ丼よりも量が多くて激安。
これは買いでしょ、と思うよりも早くそれを持ってレジへ向かっていた。
アクアに戻るとタイミングよく乾燥が終わったところだった。
洗濯物を丁寧に畳んで取り込み、出発した。
あとは本日の寝床を探すのみ。
ちょうどいいコンビニか道の駅があるといいなぁ。
2014/9/18 00:24 [1498-1337]

景色が楽しめない夜に走るのはあまりよくないが、明後日の午前中に新潟の
「道の駅 南魚沼」でプチオフ会があるので、明日の夜はそれを逆算した
走行可能距離内で車中泊する必要がある。
ようは、少しでも新潟に近づく必要があるのだ。
だが、体力も限界に近づいてきた。
こりゃダメだ。
田舎道にローソンの光が見える。そこをゴールとしよう。
ラッキーなことに駐車場が広い。
いちばん遠くに位置するポイントに停め、エンジン停止。
ラゲッジルームに移動し、四方のガラスをカーテンで遮光。
そしてリラックスモードに着替え、ネットの掲示板に本日の出来事を
アップロードし、やることを終えた。
あとは先ほど買った本まぐろ大トロの刺身を肴にビールで乾杯だ。
クロッチーさんに戴いたビールをクーラーボックスから取り出した。
素晴らしい、キンキンに冷えているじゃないか。
ノドを鳴らしながら飲む。うわぁ、最高。
大トロをひとつ、わさびと醤油をつけて食べる。うほぉ、極上。
晩酌しながらネットで明日の予定をたててみる。
ふつうに走ると、10時くらいに松島に到着、すこし観光したとしても
仙台にはお昼くらいに到着。昼飯たべたら、あとは内陸を抜けて
山形をスルーしつつ福島と新潟の県境あたりまで行ければ、あとは
なんとかなるだろう。
などと曖昧この上極まりないプランをテキトーにたてる。
それよりも仙台のランチを何にするか、という問題が切実だった。
仙台といえば牛タンが有名ではあるが、近頃流行りのB級グルメなど
何かあるだろう。
いろんなグルメサイトを見てみると、ひとつのキーワードが浮き上がる。
「マーボー焼そば」である。
仙台でいまいちばんホットなB級グルメはマーボー焼そば。
ふむ。
うまそうだな。いいね。久しぶりに中華といこう!
(さっき食べたのも中華だろうが)
スマホのアプリに行き先となる中華食堂を登録しておく。
明日の朝エンジン起動と同時にその情報がナビに転送され、自動で案内開始
されるわけだ。こりゃ便利。
一通りの作業が終了すると、ゴミをまとめ、明かりを消して横になる。
今晩も暑くなく、寝やすい気温だ。
さて、寝るザマス。
セイラ・マス。
「アムロ、聞こえて? あなたならできるわ」
「おだてないでください」
ブタもおだてりゃ木に登る・・・ぷぉ〜♪
アムロ「ヘコー!」
2014/9/18 23:29 [1498-1342]

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---|---|---|---|
車中泊した駐車場 | 松島のメインストリートの大渋滞 | 双観山から見た松島 | 大小たくさんの島が点在する |
3日目 8月15日
朝5時起床。
またも寒さで目覚める。
お盆なのに、もう秋の気配がする。
とりあえずトイレで用をたす。
クルマに戻ると、もうちょっと眠りたいので布団にくるまり、Zzz・・・
「はっ」
二度寝から目覚めると6:30。
まあ、いい時間だ。よし、行動開始だ。
着替え、カーテン収納、全ドア全開、換気。
コンビニでドリップコーヒーを買って、クルマのリヤハッチに腰掛け、
昨日クロッチーさんから戴いた惣菜パンを食べる。
あらびきフランクパン、ポテトサラダパンなど、豪華な朝食になった。
エネルギー充填完了。
さあ、出発だ。
本日のターゲットは宮崎県仙台の松島、仙台市街のマーボ焼そば、午後から
てきとうに内陸を攻めつつ温泉に浸かり、福島の会津らへんを目指す。
あとは出たとこ勝負ってやつだ。
エンジンを起動すると、昨日スマホのアプリに登録されていたマーボ焼そばの店が
クルマのナビに無線で転送され、目的地に設定される。
そこに松島の目的地を寄り道として登録。これでよし。
さらばローソン 旅立つクルマは ホンダスモールカー FIT3♪
宮城の彼方 マーボの店へ 運命背負い 今走りだす♪
マーボ食うのに運命背負うなよ。
マーボというと、麻婆豆腐が最初に思い浮かぶ。
それから麻婆ラーメンや麻婆茄子が想像できるが、いずれにせよマーボ系の
食べ物は大好きである。
辛さとぷるぷる食感の絶妙なバランス、これぞ中華料理の真髄とすら思える。
ただし、真夏にマーボなんて食べると汗がドバっと出る。
熱いものや辛いもの、冷めないあんかけ系などという「汗の出やすい食べ物」の
要素をすべて含んでいるではないか。
天性の汗っかきののぼるはそれを思うと一抹の不安を覚えるのであった。
荒野が広がる南三陸を走る。
東日本震災の津波の被害は太平洋の東北全域から北関東へ及ぶ。
昨日から部分的に沿岸部を走ってきたが、その広さは半端ない。
クルマで走っても走ってもその広大さに、ただただ圧倒されるだけだった。
それを目の前にすると、己の無力さを思い知る以外の感情など、無い。
もうすぐ松島、というところでいきなり道路が大渋滞となった。
さすがは有名な観光名所。朝から道路の混み具合もすごいものだ。
松島とは、一言でいえば小さな島が織り成す見事な景観の名所。
丹後の天橋立、安芸の宮島と並ぶ日本三景のひとつ。
伊達政宗も松尾芭蕉も、この地を訪れてその景観の虜になったという。
その松島も震災で少なからず被害を受けたが、大小多くの島が津波の
威力を弱めたことにより、他に比べて被害は少ないほうだったという。
とはいえ、よく見ると海岸通りの建物やコンクリなどの補修工事が
現在でも行われていた。
遊覧船や土産物売場などがひしめく公園は、予想通りたいへんな人ごみで
その周辺の駐車場はどこも満車だった。
まぁ、空いていたとしてもちょいとクルマを停めるだけで千円以上支払うのは
ちょっと割に合わないのでスルーすることにした。
マーボがその先にあることだしな。
ていうか何歳になっても花より団子というのは少しどうかと思うわ。
丘の上に双観山という湾に突き出た岬があり、そこだと無料駐車ができ、
その頂上の公園から松島の島々が一望できるというので、寄り道してみた。
さきほどの大混雑していた公園とは一転、ここは人も少なく、ひっそりと
静かな公園であった。
個人旅ならばこちらの丘の上の公園がお薦めだろう。
松尾芭蕉がこの地を訪れたとき、あまりに見事な景観で句が思い浮かばず
「松島や ああ松島や 松島や」
と手抜きとも受け取れるような句を詠んだのが有名ではあるが、これは
近代では狂歌師の田原坊の作だったらしい。
さらに、相対性理論の第一人者であるアインシュタインも松島の景観を見るために
この地へ訪れたという実話もある。
駐車場からすこし上り坂を歩き、丘の上に立つ。
すごい。これは本当にすごい。
季語と修飾語を巧みに操る俳諧師でも、宇宙の起源すら解き明かす天才的な
理論物理学者でも、この景観を第三者に伝える術を持ち合わること敵わず。
その意味がとてもよくわかる。
なんと素晴らしい風景。
瀬戸内海の大小の島が織り成す景観地はいろいろあるが、それとはまた違う、
水平線と小島群、そして自分のすぐ近くに伸びる松の木。
たぶん、それがすべてなんだと思う。
「和」の調和、絵としてのバランスの冴えが風景として完璧に備わっているのだ。
あまりの景観に思わずつぶやく。
「松島や ああ松屋 牛丼屋」
バカじゃねーの。
2014/9/21 11:11 [1498-1350]

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---|---|
中国めしや 竹竹 | これがうわさのマーボ焼そば |
先へ進む。
しだいに民家が多くなっていき、道路が広くなっていき、いつのまにか車通りが
激しくなっていった。
宮城県の県庁所在地、仙台市に入ったのだろうということがよくわかる。
仙台はサッカーでも野球でも、非常に強い。
特にサッカーJ1ベガルタ仙台はJ2時代から新潟の宿敵としお互いに
良きライバルとして競い合ってきた。
試合では勝ったり負けたり「こん畜生」とか野次を飛ばしたりすることもあったが、
新潟の中越震災のときには試合前の応援合戦のときに「がんばれ新潟!」と
仙台サポーターからエールをもらったり、東日本震災のときには仙台サポに向かって
「がんばれ仙台!」とエールしあい、励ましあったりした。
だから新潟と仙台はサッカーにおいては、表面上はいがみあって見えるかもだが、
深層部では深い絆で結ばれているのだ。
そんな仙台の食は歴史が深い。
牛タン、笹かまぼこなど、歴史や風土に裏づけされた名物料理というものは
流行に左右されず、常に安定した人気を誇るものだ。
マーボ焼そばは現段階においてまだ歴史が始まったばかりの黎明期。
これから歴史が続くというその創世初期のマーボ焼そばを今食べることは
「オレは当時のマーボ焼そばの味を知ってるけどね!」などと後の時代で
自慢できる裏づけができるわけだ。
いうなれば、AKB48の初期の劇場に足を運んだことのある一握りのファンの
ような「時代を先取りした」ような妙な優越感に浸れるチャンスなのだ。
たかがマーボ焼そばなどと思うなかれ。
自分がこれからの人生を歩む中で、それまでのどんな経験がチャンスに結びつくか
わからないんだから、何にでもチャレンジしていかなきゃね。
マンションや商業ビルなど、背の高い建物が多くなっていく。
このへんが仙台の中心部なのだろう。
JR仙台駅前の人、クルマ、バス、タクシーがごったがえす道をわざわざ
チョイスするナビにイラっとしつつ、目的地の中華屋が近づいてきた。
こんな都市部では、店に駐車場はない、近くのコンビニも停められないだろう。
ならば最初から有料駐車場に停めて、徒歩で行動したほうが早い。
と判断し、1時間200円の駐車場に愛車を停めた。
そこから100メートルほど歩くと、目的地である中華屋はすぐに見つかった。
「中華めしや 竹竹」けっこう有名な店らしく、12時にして満席だった。
「すみません、裏手の入口にまわって席が空くまでお待ちください」
とウエイトレスに裏手へ案内された。
そして店の脇を見ると2台ほど停められる駐車場が。しかも空いている。
なんてこった。ここに停められたんじゃん。200円もったいねー。
のぼるがそこで待っていると次々に他の客がやってきて、気付くと10人ほどの
行列が出来上がった。
宮古のウニ丼のときもそうだったが、のぼるの後から行列ができるのは何故?
「お次にお待ちのお一人様、お待たせいたしました、中へどうぞ」
ウエイトレスに案内され、カウンターに座った。
メニューをすこし見たが、食べるべきものは決まっているんだ。
マーボ焼そばをひとつお願いします。
「かしこまりました。少々お待ちくださいね」
さっと店内を一望する。
4人がけのテーブルが7つほど。そこに座る人のほとんどがマーボ焼そばを
懸命にすすっている。
すごいな、他のメニューもあるのにそんなにマーボ焼そばは人気なのか。
「おまたせしましたー、こちらマーボ焼そばになりますー」
10分ほどで待望のマーボが来た。
センスのよい陶芸の浅い器の上に、マーボ。
箸ですこしかきわけると、内部に麺が見える。
その麺は、いわゆるソース焼きそばではない。ソース味になっていない無味の
状態であった。
なるほど、ソース焼きそばとマーボのコラボではなく、あくまでマーボ味を
前面に押し出す手法か。
麺を一口ぶんすくい、レンゲでマーボをすくい、合体させて食う。
おほっ!
これは面白い。麺はフライパンの上で熱を通され、その最後に押し付けられて
ほんの少し「おこげ」ができた状態になっている。
そのおこげが絶妙な食感を生み出しているのだ。
嫌が応でも麺にからみつくマーボ、その「あん」はマーボ焼そばに合うよう
独自に改良を重ねたらしく、辛さを少し抑えて出汁っぽい味を隠しているように
思えた。
これは、一口食べたらもう箸が止まらない!
ふはーっ
無我夢中で、我に返ったときには完食していた。
ふ。やりおるわ。私の意識を失わせるとは。至高のメニューの一品に考慮しよう。
真夏のクソ暑いときなのに、なぜか汗が一滴も出なかった。
うーん、やるな仙台。優勝した東北楽天のパワーの源を垣間見た気がしたわ。
2014/9/22 18:40 [1498-1355]

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---|---|---|---|
仙台の市街地を抜ける | 秋保温泉 華乃湯 | こんこんと湯が湧き出ている | ステキな露天風呂 |
駐車場に戻って清算したら1時間をすこしオーバーしており400円とられた。
っかやろー! 400円もありゃロイホでパフェ食えたじゃねーか。
などと言ったところで誰も聞いてくれないのでしぶしぶ出発。
仙台の市街地を抜け、今度は内陸の山あいの道を進む。
さあ、がんばって福島県の会津らへんを目指そう。
だが、その前に・・・温泉に入りたい。無性に温泉に入りたい。
車中泊の欠点のひとつ、朝イチに風呂に入れないというポイントは
少し困るときがある。
寝汗をかいたときはもちろん、寝返りをうちまくったあとの乱れた髪とか
シャワーでいいからサっと洗い流してすっきりしたい。
道の駅にコインシャワーとか標準装備してほしいと心から願う。
昼間行くのであれば、やはり温泉に入りたい。
これからだんだんと知っている道に向かうのだから、仙台周辺にある
まだ行ったことのない。入ったことのない温泉に入りたいね。
というわけでナビに近隣の温泉施設を入力しようとした、まさにそのとき。
「秋保温泉 こちら」
という看板が目に入った。
おっと、これはタイムリーな勧誘だ。これはぜひ行かねばなるまい。
誘われるままフラフラと案内に従って走った。
しばらく走ると、山あいの集落に温泉ホテルや旅館が立ち並ぶ、秋保温泉郷に
到着した。
のぼると同じく日帰り入浴をしに来たクルマでかなりごったがえしている。
日帰り温泉施設はもちろん、旅館やホテルでも日帰り入浴をしているところも
あるので、ここは完璧な施設をチョイスして入ろう。
観光案内所を探し、そこのカウンターで日帰り温泉のできる施設一覧を見て
料金とサービス、そして露天風呂の写真から、もっとも良さげな施設を
探し当てる。
日帰り専用の施設は安くて過ごしやすいのは魅力ではあるが、間違いなく
混んでいるだろう。
そうなると、少し高くてもホテルクラスで日帰り入浴ができるところがいい。
というわけで「ホテル華乃湯」をチョイスした。
クルマで3分ほどですぐ到着、かなり豪華なホテルで大きな建物の前には
源泉らしきモニュメントから湯がこんこんと流れ出ている。
ロビーで日帰り入浴の料金900円を支払い、奥へ進む。
受付のおやじに「今日はちょっと混んでいるかもです」と言われたのが気になる。
基本的に露天風呂と内風呂が別々の施設となっており、いちいち着替えながら
入りなおさなければならないのが面倒ではあるが、最初は露天風呂から
入ることにした。
扉を開けると、ふわりと湯気が立つ庭園の露天風呂。
屋根もありながら空の見える開放感あふれる風呂だ。
ていうか誰もいない! のぼるの貸切じゃないか。
キャッホー!
速攻で湯に入る。
すこしぬるめではあるが、長湯するにはちょうどいい湯加減だ。
チョロチョロと流れる湯、外からはアブラゼミの鳴く音。
真夏の湯の醍醐味、風流だねぇ。
の〜んびりと浸かっていると、ようやく他の客が入ってきた。
そのタイミングで今度は内風呂に行くことにした。
いったん服を着て、廊下を渡って内風呂へ。
ここも空いており、3人ほどしかいなかった。
脱衣所を過ぎるとすぐ階段を下り、広々とした内風呂へ。
こちらも熱すぎずぬるすぎず、気持ちいい温度だ。
湯船でのんびりしていると、他の客が出ていってしまい、いよいよ貸切となった。
うわ〜い!
すっかり堪能したのぼるは、ロビーの涼しい縁側でくつろいだ。
純和風の庭園には足湯もあり、誰でも気軽に利用できる。
親子連れがキャッキャ言いながら気持ちよさげに足湯に入っていた。
足湯、気持ちいいんだけどそのあと運転すると一気に眠くなっちゃうんだ。
やはり疲れを癒すには全身浸からないとだね。
2014/9/24 18:48 [1498-1358]

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---|---|---|---|
釜房(かまふさ)ダム | 釜房湖の上を走る | 山形へ向かう道 | 山形突入! |
さて、あまりのんびりもしていられない。
先を急ごう。
クルマに戻り、荷物をまとめてエンジンをかけ、エアコンを入れる。
ここで汗をかいたら今までの苦労が台無しになるところだったが、
大丈夫だった。
秋保温泉をあとに、R286を山形へ向かう。
走り始めてすぐ大きなダムが見えた。
釜房(かまふさ)ダムである。
その巨大な姿に圧倒され、プチ休憩。
湖側は広大なダム湖「釜房湖」が広がっている。
「かまぼこ」と最初まちがえて読んでいたが、正しくは「かまふさこ」である。
再び走る。
高原の快適なワインディングロードをクロッチーさんから戴いたトマトジュースを
飲みながら走る。なんとも贅沢なひとときだ。
ここまでトラブルというトラブルは特に起きていない。
このまま何事もなく旅が終わることを祈ろう。
などと平和ボケしていたところにいきなりの戦慄!
高速道路である山形自動車道の「笹谷インター」入口らへんを過ぎたときのこと。
まわりのクルマがこぞって高速に上がっていくのを尻目に、のぼるはそのまま
一般道を走っていた。
たまたままわりのクルマが高速に上がったんだろう、と思っていたが・・・。
何気なくナビでその先の道を確認したら、とんでもないクネクネの峠道となって
いるではないか。
笹谷峠。
知る人ぞ知る、酷道のメッカである。
国道のくせにロクに整備されず放置されたとしか思えない荒んだ道路、
とうふ屋のハチロクですら全開走行を躊躇するであろうヘアピンの連続。
はじめはナビがバグったか、と思ってしまうほど入り組んだ道路が
そこに映っていたのだった。
なんだこれ、これからこんなとこ走るのか。
いや、冗談ではない!
FIT3フルブレーキング!
キュ、とタイヤを鳴らしてクルマを停止、そしてUターン。
先ほど通りすぎた高速インターへ戻り、そこから高速道路を使った。
旅人はこれが正解だ。
無闇にあんな峠に入ったりなんてしたらとんでもなく時間を使い、
無事に抜けたとしてもその精神的ダメージは計り知れないだろう。
原チャの旅じゃなくてよかった。ほんとそう思った。
高速の快適なトンネルをすいすい抜け、数分後、山形蔵王インターで降りた。
料金は850円。少しの区間ながらけっこうな料金を取られた。
ま、時間を金で買ったのだ。パフェ2つぶんの料金だが、仕方ない。
あのまま下道を走っていたら、被害はパフェ2つどころではなかっただろう。
ていうかなんでパフェ換算?
山形のR13をひたすら南下。
そろそろ夕方だが太陽はまだまだ照っている。
このまま進めば明るいうちに福島県に突入できるだろう。
そうすると、夕食はどこで何を食べるか。
福島の山形寄りというと「喜多方」。言わずと知れた喜多方ラーメンが有名だ。
煮干醤油スープ、手打ちちぢれ平麺の織り成すラーメンは最強との声が多く
聞こえるほどその旨さは格別といえる。
もしくは、もうちょい猪苗代湖方面へ進むと磐梯カツ丼の店へも行ける。
磐梯カツ丼とは、甘辛いソースにくぐらせたカツを白飯と千切りキャベツの上に
ドーンと乗せた豪快なドンブリだ。福井県のソースカツ丼が発祥といわれている。
のぼる的にはこの二択となった。
喜多方ラーメンは喜多方へ行けばたぶんすぐ食べられるが磐梯カツ丼は+30分
ほど時間がかかりそう。
満足度的にはごはんをかっこむカツ丼のほうが圧倒的に満たされるだろう。
だがラーメンはチャーシューメンにすればガッツリ系になるし。
いやしかしカツ丼の「ザクっ!」という衣に歯を通すときの食感はラーメンには
まず表現できない魅力がある。これは甲乙付けがたい。
うーんうーんうーん。
この究極の選択で山形の道を延々と走り続けていた。
脅威の最新テクノロジーを結集したハイテクカーに乗っているのに「何食べよー」
と貧乏性丸出しの思考。ぜんぜんオシャレじゃない。
結論をいうと、早くありつけるであろう喜多方ラーメンに軍配があがった。
すまないカツ丼。こんど必ず食べるからな。
そんなわけで喜多方へ向かう。
気がつけば何度か通った道になっていた。
もう迷うことはないだろう。
もうすぐ喜多方というところで、後方から一台のフィット3が迫ってくるのが見えた。
なんと珍しいベージュメタリック。生産台数が少ない超稀少色だ。
しかもオーナーこだわりのSパッケージ。
のぼるのフィット3の後ろにぴったりついて走っている。
のぼるのフィット3は後方を見るとエンブレムをちょっといじっていたり
デフューザーやマフラーなど社外品を付けており、知っている人が見れば
すぐにのぼるフィットだ、とわかるであろう見た目になっている。
もしかしたらのぼるを知っている人なのかもしれない。
もしかして、かくれファンだったりして。
などと自意識過剰なアイドルのような感覚になった。
ここはぜひお話をしないとですな。
などと舞い上がりながら近くのコンビニの駐車場に入った。
そのベージュは、何事もなかったかのように通り過ぎていった。
あれっ?
ハブられた。
これは恥ずかしい勘違い。
2014/9/25 18:21 [1498-1361]

2014/9/26 17:37 [1498-1367] 削除

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---|---|---|
喜多方のお祭り | 喜多方ラーメン 味平 | うまそーなチャーシューメン♪ |
がんばって走った結果、明るいうちに喜多方に到着できた。
さぁ、ラーメンをたべよう。
まずは「いつものところ」にクルマを停め・・・
あれっ、夕方なのにいつものところがクルマでいっぱいだ。
そういえば市内のいたるところで人やクルマがたくさんだった。
今日はなにかあるのだろうか。
それでもなんとかいつものところにクルマを停め、そこから近所を歩いた。
すぐそこには坂内食堂、まつ食堂などメジャーなラーメン屋がある。
しかし、基本的に喜多方ラーメンは昼間だけ営業の店が多く、夕方には
閉店の店がほとんどだった。
のうっ
それにしても人がたくさんいる。
みんなラーメンを食べに徘徊しているわけでもなさそうだ。
開いているラーメン屋を探しながらそのへんをぶらぶらしていると、近くの
広場でたくさんの人が山車を囲み神輿を担いでいた。
ああ、今日は祭りの日なのか。どうりで街全体が混雑していたわけだ。
そんな祭りの雰囲気を楽しみつつ、ラーメン屋を探した。
閉店後の観光案内所のビラ置き場に「食べ歩き喜多方ラーメンマップ」という
ちらしがあったので1枚もらう。
そこに市内のラーメン屋の一覧が載っており、丁寧に営業時間まで記載されていた。
ここからいちばん近くて営業している店は・・・味平という店だ。
よし、そこへ行こう。
素直に駐車場へ戻ってクルマで行けばよかったのだが、のぼるは徒歩で進んだ。
思えばこれから夜にかけての騒動はこの行動が発端となっていたのだろう。
地図のとおりに進むが、けっこう距離がある。
1キロほど歩くと、汗がダラダラと出てくる。
これはたまらん。
コンビニに駆け込み、天井からの冷風でクールダウンしながら進む。
味平に到着したときには、すでにシャツはびっしょりになっていた。
なんということだ。さっき温泉に入ったばっかりだったというのに。
ま、自業自得だ。仕方ない。ラーメンを楽しもうではないか。
のれんをくぐると中央のカウンター席に案内された。
店内は家族連れや近所のおやじみたいなのが数人。
混んでるほどではない。
チャーシューメンひとつを注文し、しばし待つ。
冷水を飲んで火照った身体を冷ます。
タオルも持たずになにやってんだか。
5分ほどでお待ちかねラーメンが来た。
黄金色の澄んだスープ、中太の縮れためん、そしてそれを彩るドカ盛りの
チャーシュー。
煮干からとった出汁の上品な香りがそそられる。
これが喜多方ラーメンの極意か。
いただきますっ!
昼から飲み物以外なにも食べてなかったので、腹ぺこだった。
もう無我夢中。チャーシューを一枚箸で持ってラーメンを巻いてすくい、
一気に口ですする。
この繰り返し。
至福のひとときである。
ただし。
熱いラーメンだ。
玉のような汗が再び全身から噴出してくる。
もうどうにでもなれ。真夏に喜多方ラーメンを食べるならば全てを犠牲にしろ!
そう言い切るしかあるまい。
完食し、外に出る。
生暖かい夜風が頬をつたう。
陽は完全に暮れ、あたりは夜モードになっていた。
近くにスーパーマーケット、ヨークベニマルが見える。
そこでビールと半額のローストビーフを買い、駐車場に戻った。
クルマに乗ると、すぐに身体を拭き、Tシャツを着替える。
エアコンをかけ、冷風を浴びる。
生き返った。これがザオリクの威力か。
だが、今のままでは風邪をひいてしまうかもしれない。
もう一度温泉に入りたい。
しかし、いまは20時。営業している日帰り温泉などどこにある。
いや・・・ある。
会津若松にはデカい日帰り温泉施設があるではないか。
大江戸温泉物語 会津若松店!
あそこならたしか夜遅くまで営業しているはずだ。
そこへ行こう!
2014/9/26 18:56 [1498-1368]

スマホで大江戸温泉物語 会津若松店の情報を確認したところ最終入場
22時までOKとのこと。
いまから行けば充分間に合う。
さっそくクルマを走らせる。
ナビでの到着予想は約30分ほど。
さっさと風呂に入りたい。もう身体がベトベトだ。
気分的にはそのへんの家にいきなり押しかけて「ふろ貸してヨ」などと言って
返事も聞かずにバスルームへ行きたいくらい緊急性が高い。
おや?
会津へ向かう道路に、もうひとつ新型の道ができている。
会津縦貫北道路。なんだこれ。ためしに走ってみようか。方向的には間違いない
はずだし。
会津縦貫北道路。
自動車専用道路で喜多方と会津を結ぶ、無料で利用ができる高速道路のようなもの。
信号がなく、かつ最高速度も高速並みなのでバイパス以上の利便性が期待できる。
パチスロやじきた道中記乙のあかねちゃんが乗り物に乗ったときの
「いっちゃって〜、ショートカット♪」という痛快なセリフが脳裏をよぎる。
予想の30分のはずが、半分の15分で会津若松に到着した。
らっきー・ちゃちゃちゃ、フィーバー!
大江戸温泉物語は田園広がる平野のど真ん中にある。
日が暮れたというのに館内はまだまだ日帰り客でたくさんだ。
のぼるはわき目もふらずに浴場へ急いだ。
何種類もの内風呂、大きな露天風呂、サウナなど完璧な施設で、完膚なきまで
癒される。
はふー・・・
なんとか生き返った。
ラーメンはうまかったが、汗の始末がよくなかった。
こうなることを想定して行動すべきだった。
1日に2度も風呂とか、しずかちゃんじゃないんだから・・・。
汗をきれいに洗い流し、外に出た。
あとは新潟の県境らへんまで走り、てきとうなところで車中泊するだけだ。
国道49号を新潟方面へ走ると、会津坂下のローソンが見えた。
ああ、なんかもうめんどいからここにしよう。
駐車場のいちばん奥にクルマを停め、車中泊モードにトランスフォーム。
まずはネットに接続し、取り急ぎ今日の出来事を書き込みした。
その際に「いまは会津坂下のローソンで車中泊してる」と書いた。
さぁ、あとはビール飲んで寝るとしよう。
さっそくビールをクーラーボックスから取り出す。
いやぁ、キンキンに冷えたビールって、幸せ。
つまみに買ったローストビーフも美味。まさにイブシ銀だ。
そういやさっきチャーシュー食べまくってたよな。
肉まみれだな。
いい感じに酔ったので横になって寝ようとした。
昨日のように、一昨日のように。
目を閉じれば一気に眠りに落ちるはずだった。
・・・・あちぃ。
暑くて眠れない。また汗をかきはじめている。これはいかん。
明日はプチオフ会、汗にまみれた汚い姿で参加などできん。
こんなときこそ、扇風機があるじゃないか!
一昨日、青森でゲットした扇風機をいまこそ起動するのだ。
後部座席の上部アシストグリップに取り付けた扇風機のスイッチを入れる。
ぶぃーん、と涼しい風が身体にあたる。
おお、気持ちいいじゃないか。
こんなこともあろうかと、100V電源を常時使用可能にしておいてよかった。
ふつーのアクセサリ電源やシガソケ電源だとエンジンを切ると使えなくなるからな。
さあ寝よう。
目をつむる。
これは寝れる。いやぁ寝れる。
いや、ちょっとまて、扇風機を回しっぱなしにして寝たら、そのうちバッテリーが
なくなってしまうのではないか?
うーん、どうなんだろう。
今度はそんな心配をして眠れない。
どないせーっちゅんじゃい。
そんな四面楚歌状態の車内でのたうちまわっていると、すぐ近くにクルマが一台
停まった気配がした。
そして「あれ・・・もう寝ちゃったか・・・?」という声が聞こえた。
もしかして、誰かがのぼるに会いに来たというのか?
いや、まさか。
のぼるがここにいるなんて、誰もわかるはずないし。
などと思いつつ、ドアを開けて外を見た。
「あぁ、のぼるさんいたんですね」
外に立っていた男性がのぼるを見るなりそう言ってきた。
なんだ、いったい誰なんだ。
よく見ると、のぼる主催のオフ会に参加してくれていた「サダさん」という
男性だった。同じフィット3オーナーだ。
掲示板に書き込みはしないが、のぼるをよく知っており、過去2回のオフ会に参加、
さらにいうと、のぼるにシフトノブを寄付してくれた方でもある。
そういった専門職の仕事をしているらしく、手作りのアルミ削り出しだ。
世の中に同じ形のシフトノブは二つと存在しないワンオフ品。
のぼるの宝物といっても過言ではない。
彼は喜多方に住んでいる人で、のぼるが先ほど掲示板に「いまは会津坂下の
ローソンで車中泊してる」と書き込みしただけでここを特定し会いに来たのだと
いうのだ。
本当は、喜多方に到着した時点で掲示板に書き込みすればそのときに会いに
きてくれたようだったのだが、喜多方では掲示板に書き込みする余裕が
なかったゆえに喜多方では会うことができなかったのだ。
「今日はこれで帰りますけど、私も明日はオフ会に顔出しにいきますから!」
と言ってサダさんは帰っていった。
なんだったんだ。
ここへは単にのぼるの顔を見に来ただけのようだった。
まぁ、なんにせよオフ会を楽しみにしてくれているファンがいるのだ。
きっちり開催し、楽しく盛り上げようではないか。
そのためにはまずは今日をきっちり寝ないと。
ローソンでウチカフェクリームソーダというものを買ってみた。
アイスコーナーにあるものだが、レンジでほんの少しチンすると
いい具合にアイスが溶けて食べごろのクリームソーダになるのだ。
これはうめー。
身体がナンボか涼しくなり、なんとか眠れそうになった。
それにしても、東北地方をちょっと南下し、内陸になるだけで
こんなに気温や湿度が違うのか。やだねえ。
昨日とか一昨日なんてすごく気持ちよく寝やすかったのに。
さあ、寝よう。
おやすみだ。
明日は11時から越後湯沢の近く「道の駅 南魚沼」でプチオフだ。
間に合うよう行動しようではないか。
2014/9/28 20:30 [1498-1380]

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---|---|---|
車中泊したローソン | 道の駅 奥会津かねやま | 田子倉湖 |
3日目 8月16日
朝6時起床。
いよいよ最終日だ。
気合いれていくぜー。
・・・と言ったものの空がどんよりしている。
雨も少し降ったようで道路も濡れていた。
今日は雨のようだ。
クルマは天候に左右されない行動ができるのが利点というが、
今日という日に限ってはそうとも言えない。
というのは、今日はこれから峠をがっつり攻めることになるからだ。
道路がウエット状態だといつも以上にマージンをとって走らないと
スリップしたりするわけだ。
納車一年たたずにクラッシュして廃車とか、冗談ではない。
着替え、カーテン格納し、出発準備を整える。
ローソンでペットボトルのミルクコーヒーを買ってから出発。
コーヒーのカフェインで目覚め、ミルクで胃にやさしく、オニのように甘い砂糖で
疲労回復&血糖値を上げてハイテンションにしようという魂胆だ。
高速の会津坂下インターの入口へ向かう大きな交差点。
ここから高速入口と反対側へ向かうと、いよいよ本格的に山あいのR252となる。
国道ではあるが、3桁国道のアテにならない整備の道、いわゆる酷道になる匂いが
プンプンする道路であった。
それでも、この道を使うしか越後湯沢方面へショートカットできる道はない。
この道を使わないとすると、磐越自動車道で新潟まで行き、そこから関越道で
湯沢へ向かうか、東北道で群馬まで行き、そこから関越道で湯沢へ向かう方法の
いずれかを選択しなくてはならないが、どちらもかなりのまわり道となる。
のぼるの生活上使うことのない道路であり、今回走るのはまったくの初体験だった。
とにかく、覚悟をきめてがんばって攻略しよう。
いまのところ、2車線の快適な道路だ。
大きな川「只見川」に併走し、景色もとてもいい。
いまの時間だと、朝もやのかかった山々が幻想的だ。
いくつか道の駅もあった。
「会津柳津」「尾瀬街道みしま宿」「奥会津かねやま」
どれも立派な施設であった。早朝のため開店していなかったが、
ここに道の駅があることを知っていたら、ここまで来て車中泊すれば
よかったと思えた。
だんだん山が深くなっていくが、道は決して悪くなってはいない。
むしろ起伏の富んだ楽しいドライブコースといえよう。
コンビニは少ないが、自販機はあるし、ガソリンスタンドもある。
なんだ、いい道路じゃないか。
心配して損したわ。
ちなみにこの道はJR只見線も併走している。
福島の会津と新潟の小出を結ぶローカル線だ。
こんな山奥の地にまで走る鉄道、いやはや凄いね。
開通には想像を絶する苦労があったのだろうな。ほんと、マジすごい。
しばらく走ると上り坂にさしかかり、巨大なダム「田子倉ダム」に
到着した。
神秘的な湖「田子倉湖」を堰き止めるダム。
その田子倉湖は日本で3番目に大きなダム湖だ。実はこの近くには
2番目に大きなダム湖をかかえる「奥只見ダム」があるので
ダムマニアにはたまらない聖地といえる。
まだ早朝なので誰もいない。
どんよりとした空ではあるが、こんな広大な景色をひとりじめなんて
かなり幸せすぎる。
さて、田子倉ダムを後に再び出発。
ここからはスノーシェッドをイヤというほどたくさん通る。
スノーシェッドとは、山間部の道路や線路などを覆うように建てられた、
雪崩をよけるための設備。鉄筋やコンクリートなどで造られ、雪崩が起きても
その下の道路などには被害が及ばない。
雪国ならではの屋外のトンネルだ。
しかもトンネルの途中で急カーブとかあるからスリル満点だ。
そんな感じの道路をひた走ること30分。
ようやく落ち着いた道路になっていき、しだいに民家が見えてくる。
新潟県側の集落だ。
須原スキー場を通り過ぎ、しばらく走ると小出に到着した。
ここからR17、湯沢方面へのメインストリートに合流する。
あとはこの道を進めばオフ会会場の「道の駅 南魚沼」に着ける。
はずだった。
どざー!
ついに雨が降ってきた。
それも大粒のやつ。ゲリラ豪雨といってもいい。
すごい雨量だ。
なんでこんな大事なときに降るかな。
2014/9/30 22:42 [1498-1392]

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ふじやまさんのフィット3 | 2TG改さん(左) W205さん(右) |
オフ会の開始時間は11時だが、かなり早めに到着しそうだった。
まぁ、べつに駐車場を仕切って使うわけでもなく、テキトーに停めて
テキトーに集まればいいや的な考えていた。今回は数人しか集まらないので
そんなに気合を入れて仕切ることはしなくていいのだ。
ゆえに多少時間が前後しても構わないくらいだ。
どこかで温泉に入りたい。
ちょっとくらいなら入浴できる時間がある。
昨晩の寝汗を洗い流したい欲求が沸々と湧き上がってきた。
このじめじめした雨がさらに肌のベタベタ感を増強させているのだ。
どこかいい温泉施設はないか、と探していたら、六日町の市街地に
「六日町温泉」というちょいと小さめな建物であるが立派な温泉施設が
あったのでそこへ行った。
駐車場から温泉の入口のドアまで5メートルたらず。
なのに一瞬でずぶぬれになりそうなくらいの土砂降り。
この雨の壮絶さがわかってもらえるだろうか。
なんとか勢いをつけて運転席のドアをバーンと開けて外へ出て、
ダッシュする反動でドアを閉め、温泉の入口へたどり着く。
ずぶぬれにはならなかったが、なんか疲れた。
入浴大人400円。安っ!
さっそく脱衣所で服を脱ぎ、浴室に入る。
内風呂のみ、サウナもなし、けっこう狭いが誰もいないので全て許せる。
まぁ、朝っぱらから風呂に入る人もふつーいないわな。
ボディソープやシャンプーは無いが、こんなこともあろうかと準備しておいた。
やはり旅をするときにはヤマトの真田さんの精神で向かうのが正しい。
さっぱりしたところで再び出発。
相変わらず雨が降っている。しばらく止みそうもないな。
オフ会会場へ向かう途中、電話の着信があった。
本日のオフ会の出席予定のふじやまさんからだ。
本来運転中は通話してはならないが、このナビはスマホとBluetoothで接続し
ハンズフリーで会話ができる。ゆえに違法にならない。
彼と2TG改さん、W205さんはすでに会場に到着しているとの事。
のぼるはあと10分程度で到着する、と伝え通話終了。
みんな早いな。
雨の降りしきる中「道の駅 南魚沼」に到着した。
比較的最近開業した施設なので、かなりキレイな建物であった。
駐車場の奥へ進むと、カスタマイズされたフィット3が何台か停まっていたので
まず間違いなくオフ会参加のメンバー達のクルマだろう。
のぼるもその横に駐車した。
雨天にもかかわらず施設は人があふれていた。
国道はもちろん、高速のインターからも近いので立地的にかなり恵まれた道の駅だ。
屋根のある休憩室もあり、その中のテーブルに3人は腰掛けていた。
「のぼるさん、おつかれー!」
「おつかれっスー」
挨拶を交わし、のぼるも椅子に腰掛ける。
2TG改さんとW205さんは栃木、ふじやまさんは富山の人だ。
3人とものぼるより年上でクルマいじりの技術も圧倒的に上なのに
仲良くしてくれるいい人たちだ。
ふじやまさんは船も持っていて、富山湾でよく釣りをしているというツワモノだ。
2TG改さんは手作りシフトノブを作るのが得意で、以前オフ会参加してた人が
何人も彼のシフトノブを愛用している。また、釣りが好きらしく、先日は
ふじやまさんの船で釣りをしてきたらしい。
W205さんは今まで何十台とクルマを乗り継いできたセレブで、ポルシェなども
当たり前のように乗っていたという。なんと羨ましい。
そんな感じでオフ会が始まった。
ていうか開催宣言もなにもなく、ただダベっているだけだが。
まず皆が注目していたのは、のぼるの東北旅行の話題だった。
どんなところを巡っていったのか、大間のまぐろは食べれたのか、他にうまいもんは
食べたのか、ひとつひとつ説明していった。
やはりこの時期の車中泊は暑くてやってられん、と言うと「やっぱりなー」と
みんな頷いていた。
2014/10/1 23:00 [1498-1396]

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---|---|---|
プチオフに参加してくれた方々 | みんなのクルマ | 反対側から |
昨晩のぼるの寝込みを襲ったサダさん(なんつー言い草)はまだ到着していないが、
みんな腹が減っているようで少し早いが昼食にすることにした。
実際のところ施設内がけっこう混んでいるため早めに食べないと行列になってしまう。
この南魚沼の食堂は、日本一の旨さとうたわれる魚沼産コシヒカリと地元産の
野菜や肉を使った定食がウリとされている。
もちぶた角煮定食や味噌もつ定食なんかが人気が高い。
ふじやまさんはそれに新潟名物笹だんごを追加して食べていた。
だんご系が大好物なのだそうだ。
のぼるは味噌もつ定食を食べた。
よく味がしみて美味しかったが、肝心のごはんがちょっといまひとつだった。
まぁ、新米はこれから収穫なのでこの米は去年のだろうけど、魚沼産コシならば
もうちょっと粘り気があったはず。
まぁ、いいけどね。美食家きどって「なんだこの白米は! 女将! 女将を呼べ!」
とか言わないから。たまたまでしょ。
腹も膨らんだところで休憩室に戻ってまた談話をした。
相変わらず雨が降っているが、少し弱まってきたようだ。
少しするとようやくサダさんが到着した。
これで今回のオフ会参加者全員が揃ったことになる。
「遅くなりました〜」
手土産に箱入りの喜多方ラーメンをひとりずつ手渡した。
その心遣いに一同感激。
そのあとに思い出したようにのぼるも大間で買った「まぐろまんじゅう」を
開けてみんなに差し上げたが、やはりインパクトに欠けてしまっていた。
ほんとはランカ・リーのモノマネで「まぐろまんっ!」と叫ぶ一発芸をしようと
企んでいたのだが、ドン引きされるのが容易に想像できたのでやめた。
少しすると一時的に雨が止んだ。
周辺の駐車場も空いてきたので、全員のフィット3を並べて停めた。
みんな個性的にカスタマイズしており、それぞれの性格が反映されたクルマに
なっている。
全身をエアロで固めたイケイケスタイル、見えないところにさりげなくオシャレする
センスよいカスタマイズ、そしてこだわりのアルミホイールなど。
「オレのやつ、ブレードアンテナにしたんですよー」
といって自分のクルマをちょっとアピールしてみた。
みんな「ほぅー、かっこいいじゃん」などと言っていたが、もうひとつ反応が薄い。
うぐぅ。
ちょっと前から掲示板で「またカスタマイズしまーす」みたいな事を書いてたが
それがこのアンテナひとつだけだったとは、インパクトが薄かったか。
こうなったら次回までもっとカッコよくしてやろう。
そう心に決めた。
今回のオフ会はプチオフとあって5人だけの参加者ではあったが、やはり同じ
マシンを駆る者同士、その話題で盛り上がれるのは楽しいものだ。
オフ会の楽しさはまさにその点にある。
ふだんは同じクルマに乗る者同士で語る場などなかなか無い。
ネットの掲示板だけでは伝えきれない、言葉や画像だけでは語れないもの、
わからないものがあるものだ。
のぼるが最初にオフ会を企画してきたのは、このフィット3にマイナスな
イメージが付きそうな雰囲気がネットで蔓延していたからだ。
この春までのフィット3は、レビューがまだ少なく、冬の走行しか体験できず
その本領、真価が発揮できずにいて、それに加えて度重なるリコールという
出来事がイメージを悪くしていた。
掲示板においても、荒らしやネガキャン、アンチホンダなどがはびこって
文句や悪口を言いたい放題の状態になっていたのだ。
こういうネガティブな風評というのは自分が「フィット3はいいクルマだ」と
掲示板の上でなんぼ語ってもあまり効果も意味もない。
風評を覆すのには段階が必要であって、まず地盤を作らなければならない。
その地盤とは、自分以外の誰かにその思いを同調させ、そこからさらに広げて
いくという草の根運動のことだ。
そんな思いもあってオフ会を開催してきたが、参加してくれた人はのぼるが
何も言わなくても、みんな仲良くなってその話題で楽しく盛り上がれていた。
きっとみんなも同じ気持ちだったのかもしれない。
「いいクルマ」だと思っているのは自分だけなのかも、とみんな不安でいたのかも
しれない。のぼるがそうであったように。
「乗ればわかる楽しいクルマ」
フィット3の魅力はその一言に集約される。
べつにその思いを誰かに押し付けようとか、そんなつもりはない。
ただ、迷っている人がいたら、そう言って勧めたい。
そう言うためには、オーナーが心から「楽しいんだ」と言えるための、
そのクルマに対しての特別なイベントを企画して、楽しい思い出を作る必要があった。
それがオフ会なわけだ。
オーナー同士の横の繋がりが広がれば、このクルマの楽しさがもっともっと、
劇的に広がるはず。
それが成功したか、効果はあったか、実はまだわからない。
でも、やってよかったという思いは確実にある。
たぶん参加してくれた人すべてに楽しい思い出となっていることだと確信している。
そしてそれは、今後もさらに活動を盛り上げるための礎となる。
もっともっと楽しいオフ会を企画してみたい、そう思うようになっている。
2014/10/4 15:55 [1498-1402]

エピローグ
夕方になった。
フィット3のカスタマイズの話はいつまでも尽きないが、それぞれの明日があるので
今回のオフ会は解散となり、みんな家路に向かっていった。
宴の後というのはいつも心地よい疲労感と少しの寂しさが残る。
それもまた、やってよかった、企画してよかった、参加してよかった、と思える
からこそのものだ。
フィット3に乗るようになってから、初めてのことだらけが続いた。
初めてクルマをいじるようになった。
初めてクルマの掲示板にレスするようになった。
初めてクルマのオフ会を企画し、初めてオフ会に参加した。
もしのぼるのことをクルマいじりやカスタマイズのベテランだと思っている人がいたら
それは完全な誤解だ。
すべて1年以内に始めて、全てが手探り状態でやっていただけ。
だから、いままでカスタマイズをしたことない人だって、やろうと思えばたいていの
ことはできると思う。ネットを探せば知りたい情報はたくさん転がっているから。
この旅を振り返ってみると、このクルマと本格的につきあった数日間、いままで
見えなかったものがたくさん見えた。
車中泊の便利な方法やナビの賢い使い方、状況に応じた運転方法。
まだまだ限界性能を知るまでには至らないが、自分なりにたっぷり運転してみて
得られたひとつの結論がある。
遊べる、使える、楽しいクルマ。
それがいまのぼるが運転するフィット3ハイブリッドだ。
この旅は、いままでどうやってまとめて説明してよいかわからず書くのを躊躇していた
「マイカーレビュー」を徹底的に好きなだけ突き詰めたものと思ってもらってもいい。
さあ、家に帰ろう。
また明日がはじまる。
このクルマとの思い出はまだまだ続く。
大切に乗ろう。
まだ見ぬ、たくさんの出会いと感動のために。
The End of Files.....
2014/10/4 16:19 [1498-1403]

あとがき
はい。
東北ぐるっと一回り FIT車中泊の旅。
なんとか終わりました。いかがでしたでしょうか。
実際に旅を終えて、その翌週から旅行記を着手しましたが、まさか完成まで
1ヶ月半もかかるとは思いませんでした。
最初は9/14の長野全国オフ会までに終わらせるつもりだったのが、ぜんぜん
終わらず、10月までかかってしまいました。
まぁ、最初のほうで情景やフィット3の説明を詳細に書きすぎたのが祟り、
それが作品全体としてのペースとして定着してしまったが為、なんですよね。
書きたかったこと、伝えたいことをそのまま書いていくと、こうなるわけですw
あと1レス2500文字という掲示板そのもののスペック制限があり、
いろいろと苦労しました。
書いた順にアップしていく手法だと、あとで修正とかきかないので
読み直して文法とか間違ってたりする部分を見つけるとかなり恥ずかしい。
長編になると、マンネリ化にならないように途中途中に伏線を張ったり
しますが、それを忘れたり、伏線張ったことを忘れて回収し忘れるそうに
なることもありましたね。
そのへんがライブ感覚でアップする手法の難しいところです。
まぁ、なにはともあれ、完成してひと安心です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
これ以降みなさんのレスを解禁いたします。
ぜひここまで読んでくださった方、以下に感想のレスをお願いいたします。
質問や指摘もOKですよ。なんでも書いてください。
2014/10/4 16:20 [1498-1404]


長期に渡る連載で、お疲れ様でした。
リアルタイム旅行記とコンプリート版旅行記は毎日最初から楽しみにして
読ませてもらっていました。
それぞれに良い点もあり、またもっと別な表現もほしいとか思って読んでいました。
旅先での見たことや出会いと言う様々な「感動」という点では、リアルタイム旅行記に
当然分があります。
コンプリート版では全てに渡って詳細に描かれていて面白いのですが、時間もかなり経過して
いるので、旅の「感動」も明らかに薄らいでいると感じられるのは否めません。
たぶん写真を見ながら、情景を思い出されて書かれているのではと、勝手に想像してしまいます。
今回の旅行記の「主題」はどこにあるのかと考えると、フィットでの車中泊にあると思うので、
そこは、その楽しさや大変さなどを更に強調して表現して貰いたかったとは思います。
(以前にねこさんが書かれていた FIT3で車中泊をしてみよう!)
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000569254/So
rtID=17454990/#tab
そして、旅先での人との出会いも大切な「主題」であると思います。
クロッチーさんやKさん、常連のサダさん、オフ会での皆さんとの出会い、
ここは今回の旅での重要ポイントなので、さらに抑揚をつけて表現してほしいところです。
グルメに関しても多くの記載をされていますが、すでにリアルタイム版で書かれていることなので、
これは、「食べログ」などにお店の紹介を兼ねてより詳細に記載していただきたいところです。
リアルタイム版では、時間的な制約があり多くの事を書けない、しかし時間が経過し過ぎても
旅の感動が薄れてしまうのでは、そこは今後の旅行記を書かれる際にも考慮されてほしい点です。
2014/10/4 18:25 [1498-1406]

>jya704さん
感想、ご指摘ありがとうございます。
いつも楽しんで読んでもらているようで嬉しいです。
おっしゃることは、もっともなことだと思います。
車中泊の楽しさと大変さ、旅先で出会った人との思い出。
これらをもう少し掘り下げたほうが、というご指摘。
これに関しては、書こうと思えばもっと書けました。
たぶん、書けば書くだけ面白くなる自信もありました。
ですが、作品全体のバランスの中で車中泊のおける出来事にだけ
ボリュームを割くわけにいかず、結果このくらいで落ち着かせました。
出会った人との思い出。
実をいうとこれ非常に表現が難しいんです。
ノンフィクションをうたっている手前、嘘なんて書けませんから、
ありのままをきっちり書いておりますが、出会った実在の人物を
文章で表現し、それを相手の承諾無しに全世界に発信しているわけですから
あまり詳細な部分を表現すると「肖像権」の侵害にもなりかねません。
いちおう、可能な限り本人に許可をとるようにはしてますが、
どこまで書いてよいかは、不確かな部分であるがゆえに表現は抑えてました。
たぶん、読む側にとっては思い切りの悪い「ねこらしからぬ」書き方を
していたと思われていたかもですね。
「自分としてどうだったか」という部分としてもうちょっと掘り下げると
きっとよかったのだと思います。
まぁ、たしかにご指摘の通り、至らぬ部分が多々ありましたね。
次回はそういった部分を気をつけて執筆したいと思います。
なんとか早めに完成できるよう努力もします。
またがんばって書きますので、宜しくお願いいたします〜♪
2014/10/4 19:05 [1498-1407]


ねこさん
旅日記完成 お疲れ様です。
オフ会では色んな方に出会えて交流などもされていて羨ましいです。
実際人に会うまでは自分なりの想像しか描けないですね。
やはり文章だけで人物像を判断するのは、とても難しい事だと思います。
私もそろそろ限界が出て来ました。
来月mkさんと 二人だけオフ会(N-BOX不具合運転体験ツアー兼お食事会)を開催します(笑)
タイトル長い(;o;)
私も自分なりに行動をして判断しているので、時には人を傷つけたりして、イメージが悪く感じている部分があるかと思います。
イメージUPを狙って 本スレで仲間を沢山作って来ます。
ねこ軍団の一員として恥のない責任ある行動と秩序を守って行く所存です。
本当かよって(~o~)
これからも ねこさんを応援して行きますので末長く宜しくお願い致します。
ねこさん 属国さん 破格さん
猫三兄弟より
2014/10/4 22:32 [1498-1408] iモードからの書き込み

>超破格.comさん
いつも応援してくださって本当にありがとうございます。
表現の仕方はとても難しい問題だと思います。
自分が良かれと思って書いても、他人から見たら不快に思われてしまったり
思想や行動原理の違いから言い合い、炎上になってしまったり、いろいろありますね。
結局のところ、それを嫌って書くのをやめるか、覚悟して書くか、になります。
私の場合は、我慢せずに言いたいことを言って、場合によって炎上することもありますが
それで後悔することはなくなりました。
「自分は正しいことを言った」かどうかは自分では計れません。
まわりの人が判断してくれます。
正しければ肯定してくれるし、間違えているならば叩かれます。
多くのアンチ、荒らし、ネガキャンは自分=正義という図式を徹底し絶対譲りませんが
私は常に「自分は正しいのか」を自問しながら、今後も文字を打っていくつもりです。
間違っていると思ったときは、素直に「それは違う」と言ってくださいね。
一生懸命自問しながら正しい考え方に修正していこうと思っております。
2014/10/5 13:59 [1498-1409]


ねこフィットV(さん) さん
コンプリート版旅行記完成・祝
お仕事の合間の執筆、本当におつかれさまでした。
そして、私たちみんなを楽しませて下さり、ありがとうございました。
エピローグ〜あとがき
コンパクトカー購入を検討中の方々にも!是非
メイキングビデオ風に、見てほしい位、FIT3HVへの描写
めちゃ格好良いと思いましたが、みなさんはいかがでしょうね〜
ねこさんの旅行記は
旅に憧れているが、一歩踏み出せない方、FIT3の楽しさを模索中
の私のような未熟人にも。
旅の醍醐味を、勇気とかエネルギーに変換。
そして、いつの間に注入教育?されてるように、感じました。
車中泊ひとつとっても、誰でも挑戦したら出来るんだよ〜って。
そうゆうの世間では、カリスマねこ・・カリスマ作家と言う・・・
kt-1500さ〜ん
鈴鹿
ひつじは挑戦します!
kt-1500さん風の、ご教授下さいね。
よろしくお願いします。
2014/10/5 18:06 [1498-1410]

オフ会でねこっちの性別の話題になったよ。
みんな男って言ってた。
そいで、おれはみんなに言ったんだよ。
「サンタの正体が親父って知った時以来の衝撃だ」ってね。
いきおいアップトリム90°先輩に掴みかかったんだよ。
そしたら、アップトリム90°でググるなよ先輩に腕極められたまま投げられてさ。
そこに岩があったわけさ。
頭を手で防御しようとしたら、アップトリム90°でググるなよ先輩が顔面にローキックしてきて、「いかずち」って言ったんだべ。
2014/10/5 19:46 [1498-1411]


ねこさん
旅行記、完成おめでとうございますそしてお疲れさまでした。
会社帰りの電車の中でいつも楽しく読ませて頂きました。ねこさんの旅行記はがんばれば自分でも出来そうなところや、時間があればむやみに高速を使わないところなど親近感があり共感できます。
これが、たんなる豪華旅行記だったり、大型キャンピングカーの旅だったらここまで楽しみではなかったと思います。
私は、現実的には仕事の都合上、休みは3連休までしか取れなかったり結婚して子供もいますので長期の旅行は無理なんですけど、いつかは自分もやってみたいと思います。
次回作、期待しています。
cowcow7さん
八ヶ岳に続き鈴鹿でもお会い出来るのを楽しみにしています。またみんなで盛り上がりましょう。
2014/10/5 21:36 [1498-1412]

みなさん感想ありがとうございます!
>cowcow7さん
いつも読んでくれてありがとうございます。
FIT3はどんなクルマで、どんなことができる、という自分なりのレビューを
旅行記と同時展開で試験的にやってみましたが、うまくいったようで安心しました。
もちろんFIT3を知らない人でも純粋に旅行記として楽しめるよう、わかりやすく
したつもりです。
この旅行記を読んでFIT3に興味をもった人がいたら、とても嬉しいですね。
鈴鹿でまたお会いできるのを楽しみにしてます〜♪
>ご飯がご飯がススム君さん
みんな見た目で惑わされていたんですね。シャーッハッハw
私は性別などというカテゴリを超越した存在。
そう、言うなれば髪のような存在なのだよ!
髪?
ミ,,゜Д゜彡ふさふさだぞゴルァ!
私の正体を知られたからには生かしておくわけにはいかない。
裏蛇破山 朔光・・・!
>kt-1500さん
きっちり読んでくれてありがとうございます。
豪華な旅は与えられることばかりなのに対し、貧乏旅はじぶんで工夫して
喜びを得るところに楽しさがあると思ってます。
まぁ、いろいろお金で解決してしまった点はありましたけど、
総じて楽しいノリで旅をしましたが、その雰囲気を可能な限り文章で表現した点が
なんとかお伝えできたようで、安心しました。
鈴鹿でまたお会いましょう。
2014/10/5 22:13 [1498-1413]

2014/10/6 07:35 [1498-1416] 削除

息子に似ている
つまりねこさんは、おと
ねこさん、先日お渡しした添い寝回数券10枚綴りですが、こちらの手違いで本来cowcow7さんにお渡しするはずの回数券だったことが、市民オンブズマンからの指摘で判明しました。
2014/10/5 23:19 [1498-1417]


おはようございます。
昨夜の書き込み誤字だらけでしたので・・書きなおします。
ねこフィット(V)さん
こんばんは 岩手のクロッチーです。プチオフ会から
もうすぐ1か月半たちましたね。
リアルタイム旅行記とコンプリート版旅行記の完成お疲れ様でした。
私は、どちらも本当に楽しみながら読ませていただきました。
いまだに、遠野で、あった時のねこフィット(V)さんの事は鮮明に覚えております。
私にとっては、ねこさんはアイドル≒でした。「いい歳したおかんが」ということで
急きょ・・心配した息子っちーが、のこのことついてきました。おっかんは一人で会いに行きたかったのに…
ねこさんに会ってこの感じどこかで見たことがある・・・そう若干息子っちーに、にていました。(ごめんなさい)ピアノずっとやっていたんだねこさん。何かの書き込みで知りました。
うちの息子っちーも教育ママの手にかかり同じようにピアノを弾いていきした。今はPCがピアノのようです。
オフ会のとき、あの出会いかただったかな?などと考えていましたか。まあいいかな。私も小説に登場した人物としてうれしいの一言です。
「なんて言ったってかくれねこファンです。」ステッカーほしい人「ははは〜い」と手をあげちゃうよ
車中泊 グルメ 出会い。すてきだと思いますよ。実際に会った人は感動モノでした。
ねこさんありがとうございました。
みんないいな。オフ会・私ももっと沢山の人と出会いたかったです。東北地方でオフ会してほしいです。あれから、サイドブレーキにカバーをつけてもらい。ドアを開けるとハイブリットと青く光るようにしました。色々つけたいものがあり大変です。
ねこさんからもらったイラストはクリアをかけて大切にしていますからね。
ねこさんに会えて本当に良かった。ありがとう。もう一回会いたいです。もっとフィットの話をしたかったです。
2014/10/6 07:34 [1498-1419]

クロッチーさん、ぼかぁ最低だー。
オフ会で初対面のひこまるさんにあって10秒でハイカラさんにあやしげに近付いて、その事をひこまるさんに指摘されて、おれはタイムスリップを心配したのに、ひこまるさんにそんな優しい男だと思われるのが癪で悔しくて、昨日もまくら濡らして「ママ」と言ってしまっただー。
2014/10/6 07:57 [1498-1420]

>クロッチーさん
遠野プチオフでは本当にお世話になりました。
クロッチーさんの生活こそ大変でしたでしょうに、たくさんのお土産をいただき
ほんとうにありがとうございます。
こんなことなら新潟からなにかお菓子など持っていけばよかったのですが、
即興の手書きイラストでも喜んでいただけて何よりでした。
東北オフ会、来年こそ実現させたいですね。
裏磐梯の桧原湖の道の駅らへんでやろうかな。そのときはぜひご参加ください。
息子さんとご一緒でも大歓迎ですよ。
>ご飯がご飯がススム君さん
ふっ・・バレては仕方がない。
ねこは、おと・・・・・めなのだよ。
乙女?
戦国乙女! 私は明智ミツヒデ推しです。くぎゅうううううう!
2014/10/6 12:15 [1498-1421]

ねこさん、性別なんて関係ないですよ。
)、._人_人__,.イ.、._人_人_人
<´ お 金 返 し て っ ! >
⌒ v'⌒ヽr -、_ ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: < _,ノ`' 、ヽ、_ ノ ;;;ヽ //
///// /:::: (y○')`ヽ) ( ´(y○') ;;| /
// //,|::: ( ( / ヽ) )+ ;| /
/ // |::: + ) )|~ ̄ ̄~.|( ( ;;;|// ////
/// :|:: ( (||||! i: |||! !| |) ) ;;;|// ///
////|:::: + U | |||| !! !!||| :U ;;; ;;;| ///
////|::::: | |!!||l ll|| !! !!| | ;;;;;;| ////
// / ヽ::::: | ! || | ||!!| ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: : | `ー----−' |__////
2014/10/6 13:37 [1498-1422]

フィットハイブリッドはすごい可能性のある車ですね。(о´∀`о)ノ
ねこちゃんの旅行記を読んで思いました。
オーナー同士の交流も楽しいし、一度ねこちゃんに会ってみたいな。
おいらは会ったら絶対損はさせないよ。
ひこまるさんから、イケメン風ブサメンと言われてるから。
2014/11/12 22:32 [1498-1520]

>ご飯がご飯がススム君さん
感想ありがとうございます。
イケメン風ブサメンとは、どんなラーメンなんでしょうか。
若さがほとばしる背油ギトギト系・・・?
来年のどこかの3連休を使って琵琶湖のあたりでオフ会ができればと思ってますが、
まだ遠い? 参加無理? 添い寝はできませんが子守唄なら歌ってさしあげますよ。
ああ わかってくれとは言わないが
そんなに ねこが悪いのか♪
さあ、この子守唄を聴きながら眠るがよい。ふははははは、は・・・
2014/11/12 22:44 [1498-1521]


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