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素晴らしい銘機から普通機まで、その覚書

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発売開始から1年以上経過し、ネットレビューの評価も高い。

マニア目線でみたこの単眼鏡の実力は?

実際に屋内、博物館、観光地巡りからハイキングまで様々なシーンで使用したが感想だが
結論から言うと「図面設計的」には素晴らしく、単眼鏡としては素晴らしい見え味のポテンシャルを持っているが、そのベストを発揮させるノウハウが欠如しているのでは?

五藤光学が設計から生産まで行なっているとは全く思っていないが、どうも設計から生産側まで「作り慣れてないんちゃうの?」と思うというのが結論。
 
物そのものの品質は高く、品質管理もしっかりしている。では何が課題か?

2018/6/17 16:20  [2125-21]   

付属のポーチとストラップはしまいこんで、ストラップは早速ベジタブルタンドの革製に変更。
使い勝手も高級感も増す。

ストラップの取り付け金具位置は、紫のリングの横にあるゴムリングを緩める事で360度任意の場所に動かせる。 この金具位置が回せることが、後で述べる使い方による見え味に大きく影響する。

購入後、室内で最初に使用した際はその非常に整った像に感動した。
視野全体の明るさにまず気がつく。8x25,10x30機より計算上でも明るいのだが、体感上でも明視では結構明るい。 良好な直線歪曲補正と像面湾曲の少なさ、周辺のエッジにかけてなだらかに像が崩れていくが、色収差の少なさとあいまってとても品がある像。
そして、そのテイストが独自である。
Nikon 5x15DやVixenの高価格機のように一見あっけらかんとコントラストが高い傾向はあるが、ハイライト側が飽和したようなプラスチッキー描写にならず、Zeiss機のようにしっかり物の質感が伝わってくる。視野の着色が少なくニュートラルなカラーバランスも特筆すべき点だ。
見えるもの全てが情緒いっぱい艶やかという風ではなく画像に一定の節度を持っている。西欧高級機と日本の中間的な感じである。

2018/6/17 17:03  [2125-22]   

陽の出ている日中の屋外に持ち出すと、屋内での感動があまり再現しない。
中遠距離は苦手なのかと疑ってみる。
小型で鏡筒が細いので、三日月状のグレアが出やすいのには気が付いていたが、条件によっては視野の半分以上をグレアが覆ってしまうことも。

内部の所見では、強い光源が入ると、対物レンズの内側抑え環、プリズム抑え環、プリズム側面(そもそも黒色塗装がなく、接着剤で止められている部分も光る)、プリズムエッジ部などが反射してグレア・ゴーストを発生する。

毎度のことであるが、分解して黒色塗装を施すとかなり改善する。

2018/6/17 17:42  [2125-23]   

ルーフプリズム頂部が真上のポジション(内面反射最小) ルーフプリズム頂部が横のポジション(側面内面反射が大) ルーフプリズム頂部が真下のポジション(内面反射中)

鏡筒内の絞り環に相当する部分は、普通の設計ではナイフエッジにしたり、接眼側から面として光らないようなんらかの工夫をするのだが、本機はその詰めが甘い。プリズムエッジも面取りがされており、そこが逆に真っ白く光っている。内乱光を生みやすいプリズムサイズの小さの制限に加え、プリズム側面をコバ塗りせず、接着剤でホルダーに固定している面積も広いため、その部分は後からでも塗れなくなってしまっている。 結果として強い光の屋外では像が厳しく言うとちょっと冴えない。

それでは、分解せずに使用方法で屋外でのグレアを多少軽減できる方法がないかというと、実はある。 フードを作って巻くことが手っ取り早いが、格好があまり良くない。

画像3枚は接眼側から、接眼レンズのピントリングを回転させ内部に見えるルーフプリズムの屋根頂部を目印に、上、横、下の3ポジションで撮影したものである。
屋外での光源が天空の上からという前提の場合、プリズム頂部を上にして、プリズム側面にダイレクトに光が当らないようにすれば視野内のコントラスト低下を軽減できるのである。

このために、ストラップ取り付け金具の位置をプリズム頂部と合わせて、観察時に取り付け金具の位置を目印に常に真上(または強い光源がある方向に)にする。 そして観察時のピント合わせは、接眼レンズ側を回さずに、対物レンズ側を掴んで回す必要がある。
この使用方法で軽減を図ることができる。

2018/6/17 18:08  [2125-24]   

対物ユニット裏面に潤滑グリス回り込み ヘリコイドグリスがリッチすぎる・・・

内部について更に言うと。
スムースなヘリコイドはグリース量が過多で、既に対物ユニット裏や無関係な部分に回り込んでいた。グリースも旧ソビエトレンズのような若干臭いが強いもので、後々の揮発が疑われる。
プリズムの組み立て時にプリズム稜線をぶつけて微小に欠けた個体も見受けた。(生産作業性を考えた鏡筒の作りをしていないので、プリズム装着時にぶつけたと推測)
他にも色々あるが。

ここまで辛口に書いてはいるが、手を加えた後のこの単眼鏡にはもう一本買おうかと思うほどの愛着があ。そして見える像質には本当に惚れ込んでいる。 
願わくばこれらの弱点を修正した双眼鏡バージョンを検討して欲しい。

2018/6/18 21:01  [2125-25]   



2000年購入のT*P*

1981-2004年の長きに製造販売された Dilayt 7x42 (後期はClassiCとも表記)

製造終了から世界的に何度かブームになり中古市場で高騰した事もあったが、双眼鏡業界に近年起きているある種のパラダイムシフト(高解像力、高コントラスト化)の中で、この旧機種がどのような位置付けで今現在評価すべきかを考えて見ましょう。

美辞麗句を並べた転売目的のBlogではなく、冷静に。




2018/6/3 11:57  [2125-13]   

対物レンズ内部に非常に凝った斜光壁 アッベケーニッヒプリズム部 Zeissの悪い癖。シーリング部のグリス使用

玉数はT*のみから含めれば世界中にユーザーがいるので、入手性は難しく無い。
しかし、状態が良いものはなかなか無い。使い勝手や光学的性能への満足度がある程度バランスが取れて高いことからか、ハードに使われているケースが多いということと、以下に示す造作・構造による課題からベストの状態が維持しにくいと思われる。

構造面において完全防水仕様では無いが、対物、対物ジョイント部、接眼レンズ第一面、アイピースユニット摺動部にシーリング部材が適切に使用されており飛沫防水程度は確保されている。
ただし、Zeissは現在販売されているConquest HDをはじめとする機種も同様なのだがシーリング部材の気密性向上にグリースを使用しており、これが経年を経てグリース成分の双眼鏡内部への侵入・蒸散をおこしてしまう。 3x12B でも指摘した内部光学系への曇りを起こす可能性がある。
実際この機体ではプリズムハウジング近くにまで茶褐色のオイルが入り込んでプリズムに影響が出ていた。

3x12Bと同じくアッベケーニッヒプリズムユニットは保持フレームに接着剤で固定されているため、二つのプリズムの相対面が汚れると事実上拭けない。また、Zeissの正規修理ではこのプリズム部分はユニットごと交換となり非常に高額な部品代を請求される。

また、構造的にインナーフォーカスではなく、接眼レンズが摺動する方式のため
プリズム部に空間的につながる部分で接眼レンズのグリースが使われている。これも曇りのリスクになりえるが、Zeissの正規メンテナンスにおいては最小のグリス使用量に抑えているようだ。

2018/6/3 12:25  [2125-14]   

検索非球面 さん  

2018/6/3 12:37  [2125-15]  削除

7x42 アイピースユニット

接眼レンズ側のT*コートが耐久性がそれほど高く無いのか、スクラッチやコートやけを起こしている個体も多い。 ちなみに接眼レンズもZeissではユニット丸ごとの交換となり、日本では1個35000円程度する。

ちなみに8x56 Dialytが2群3枚のケーニッヒタイプだったので、同じ光学系かと思っていたのだが
分解すると非常に厚みのある視野レンズ(おそらく1群2枚)を含む3群5枚構成 焦点距離 30mm弱?であった。 このアイピースを仮組みして天体望遠鏡で地上風景を覗くと、Dialytのエッセンスが入った見え方なのには少々驚いた。。 閑話休題。

2018/6/3 12:38  [2125-16]   

@実視
20代の頃に一度本機を所有したが、好きになれず。より視野が落ち着いて見え、かつ中心像のキレが素晴らしいLeica Trinovid BA 7x42 や
薄暮夕景が油彩画に見えるSwarovski SLC 7x42 の順にすぐに乗り換えてしまった。
7x42 Classicに対するその頃の印象は、輝度の高い部分での煌めきと視野全体が「なんだか眩しすぎる。落ち着きがない」であった。
同時期に当時新宿にあったニュートンという販売店で6x42 スキッパーが確か12万円程度の展示特価で悩んだ事があったが(今思えば買っておくべきだった)
その印象もとにかくぶっちぎりで「暴力的に眩しく目が痛い。美しいけど何この落ち着かない双眼鏡」というのと共通していた。
おそらく、青紫の波長に対する眼の感度がまだ鈍っていない若者だったからというのももしかしたらあると思う。

本機はグリス汚れなど機械部分と一部プリズム部の清掃をで行った上、接眼レンズ部分の新品交換および光軸調整と点検を
ツァイス ジャパンにて実施した個体である。
改めて40代の眼でこのClassiC個体を見ると・・。

まず視野全体が明るく、抜けと透明感を強く感じる。周辺光量落ちも気にならない。以前所有した時に感じた眩しさと視野の落ち着きの無さは感じない。
しかし、しばらく見ていると何か別のざわついた感じがする。これが正直なところである。
SwarovisionやConquest HDの見え方に慣れてしまうと、縦横それぞれぞれの色収差からくるClassiCの視野のざわつきに違和感がある。
その後のフィールド使用においても、白い水鳥のエッジ、雪を戴いた突き抜ける晴天下での山の風景、対象に没頭する前にClassiCの色収差フリンジに気が散ってしまう自分に気がつく。
また、中心結像の高さも良い方ではあるが、倍率差を差し引いてもConquest HD 32mm機などの現行ハイエンド機の方が像のエッジがハッキリして見える。
見かけ視界60度の良像範囲は中心から半径3割程度で、像面湾曲が強く、中心ピントを3-4mあたりにおくと10-20cmレベルでで周辺が後ピンになる。
星像など無限遠では問題になるが、立体的な中近景を見る分には問題では無い。 非点収差の格差は激しく、星では周辺像は全く点にならない。
と、ここまでネガティブな部分を先に書いているが、観察する対象全てにおいてWow!!を提供する機種では既に無いと思われる。

それでもこの双眼鏡が素晴らしいと感じる点がいくつもある。それは。

2018/6/3 14:33  [2125-17]   

良い点は、
輝度の非常に高い部分、例えば星では針で突いたようなアポクロマート的な点像ではなく若干散っているのだが、特に1-2等星以上の星像に透明感、色、煌めきを印象的に感じら
微光星の粒にも存在感を感じる。 星像から既視感を感じたので記憶をたどると、不思議なことにC50/540アクロマートの像を思い出した。

自然の景色においては水面や木々の緑の葉に反射する光に対して同じように美しさを感じられる。人工物には面白みが無いが、唯一金属光沢部は圧倒的な描写力を見せる。
視野全体のコントラストは非常に良好である。F値の長めな1群2枚セメンテッドのアクロマートに、内筒の遮光壁構造をはじめとする良好な反射防止策。
フォーカスレンズ構造がない単純な光学系とミラー面の無いプリズムなどから来ていると思われる。
意外にも接眼レンズ系にはレンズのコバ塗りや内筒への黒色塗装がされていないが影響はそれほど感じない。

視野のカラーバランスは僅かな黄色を帯びているが、艶のある透明感のある薄い味醂?の中から外界を見ている感覚で独特である。
階調のつながりが良く、物の質感と艶の再現に秀でる。 これは研磨や硝材から来るものなのか、写真オールドレンズで得られる良質な描写を思い起こさせる。

そして個人的にはこの双眼鏡の真骨頂は、存在するそのものの空間を感じさせる雰囲気というか描写を限られた条件下で見せることである。
森の木立など薄暗いところから、奥行きのある輝度の高い陽の射す部分を見たりすると、双眼鏡という光学系の無い素通しの筒を見ているような錯覚を起こす事がある。
しかも、その景色には複雑な光に反射する霧のようなアウトフォーカス描写が周辺にまとわりつき、一種独自の絵画的な味付けをし、思わず恍惚としてしまう。

余談だが、Pleasing HR 6.5x32 がこのような条件でClassic 7x42と同じでは無いがちょっと似た描写をみせることがあり、正直仰け反った事は告白しておきます。おそるべし。

2018/6/3 15:19  [2125-18]   

対物前リングを右側だけ反射防止塗装を施し比較。

内面反射に関しては特定条件以外ではあまり気にならないが、プリズムの側面、対物レンズ前の施条ネジリングとラバーゴム部分がクレセントグレアを視野周辺に盛大に生じさせる場合がある。また、接眼レンズの内筒が若干光る。

不思議なものでこの機種だけを数日間通して使用すると、Swarovisonなどの機種と比べて気になる
縦横の色収差や像の高周波コントラストの低さが段々と気にならなくなる。オーディオのエージングと似た効果だろうか。しかし、一旦、現代ハイエンド機種と見比べるとその差は厳然としてある。

現代のハイエンド機種に失われたWow!がClassiCにはある事は認めるが、それはある特定種目の特定階級に関する「王者」であって、双眼鏡の絶対王者で無いと言える。

2018/6/3 21:10  [2125-19]   



キヤノン ポロプリズム型のアイピース側より撮影 Zeiss ダハプリズム型のアイピース側より撮影

双眼鏡のレビューサイトや、個人のblogなどで双眼鏡について様々なレビューがなされていますが、その性能評価の一端として内面反射について言及されることが多くなったように見受けられます。
自分も購入検討の参考に役立てていますが、時にその評価と実用にズレを感じることもあります。
特にAllbinoのreviewなどでは、接眼レンズ側から筒内と対物レンズ側にかけてどの程度「黒い」かをみているようですが・・。

さて、例としてポロ、アッペケーニッヒの両機を同じように撮影したものです。
どちらが内面反射対策を徹底し、実用に影響が少ないと思われますか。

2018/6/3 09:53  [2125-11]   

視野外から光線が入る過酷な状況下で見られるクレセントグレア グレアの原因は、ポロの内部に環状の光る部分。アイピースに近づき斜めから撮影。

一般的な評価では、接眼側からある程度離れて内面に光る部分があるかを評価しているケースが多く、その意味では上記のポロタイプは「漆黒」に近く見え、もう一方のアッベケーニッヒの例ではプリズム内の各所に光る部分があるため、コントラストやグレア・ゴースト耐性に差がありそうに思えます。

ところが、フィールドで両機を使うと視野内のコントラストはどちらも良好。

視野外から斜めに強い光源が入る場合に見られるクレセント・グレア(視野周辺にでる三日月状のゴースト)は両機ともでてしまいますが、このケースではポロの方が強く出てしまいます。

添付のグレアの画像は、先のポロ機のものです。条件によって実視では容易に出ます。
原因は、対物レンズとポロプリズム間のフォーカスレンズ群が光っているためです。

アイピース側に近づいて、若干斜めから観察するとわかりますが、アイポイントに近づくと光っている部分に目のピントが合わなくなるため、光輪がボケて三日月常に視野に被るのです。
実視のアイポイントにできるだけ近づくと、筒内に実フィールドの明るい部分から反射して影響を受ける部分が見えてきますが、接眼レンズから離れて観察した時には見えていない部分となってしまいます。

経験上、これらのグレアは、プリズムの側面からインナーフォーカスユニット、対物レンズやその枠という順に視野への影響が対物側に行くほど大きくなる傾向があります。(構造にもよります)

単純にアイピース側から観察して、黒いか、光っているかだけでは必ずしも
実フィールドでの結果に対応しないという事を考慮されるべきと思います。

2018/6/3 10:31  [2125-12]   



ティアテス テアティス 本当の発音がどれなのかいまだに不明。

1929年発売初期のノンコーティングであるが、その後のコート有り普及品にくらべて重量が重く
金属塊感あふれるつくりをしている。
接眼見口の樹脂は、なんとエボナイト製で、独特の臭気となめらかな手触りと鈍い艶を放つ。本体はアルミ鋳物だが、すが入っていたりとZeiss Jenaといえども戦前技術の限界を若干感じる。

ブラックペイントは上質で真鍮部品に丁寧に塗ってある。 中心軸以外に接眼部にも摺動部があるため、グリス固着や蒸散による内部プリズム曇りなど起きやすい構造。
レーマンプリズムの固定はハウジングに厳密な定位置ガイドが存在せず、計測器がないとバラして正しい光軸位置に戻せない構造。また、対物の偏心構造で光軸を合わすのも非常に苦労する。

ノンコートだが、逆光や接眼からの強い逆入光がなければ視界は比較的クリアである。
特殊硝子やコーティング非使用ゆえに、視界はほんのわずかにグレーがかって現代機種に比べると暗い。カラーバランスが驚異的に肉眼視と同じという意味でフラットに見え、穏やかなコントラストとあいまってとても自然な見え方をする。ニュートラルな発色と穏やかなコントラストなのに、物体の艶と階調豊かなリアリティを感じられるという、現代の双眼鏡にありがちな高コントラストで発色は強いのだが物体がなぜか扁平に見えるという傾向の真逆を行っている。戦前のVoigtlander ノンコートヘリアーやKodak ベス単で写真を撮った経験がある方には想像しやすいと思う。カラーバランスがニュートラルだと信じていたGT-M518やスワロビジョンと見比べても、最新機種には実はまだ若干の演色性があることを理解できる。

光学性能は中心の結像が比較的高く、中心から半径20-30%をすぎて急激に崩れる。非点収差が特に強い。色収差は中心は良好にコントロールされ、月エッジの色収差などもアイポイントを正しく中心にそえてみればあまり目立たない。

星像は中心でも若干肥大し、この個体は左右で結像性能(前後フォーカスでのボケ像が非対象)に差があった。しかし、星空散策においては意外にも視野のコントラストがよく綺麗に見える。近接数十cmから無限遠までほどほど安定した描写性能。 物としての作りの良さや、片手に収まる愛らしい小ささ、そして現代視点で見ても項目にばらつきはあるがちょっと驚く光学性能。製造年代ごとのコレクションをしたくなる理由がよくわかる。

2018/4/2 09:59  [2125-10]   



2017年突如発表されたPowerd IS搭載の32mm機種。最近では12x36 IS IIIなどのIS制御アップデート機種の発表が続いていたので、個人的には発売後10年を越えた10x42LISのモデルチェンジを期待していたが、見事に外された。
まずはサマリーを。

pros
・改善されたカラーバランス
・静止観望に食いつきの良さを発揮するPowered ISモード
・IS時の光学的画質劣化が改善
・視野周辺まで良像範囲が広くフラットフィールドである
・迷光処理をはじめ光学的基本性能の向上による画像品質向上 
・バッテリー持続時間の向上

cons
・3cm機にしては大きく重い(シフト式採用と7枚もの対物レンズ系による)
・UDレンズ非採用。アクロマートレベルの残存色収差で、パープル・イエローフリンジが顕著
・高額な販売金額設定
・使いにくい、のぞきにくいアイカップゴムデザイン。ツノ付きカップなどのアクセサリー類オプションが無い。
・手ブレ補正性能自体の改善は僅か?

2018/1/27 17:02  [2125-5]   

接眼レンズ側より。内面反射を徹底的に抑える丁寧なつくり。 アイピースゴムを外し、横から撮影。最外面は非球面?

海外では日本より先に発売されたこともあり、数少ないレビューが投稿されていた。その中でもCludy nightのPinac氏によるレビューはとても参考になった。

また、購入前に何度も品川キヤノンで12倍14倍を含む現物を見たのだが、10x42LISとの比較であまり積極的に購入しようと正直当初は思えなかった。

2018/1/27 19:32  [2125-6]   

裸眼で使用する場合、私にはアイカップの左右それぞれ鼻よりの部分のみ高さがありすぎて困る。
折り返しゴムがただついているだけなので、接眼レンズと目の位置高さが調整できない。

接眼レンズの覗きやすさという意味ではそれなりに位置に寛容でブラックアウトがしにくく良好なのだが、後述する色収差によるフリンジが一番少なく見える目の位置というものが存在し、その位置がmm単位で結構シビアなので、アイカップゴムの形状と目の位置ぎめがこだわる場合は重要なのである。

また、ツノ付きアイカップなどのオプションがないので私はSwarovski EL 50mmのオプションを画像のように無理やり装着して使用している。 横からの光混入を防ぐと光害環境下での天体観測にはそれなりの効果がある。

2018/1/28 12:21  [2125-8]   

実視にて本当に残念な部分が、縦横の残存色収差である。どちらかといえば私はCA sensitiveな方ではあるが、昨今のED HD双眼鏡が増えて来た状況からすると、普通の人が見えても気にしだすと気になるレベルだと思う。

ピントが合った部分は、正確には縦の色収差は消える(見えない)。ただし、それは接眼レンズに対して上下左右にただしく瞳の位置があった場合である。 月など見た場合、中央でフリンジが消える場所が瞳の位置で存在するが、かなりmm単位以下でシビアである。
また、裸眼でアイカップを起こした使い方では私(顔平たい族では無い方なのだが)の場合ジャストのアイポイントが僅かに奥まってしまい、周辺光量落ちしてしまう。硬いゴムカップを目の周辺で無理に押し付けるとベストポジションに出会えるという痛い状況である。メガネ使用者の場合でも、ベストポジションの保持が容易かどうかを確認の上購入された方が良いと思う。

横(倍率)色収差は若干ある方だが、フラットな景色を見る際にはフラットナー光学系が良好に効いているため、周辺まで気持ちの良い像を結び、歪曲補正も良好である。(RB effectはパンしてもあまり気にならない) しかし、遠近の距離がある景色では、例えば木立の前後でボケた像の縁に過剰な紫・黄色のフリンジが見られるため、空間的な美しさを著しく損なう。
このあたりは色被りをしているにせよ10x42LISの方が良好である。

2018/6/6 20:15  [2125-20]   



この後、欠点改良のため剥かれるのであった。

センターフォーカスで6.5倍の低倍率に加え約5mmの瞳径という星空観望にも理想的なスペック。
実際の製造は中国 Shenzhen Kat-Kimlite 社のOEMと思われ、OEMページでは同機種のベースモデルが紹介されている。
ちなみに驚くことにKimlite社の年間製造キャパが100万台と書かれており、他にもどこかで見たような形の双眼鏡やスコープがあるので相当数のブランドがお世話になっていそうである。
日本で販売されている望月氏のモデルはカスタマイズ注文と想像され、コーティングやレンズがupgradeされている。Zeissの名前をちょいちょい比較に出しているが、ご愛嬌程度ということで。 
実際の性能は、格上の3-4万円代の双眼鏡ですら持ち合わせていない突き抜けた部分と、後述するいくつかの欠点が混在した、マニア必携の不思議な機種。というのが総合見解である。

@外観
ラバー外装で、仕上げもMade in China他メーカー品と同程度の品質。多少ラバーが臭う。ラバーの仕上げに僅かな雑さが見られる。
対物・アイピース両方ともパープル系色のコーティングで、筒内をのぞくと高級機種のような「深い水の湛えた井戸底を」みるような感じではないが
上質と思われる。 内部光学部に製造汚れや拭きむらは無いが、僅かな異物混入はあり。

@機構
センターホイールはスムースに動くがグリスがかなり重めである。フォーカスは鏡筒内の1枚のフォーカスレンズが前後する方式。
アイカップのツィスト動作やセンター軸の動作はかっちりしている。
右側鏡筒に接眼レンズを動かす視度補正を備えるが、0点クリックがない(指標はある)ため夜間は判別しづらい。

@実視
中心結像が非常に固くカッチリしており、物の質感と艶の再現に秀でる。これが本機種の最大アピールポイントである。
この部分だけ言えば、ZeissのClassic/Dialytっぽい見え方と言えなくもない・・・。
カラーバランスは僅かに黄緑にかたよるが、明るい視野内の見え方にコクのある味付け程度で好ましいレベル。 個人サイトで透過率を測定という偉業をなされている方の情報と合致する。
Pleasing 6.5x32は600nm付近が90%以上、400-500nmの透過率が若干劣るという結果だった。
400-500nmの青・紫を改善するにはさらなる多層コートに加えショットHTガラスのようなプリズム吸収をケアしないといけないかも。

歪曲はクラシックで素直な軽い糸巻き。これによりパンニングによるグローブエフェクトは起きにくい。

続く

2018/1/27 12:26  [2125-3]   

HR 6.5x32 WP
@実視2
色彩の彩度は中庸より若干強めにでるが、コントラストが強めではないので素直な描写である。
中心像の非常なる解像力はEDレンズとプリズム製作精度によると思われる。色収差については、中心はほぼ色消しに成功している。
周辺にかけて倍率収差はなだらかに発生しているが、白い対象物でもフリンジは非常に軽微である。

接眼側にフラットナーレンズや非球面を採用していないと思われ、大きな欠点のひとつとして周辺像の崩れがある。
星空の星像は中心から半径30%が点像で周辺にかけての崩れがはげしい。周辺は非点収差(隔差)が強く出ており、ピントを前後させると星像が縦線・横線という収差の教科書的な見え方をする。強い非点収差のため、像面湾曲の有無はよくわからない。

見掛け視界52-53度と広くはなく、前述のように良像範囲が狭いので天体用に向かないと一見思われるが、実際に星空を眺めると不快な感覚は全くない。
中心の星像が固く、しかも星の色と煌めきを感じられるのと、コントラストが良く微光星がまばらにばら撒いた感じがよくわかるのでとても楽しめる。
月面像は倍率の関係で小さいのだが、海の部分のぬめる質感や無数のクレーターが細かくチリチリ見えてくるところが楽しめる。色収差のフリンジも気にならない。

天体使用においては、月が出ている時にだけ不具合がおきる。月から視野を外した30度前後あたりで、筒内光反射が強くおき視野の半分ちかくをグレアで覆ってしまう。
これはフォーカスレンズユニットの内面反射防止が不十分な為で、接眼レンズやプリズム、はたまた対物レンズのコバ塗りまでフォーカスレンズユニット部以外の内面反射対策は
正直他機種と比べてもかなり丁寧に行われ、コーティングの良さと相待って良好なコントラストを描いているにも関わらずだ。画龍点睛を欠くと言うか・・。
その後、日中の使用においても逆光ぎみや視野外に強い輝度がある場合に同様の現象が起きる理由が、このフォーカスレンズユニットの内筒処理が原因であることがわかった。
ここはすぐにでも改善して欲しい点だ。

続く

2018/1/27 13:51  [2125-4]   

光源下でフォーカスユニット内筒と反射防止紙の光り方 反射防止対策後。筒内は漆黒。

分解の過程はそもそも分解行為が保証規定外になることや、窒素ガス封入がなくなることなど、デメリットやリスクが大きい為割愛させていただく。

この双眼鏡に一つ言えることは合理的なコストダウンがなされた構造・作り・部材の使用(接着剤や樹脂)によるところからメンテナンスのし易さをあまり考えられていないと思う。 
まぁ、Swarovskiでさえも故障の程度によっては予め組み立てておいたユニット鏡筒とまるごと交換しているので、隅々まで分解再調整できる構造は必ずしも必要ないのであろう。

懸案の視野外強光源での内面反射は、フォーカスレンズユニット内筒の黒色塗装に問題があると見ていたが、実際には黒色の樹脂仕上げそのままに塗装がされていなかった。ここは本来ネジ切り+塗装するべきと思われる。

対策として自家製反射防止シートを筒内に挿入した。

その効果は絶大であった。

前述の月の影響はほとんどなくなり、日中・室内などの条件でもコントラストが向上し
この光学系がもつポテンシャルを遺憾無く発揮できるようになった。
例えるなら Zeiss 3x12Bで見える、室内オブジェの艶やかさやしっとりした見え味を更に明るくしたような・・。最新のPENTAXやSwarovisionのようなニュートラルなカラーバランスに突き抜けるコントラストなどとは違う、なかなか味わい深い見え方である。

2018/1/28 12:05  [2125-7]   


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